モバイルVRの発展ねらう―統合型開発環境「Vroom」を手がけるワンダーリーグ代表インタビュー | GameBusiness.jp

モバイルVRの発展ねらう―統合型開発環境「Vroom」を手がけるワンダーリーグ代表インタビュー

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モバイルVRの発展ねらう―統合型開発環境「Vroom」を手がけるワンダーリーグ代表インタビュー
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Samsung社Gear VRやGoogle社Daydream Viewなど各社プラットフォームの充実に比例する形で、急速に拡大してきたモバイルVR分野において、世界的にも初となる「プラットフォームを問わないVRコンテンツの開発環境」を開発した株式会社ワンダーリーグ。その代表取締役 北村勝利氏にお話を伺いました。

北村氏はこれまで数社を起業した実業家で、株式会社ユーアイディー設立時には携帯電話にプラスの価値を求めた活動を展開、その後も株式会社バタフライを始めとする各社の取締役を就任し、ソフトウェア制作及びハードウェア開発両面の活動を行って来ました。そして、2012年に設立された株式会社ワンダーリーグ(旧社名:株式会社kitamura)として、9軸センサーのモーションコントローラーを基軸としたVR開発環境「Vroom」を発表しました。

「VR」と言えば、Oculus RiftやHTC ViveといったハイエンドPCベースのプラットフォーム、もしくはPlayStation VRのようにコンソール型のものが主流とも捉えられがちですが、実際には導入コストの高さからユーザーの増加は緩やかな傾向にあります。一方、スマートフォンとコントローラーを用いたモバイルVR市場は、新たな体験を求めるユーザー層の増加に伴い今後広く拡大していくと北村氏は語ります。ワンダーリーグの調べでは、モバイルVRの5大プラットフォームとして「Daydream」、「Huawei VR」、「Mi VR」、「HTC」、「GearVR」を挙げており、加熱する中国市場をはじめとするモバイルVRの市場流通はこの先5年で急速に増大すると北村氏は語ります。


しかし、これらはハード主体、つまり各社のスマートフォンの販売台数を増やすことを軸とした垂直統合型の展開となっているため、肝心のコンテンツは慢性的に不足傾向にあります。アプリディベロッパー側としては、各社プラットフォームごとに異なるSDKの対応に時間を取られ、マルチプラットフォームでコンテンツを流通させる事が難しいという問題点があると北村氏は指摘します。

■マルチプラットフォーム化を容易にするVR開発環境の提供

そこで北村氏は、ハードウェア及びミドルウェアを含めた総合的な開発環境を提供する「Vroom」を開発しました。本人もハードウェアのギークであるという氏は新しくモーションコントローラーを制作し、このコントローラーを入力端末として用いるためのSDK提供を開始しました。これらは主にUnityエンジニアやゲーム・アプリ開発会社を対象として、共同事業方式もしくは売り切り方式(その場合の価格は38万円)による展開を行っているとのことです。これにより、従来は個別の対応が必要だったマルチプラットフォーム化の敷居が一気に引き下がり、ディベロッパー側はクリエイティブな部分に時間を割くことが出来るようになります。せっかく作ったゲームを多くの方に遊んでほしい、そんな思いから、開発用コントローラーと共にVroom統合SDKをパッケージしたことで、ディベロッパー側もより前向きにコンテンツ制作を行うことが出来ると北村氏は語ります。

特定のコントローラーが入力端末として固定されるだけで、開発は非常にスムーズに。iPhoneなどで手軽にVRゲームが行えるようになることは、エンドユーザーにとっても嬉しい

なお、VR開発支援事業だけでなく、株式会社ワンダーリーグとしても「Trainfight」という自社開発のVRゲームを制作中とのこと

■旧型iPhoneでもOK!幅広い対応機種を実現した9軸モーションコントローラー


編集部でも、さっそくVroomのモーションコントローラーを手にとって見ることができました。持った感じは非常に軽く、ゲームで白熱した時に落としてしまわないかが心配なほどです。単4電池2本で駆動し、本体の厚みはほとんど電池分というコンパクトさです。
このコントローラーが革新的なのは、旧型iPhoneやAndroid端末において快適なVR体験を実現可能とした点です。iPhoneのBluetooth伝送速度の関係で、Daydream Viewと比較すると2割程度遅延が生じるとの説明もありましたが、ハイエンド機のみを対象に絞ったDaydream Viewと異なり幅広い機種対応を実現しながら、同等スペックとなる9軸センサーによるモーションコントロールを実現しています。


一般ユーザーがこのコントローラーを購入する際の価格は、3,000~4,000円程度となる見込みです。なお、ワンダーリーグとして専用のVRゴーグルを発売する予定は現段階ではないようで、例えばハコスコや中国メーカー製VRゴーグルといった簡易的なものでも利用可能とのことでした。「まずは広く普及することが大切」と語る北村氏ですが、スマートフォンやVRゴーグルの種類を問うことのない「導入コストを極限まで下げたプラン」をユーザー側に提案していく形となりそうです。
また、周辺機器メーカーやおもちゃメーカーなど、一緒にハードを製品化してくれる協賛企業・パートナーも積極的に募集しているということでした。

■日本のゲームをVR版リメイク―「共にVRを広めていく”仲間”を募集したい」


北村氏がインタビュー内で何度も強調したのは、「コンテンツ数を一緒に増やしていきたい」ということ。ワンダーリーグでは、数万にも及ぶ既存のゲームコンテンツに注目し、コンテンツホルダーとなるゲーム会社に「VR版リメイク」という形で提案を行っているそうです。もともとモーションコントローラーを用いた操作を行うように作られている任天堂Wii対応ゲームをはじめ、日本の誇る優れたゲームコンテンツをVR化して世界発信をして行きたいと北村氏は語ります。
現状のモバイルVRのコンテンツは比較的ライトなゲームやアプリの比率が高く、こうした中においてしっかりと作り込まれた日本の3DゲームやネームバリューのあるIPコンテンツのリメイク版は、大きなニーズがあると北村氏は説明します。その際は開発支援ツールの提供のみならず、リメイクの際の受託開発、申請手続きから英語・中国語でのカスタマーサポートまでトータルに対応していくそうです。

今後このVroomが広く世に認知されれば、全てのモバイルVRプラットフォームに発展をもたらすことに繋がるはずです。そして、市場を席巻するモバイルVRコンテンツが日本国内から発信されるとすれば、それは非常に素晴らしいことだと筆者は感じました。
《MGK2》

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