黒川塾32を振り返って・・・「モノ創りかくあるべし」―黒川文雄「エンタメ創世記」第50回 | GameBusiness.jp

黒川塾32を振り返って・・・「モノ創りかくあるべし」―黒川文雄「エンタメ創世記」第50回

2月は通常月に比べて日数が少なく、やることが多く日々忙殺されています。しかし、多くの皆さんとの出会いとサポートにより、日々生かされていると感じることの多い今日この頃です。

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黒川塾32を振り返って・・・「モノ創りかくあるべし」―黒川文雄「エンタメ創世記」第50回
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2月は通常月に比べて日数が少なく、やることが多く日々忙殺されています。しかし、多くの皆さんとの出会いとサポートにより、日々生かされていると感じることの多い今日この頃です。

先月度のコラムで取り上げたオキュラス・リフトですが、今年に入ってからバーチャルリアリティ関連の新しいニュースが国内外を問わず毎日のように報道されています。そのなかでは、株式会社ソニーコンピュータエンタテインメントがリリースするPlayStationVRが本命と目されていますが、オキュラス・リフト、ハコスコ、グーグルのカードボードなど、多種多様なデバイスが導入されることはとても良いことだと思います。伴って、コンテンツ面も充実してきており可能性は高まります。

アダルト系VRもこのところニュースになりますが、こちらも導入をブーストするうえで重要な位置を占めることになるでしょう。

先日、東京都港区にあるフェイスブック(日本)社のなかにあるオキュラス社にご招待をいただきまして、オキュラス・リフトとオキュラス・タッチの体験をさせてもらう機会を得ました。

体験自体は別の記事コラムなどでご紹介したいと思いますが、体験したソフトは「ToyBox」(おもちゃ箱) 「Medium(ミディアム)」「BULLET TRAIN(バレット トレイン)」(UE4)の3つです。どれも素晴らしいVR体験ですが、なかでも、「Medium(ミディアム)」は立体VR空間の創作ソフトとしては秀逸です。シェービング・フォームのような立体物を創り出し、カラーリングを変更したり、物体を削ったりなどの加工を施すことができます。VR空間の創作芸術作品を創りだすことができるコンテンツです。もしかするとこれを利用してれVR空間内での芸術作品を競い合う時代がくるかもしれません。それをのちに立体化するような逆トレンドも期待できます。

このように今までなかったものや、考えれば「なるほど」と思うような作品や商業製品は何気ない日常生活のなかにあるのではないでしょうか・・・。

その想いを新たにしたのは、先日、「黒川塾」32回目のことです。

「黒川塾」32のゲストはサイバーコネクトツーの松山洋さんでした。松山さんは私が以前から高い関心をもってウォッチしていた経営者であり、クリエイターのひとりです。


トークセッションの内容に関してはこちらのGamebusiness.jpさんのサイトでもニュースで取り上げていただきましたので詳しくは書きませんが、松山さんと言えばキャラゲーを神格化したクリエイターです。その松山さんがとても素晴らしいことをお仰っていました。

人気のキャラでゲームを作っておしまいだったキャラゲーの世界にきちんと魂を吹き込んだのは松山さんですよね?という私の質問に対して

松山さんがなぜそのようなことを思いついたのかというヒントをお話しいただくことができました。

それは任天堂の宮本茂氏の発言に依るものとのこと・・・その任天堂のモノ創りとは「世の中の不平不満に目を向けること」という宮本氏の発言を耳にしたそうです。実例として松山さんは「ゲームをやり過ぎで頭が悪くなると批判を受ければ、『脳トレ』を開発しヒットを生み出す、室内に籠ってばかりで運動不足や体調管理ができないと言われれば『Wii SPORTS』というように批判や不平の逆を考えてそれをバネに市場に任天堂は自らの存在価値を問うてきた」と・・・。

つまり世の中の不平不満を解消するという、プラスマイナスをゼロにするだけではなく、喜んでもらえることで自分たちのファンになってもらえ2倍の得があり、従来のありがちなキャラゲーのマイナスをプラスに変えることを自分たちはやってきたという話をしてくれました。

2016年は始まったばかりです。VRばかりでなく、ネットを取りまく環境では「動画元年」などの多様な時代の局面が待ち受けています。

松山さんは最後に「常に人を楽しませるということ、エンタメに対するあくなき追求を続けていく」という言葉で黒川塾32を締めくくりました。

常にあくなき追求という言葉はそれを実行し実現している人の言葉として十分に説得力のあるものでした。


最後は次回、黒川塾のご案内です。

今回のテーマは、「バーチャルリアリティの未来へ 3」

皆様と2016年のエンタテインメントビジネスをさらに熱くする現場の可能性考えてみたいと思います。
今回はシリーズ3回目「VRの未来」を考えます。ゲストSCE吉田氏、ハコスコ藤井氏、PANORA広田氏、gumi渡部氏をお呼びしてVRの未来をお話しします。

今回も皆様とともにお時間を共有したいと思います。ご参加お待ちしております。

黒川塾33 参加申し込みはこちらから

■PeaTIX(お申込みはこちらから)
http://peatix.com/event/146437/view

■eプラス(お申込みはこちらから)
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002181724P0050001P006001P0030001

■著者紹介

黒川文雄
くろかわ・ふみお 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックス、NHNjapan(現LINE・NHN Playartにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。黒川塾主宰。「ANA747 FOREVER」「ATARI GAME OVER」(映像作品)「アルテイル」「円環のパンデミカ」他コンテンツプロデュース作多数。
《黒川文雄》

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