日本デジタルゲーム学会夏期研究発表会で特別パネルディスカッションが開催、関東4大学の名物研究者がゲーム教育について激論 | GameBusiness.jp

日本デジタルゲーム学会夏期研究発表会で特別パネルディスカッションが開催、関東4大学の名物研究者がゲーム教育について激論

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日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)第2回夏期研究発表会が8月31日に東京工芸大学中野キャンパスで開催され、15本の口頭発表と3本のポスター発表が行われました。
  • 日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)第2回夏期研究発表会が8月31日に東京工芸大学中野キャンパスで開催され、15本の口頭発表と3本のポスター発表が行われました。
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日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)第2回夏期研究発表会が8月31日に東京工芸大学中野キャンパスで開催され、15本の口頭発表と3本のポスター発表が行われました。

スローガンは「アート+テクノロジー=ゲーム!」で、研究者・学生・業界人など60名以上が参加。特別パネルディスカッション「大学におけるゲーム教育」も実施され、関東4大学の取り組みについて議論されました。当日の模様はUstreamで録画が公開されており、予稿集も「DiGRA Japan 研究委員会」公式サイトからダウンロード可能です。

「DiGRA Japan 研究委員会」公式サイト
http://digra-j.net/index.php?WelcomePage

DiGRA JAPAN CHANNEL
http://www.ustream.tv/channel/digra-japan-channel

このうちパネルディスカッションでは▽白井暁彦氏(神奈川工科大学情報学部情報メディア学科)▽宮澤篤氏(東京工芸大学芸術学部ゲーム学科)▽藤本徹氏(東京大学大学総合教育研究センター)▽三上浩司氏(東京工科大学メディア学部)−−がパネリストとして登壇。約1時間という限られた時間ではありましたが、大学ごとのカリキュラムの特徴や社会とのかかわり方、研究と教育の関係などについて密度の濃い議論が行われました。モデレータはスクウェア・エニックスの三宅陽一郎氏がつとめました。

近年国際的に増加傾向にある大学でのゲーム研究・教育ですが、日本では取り組みが遅れているのが現状です。背景としてゲーム研究が学問として認知されているとは言いがたく、いずれの大学でも既存の学部・学科の枠組みの中でカリキュラムが編成されている事情があります。また日本ではゲーム開発者向け教育機関として専門学校が一定の成果をあげており、大学として何を教えるべきか試行錯誤中という側面があるのも事実です。

神奈川工科大学においても、もともと機械工学系のエンジニア育成をベースに発展してきた背景があります。もっとも近年では情報学部内に情報メディア学科を設立し、コンテンツ研究・教育にも注力。2012年には『もじぴったん』プロデューサーを務めた旧ナムコの中村隆之氏を特任准教授に迎えました。パネリストの白井氏も元キヤノンでゲームエンジン「レンダーウェア」の国内展開にかかわった経歴の持ち主、その後、仏ESCIN大学、日本科学未来館勤務などを経て、2010年に神奈川工科大学准教授に着任。『WiiRemoteプログラミング』(共著)などの書籍を上梓するなど、ゲーム業界に縁深い人物です。

白井氏は同校の特徴として、1年前期でProcessingによるゲーム制作を全員が行うなど、プログラミング教育に力を入れていることや、2年次の基礎演習でWiiリモコンを用いたゲームインタラクション演習、3年次にはキネクトを用いた演習など、特色あるメディア演習について説明しました。研究室でも「社会に必要とされ、長年『自分で喰っていける』人材」や「ふつうじゃないことを誰よりも早く実現するエンジニア」を排出することを念頭に活動。学生対抗国際バーチャルリアリティコンテスト(IVRC)や、センスオブワンダーナイト入選を果たすなど、特色ある取り組みが行われています。

研究発表会のホスト校でもある東京工芸大学の宮澤氏は「大学におけるゲーム教育の現状とこれから」と題して、自身もかかえる課題について説明しました。同校は数少ない「ゲーム学科」を有する大学として知られ、『パックマン』の生みの親として有名な岩谷徹氏を教授に迎えるなど、ゲーム研究・教育に注力しています。宮澤氏もまた日本アイ・ビー・エムなどを経て旧ナムコでCG映像の研究開発に従事した産業畑の人間。そのため基礎的な技術や工学知識を学生にどのように教えるか、自問自答する毎日だと語りました。ゲーム学科は芸術学部の中に位置づけられ、芸術系・理数系教育が同時に行われる点が特徴ですが、年間の授業数には限りがあり、中途半端で終わる恐れもあるからです。

そのため宮澤氏は「通常の理系大学のように、演習問題を延々と解かせるようなやり方では指導が難しい」と説明。自身が担当する「ゲーム機アーキテクチャー論」でも、ゲームの歴史をゲームプログラミングの立場で学び、合間に微分積分や線形代数などの演習を織り交ぜつつ、最後にミニゲームを開発するカリキュラムにおちついたと語られました。また福沢諭吉の名著「学問のすすめ」を引用しつつ、「学問は人間の交際(ソーシャル・アクティビティ)のために存在する」という考え方を提示。大学におけるゲーム教育の思想的背景について語りました。

日本でシリアスゲームの第一人者として知られる藤本徹氏は、本年度から東京大学大学総合教育研究センターに着任。業務の一方、東京工芸大学で「シリアスゲーム論」、東京大学で「メディア創造ワークショップ」を担当しています。さらにNPO法人Educe Technologies内で研究ユニット「Ludix Lab」を立ち上げるなど、幅広い活動を続けてきました。藤本氏が代表を務めるシリアスゲームジャパンは、日本のシリアスゲームやゲーミフィケーションについて知見が集約する場として、草分け的な存在としても知られています。

藤本氏は「シリアスゲーム論」で、2011年度よりゲーム要素をとりいれた「クエスト授業」を展開中だと説明しました。年間を通して小課題が設定され、学生が進捗状況を可視化できるようにすると共に、個人課題・グループ課題を織り交ぜ、年度末の「ラスボス」プロジェクトに向けて学習を進めるという仕組みです。受講者全員が「レベル1見習い」からスタートし、クエストを達成して経験値を獲得する仕組みも導入。学習意欲を高めると共に、授業を通してシリアスゲームが体感できる場となりました。また「メディア創造ワークショップ」では、2013年度よりシリアスゲーム開発も実施するとして、メンターとなるプロのゲーム開発者の参加を呼びかけました。

最後に東京工科大学の事例が三上氏より紹介されました。同校では2004年からゲーム教育を実施しており、四年生大学におけるゲーム教育の草分け的存在として知られています。近年では48時間でゲームを作る「GlobalGameJam」の会場も設営し、同イベントの認知度向上にも尽力。さらに2013年度から、「ファミスタ」シリーズの生みの親として知られる旧ナムコの岸本好弘氏を特任准教授として迎え、産学連携によるシリアスゲーム開発などにも取り組んでいます。

同校ではメディア学部にゲーム教育カリキュラムが設置されています。メインは1年生から3年生を対象とする長期の「プロジェクト演習」で、学生は3年生の夏に東京ゲームショウへの作品出展をめざして演習にはげみます。もっとも必修科目ではないため「学生が前のめりで失敗できる一方で、教員も手心を加える必要がない」(三上氏)とのこと。また「現場でゲームが作れる人材」ではなく「新たな表現や技術を生み出せるエンジニアや、開発経験のあるディレクター・プロデューサ候補」の育成を掲げることで、グループ内にある専門学校との差別化も諮られていると説明されました。

ラストのディスカッションでは、モデレータの三宅氏から「大学は最先端の研究と人材教育を両輪としているが、『ゲーム研究』自体が発展途上であるため、ゲーム教育にも困難な点はないか」という問題提起がなされました。これに対して白井氏は「ゲームに限らず、形のない混沌とした最先端の分野に挑戦し、できるだけ早く実装できるエンジニアを育成することが研究室のテーマ」だと説明し、大学における研究と教育とは、もともとそうした困難さを含んでいると回答。はからずも本パネルディスカッションのテーマを象徴するやりとりとなりました。
《小野憲史》

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