記野直子の「北米ゲーム市場分析」2015年3月号―日本のソフトパワーが光った! | GameBusiness.jp

記野直子の「北米ゲーム市場分析」2015年3月号―日本のソフトパワーが光った!

こんにちは。なぜか上海からこのレポートを書いています。先週末、2015年3月の北米ゲーム市場セールスデータがNPDから発表されました。3月は、日本発のソフトが健闘しました。

その他 その他
こんにちは。なぜか上海からこのレポートを書いています。先週末、2015年3月の北米ゲーム市場セールスデータがNPDから発表されました。3月は、日本発のソフトが健闘しました。
  • こんにちは。なぜか上海からこのレポートを書いています。先週末、2015年3月の北米ゲーム市場セールスデータがNPDから発表されました。3月は、日本発のソフトが健闘しました。
  • こんにちは。なぜか上海からこのレポートを書いています。先週末、2015年3月の北米ゲーム市場セールスデータがNPDから発表されました。3月は、日本発のソフトが健闘しました。
  • こんにちは。なぜか上海からこのレポートを書いています。先週末、2015年3月の北米ゲーム市場セールスデータがNPDから発表されました。3月は、日本発のソフトが健闘しました。
こんにちは。なぜか上海からこのレポートを書いています。先週末、2015年3月の北米ゲーム市場セールスデータがNPDから発表されました。3月は、日本発のソフトが健闘しました。

■市場全体動向:安定の北米市場

2015年3 月の北米市場規模総額は前年比6%ダウンの9億6,800億ドル(約1,160億円)。さすがに新ハードに湧いていた前年同月に比べればダウンは免れないとは思いますが、それでもこの数字は立派です。

ハードウェア売上は前年比9%ダウンの3億1,110万ドル(約373億円)。3DSなどのハンドヘルド(携帯ゲーム機)は前年比71%増をマークしていることを鑑みれば、特にコンソール(家庭用ゲーム機)の前年比29%ダウンが市場の動向をダウンさせている主原因だとNPDは語っています。

でも、一概に「売れなくなった」というのはせっかちで、ハードウェア自体の値段が下がっているので売上金額ベースで前年比ダウンは必ずしも台数ダウンとはならないと考えてください。実際に2014年3月の前年比ハード売上は78%増だったことを考えれば2014年がすごすぎたとも言えます。

ソフトウェアを見ると、小売店で販売された売上高は前年比6%ダウン。ダウンと言えどもこの数字がデジタルダウンロード売上を含んでいないこと、前年同時期に『Titanfall』や 『inFamous: Second Son』など大型タイトルの発売ラッシュだったことを考えると、「北米市場も冷え込んできた!」などと取り沙汰する必要もないことです。

NPDは現世代コンソール機(PlayStation 4、Xbox One 、Wii U)向けのソフトだけで比較すると前年比58%増だったと語っています。いよいよ、数が出回った現世代機向けにソフト売上が集中してきたと判断しているようです。

■ハード動向: ハード売上は順調!


■ソフト動向: 日本発タイトルが光った3月の市場!

2015年3月度のソフトウェアランキングです。

1. Battlefield Hardline (PS3/PS4/360/X1/PC) - Electronic Arts
2. Bloodborne (PS4) - Sony Computer Entertainment
3. Grand Theft Auto V (PS3/PS4/X360/X1) - Take 2/Rockstar
4. Mario Party 10 (Wii U) - Nintendo
5. Call of Duty: Advanced Warfare (PS3/PS4/X360/X1/PC) - Activision Blizzard
6. MLB 15: The Show (PS3/PS4) - Sony Computer Entertainment
7. Minecraft (PS3/PS4/X360/X1) - Microsoft/ Sony Computer Entertainment
8. NBA 2K15 (PS3/PS4/X360/X1/PC) - Take 2/2K Games
9. Borderlands: The Handsome Collection (PS4/X1) - Take 2/2K Games
10. Final Fantasy: Type 0 HD (PS4/X1) - Square Enix


前述しましたがSCEAから3月24日に発売された『Bloodborne』は発売1週間でしかもシングルプラットフォームにもかかわらず2位にランクインしました。ソニーの4月5日の発表によるとパッケージおよびデジタルダウンロード合わせて全世界で100万本以上の売上を達成したとのこと、オリジナルIPを立ち上げるのが難しい昨今、SCEのジャパンスタジオおよび開発会社のフロムソフトウェアには賞賛の拍手を送りたいと思います。

上記はマルチプラットフォームにおける売上ランキングなので、2位の『Bloodborne』と4位の『Mario Party 10』はSKUで見ると1位2位となっているはずです。両社とも日本メーカーということで久しぶりに日本のコンテンツが光った市場でしたね。



また、10位にスクウェアエニックスの『Final Fantasy: Type 0 HD』もランクインしています。3月17日に発売された同タイトルですが、4月10日の同社の発表によると、こちらも全世界で100本出荷したとのことです。このまま日本発タイトル群が世界にプッシュを続けてほしいですね!

年末にHD化されてPlayStation 4、Xbox One向けに発売された『Grand Theft Auto V』ですが、いよいよPC版が4月14日に発売されました。延期に次ぐ延期だったのでユーザーにとってはかなりの期待のタイトルのようです。こちらも4月ランキングにどう影響するか楽しみでもありますね。

■モバイルゲーム市場は過当競争が続いている

今回はめずらしく、モバイルゲームのお話を最後にしたいと思っています。

北米はコンソールで湧いている状況が続いていて、日本のゲーム市場の動きとは大きな違いを見せていますが、モバイルゲーム市場は日本と同様で混沌としているようです。インディータイトルの出現やコンソール、PCゲームメーカーのモバイルへの進出も相まってAppStoreなどでは1日に数百タイトルものタイトルが供給されています。

Free-to-playゲームコンテンツを中心に供給されては消えていくという大きな競争の中、ユーザー課金率は2~3%、ユーザーのほとんどがフリーでゲームを楽しんでいるため産業として成り立っていないという指摘もあるようです。

日本でも聴いたことがあるような内容ですが、北米でもコンテンツを供給する上位10%のみが課金で潤っていて、それ以外のコンテンツは認知されることも難しく競争が激化しているという報告です。

日本だけ市場が違うと言われる最近のゲーム業界ですが、モバイルに関しては様相が同じというのは非常に興味深いです。今後これを打破するビジネスモデルやビジネスプラットフォームの出現が待たれるところです。

ひとつだけ日本と違うところは「課金コンテンツ」がまだ市民権を持っているところでしょう。日本のコンテンツの上位ランキングには一部有名コンテンツを除きFree-to-playが名を連ねていますが、北米では有料オリジナルコンテンツも口コミで広がる傾向があり、必ずしもFree-to-play モデルでないとウケないという状況ではないというのが違いと言えるでしょうか。

それでは、また来月!
《GameBusiness.jp》

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら