【TGS 2012】『神撃のバハムート』『キングダムコンクエスト』〜セガ、ディー・エヌ・エー、サイゲームスが語る世界への挑戦 | GameBusiness.jp

【TGS 2012】『神撃のバハムート』『キングダムコンクエスト』〜セガ、ディー・エヌ・エー、サイゲームスが語る世界への挑戦

東京ゲームショウのセガブースでは「SEGA_Apps Coming!ゲームアプリトークセッション」と題されたトークセッションが行われています。スマートフォンのゲームアプリについて、様々なゲストを招き、今後の市場の動向、セガのスマートフォンアプリの戦略について議論しま

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東京ゲームショウのセガブースでは「SEGA_Apps Coming!ゲームアプリトークセッション」と題されたトークセッションが行われています。スマートフォンのゲームアプリについて、様々なゲストを招き、今後の市場の動向、セガのスマートフォンアプリの戦略について議論しま
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東京ゲームショウのセガブースでは「SEGA_Apps Coming!ゲームアプリトークセッション」と題されたトークセッションが行われています。スマートフォンのゲームアプリについて、様々なゲストを招き、今後の市場の動向、セガのスマートフォンアプリの戦略について議論します。

ビジネスデイ1日目の9月20日の13時45分からは、「Game Changer 海外展開への挑戦―欧米編」と題され、スマートフォンゲームの海外展開についてのトークセッションが行われました。まず司会者から4人のパネリストが紹介されました。

まず2010年にインキュベイトファンドを創業した代表パートナーの村田祐介氏。主にゲームの起業に対するインキュベーションを行なっています。次に株式会社ディー・エヌ・エー執行役員の赤川隼一氏。Yahoo!モバゲーの立ち上げに関わり、現在では海外事業の統括を行なっています。三人目の株式会社サイゲームス取締役の飯野晃広氏は、海外での成功を収めたソーシャルゲーム『神撃のバハムート』のゲームデザインを行ない、同社の海外部門を統括しています。最後に紹介された里見治紀氏は、今年7月にセガのモバイルゲーム部門の株式会社セガネットワークスを立ち上げ、代表取締役CEOに就任されています。 

インキュベイトファンド 代表パートナー 村田 祐介
株式会社ディー・エヌ・エー執行役員 赤川隼一
株式会社サイゲームス取締役 飯野晃広
株式会社セガネットワークス代表取締役CEO 里見治紀

まずパネリストたちは、海外のスマートフォンゲーム市場についてコメントを行ないました。村田氏は欧米ではこの市場が始まったばかりであることを確認しつつ、サイゲームの『神撃のバハムート』の成功を事例としながら、日本のソーシャルゲーム各社が活躍できる可能性が高いと指摘しました。実際に村田氏が関わった事例として、株式会社ポケラボの『モンスターパラダイス+』を取り上げ、テストマーケティングの段階でアプリをリリースしても、それなりの売上を収めたといいます。KPIなどの指標も日本市場と似ており、確実な手応えを感じたといいます。

次に赤川氏が、欧米でのMobageプラットフォーム立ち上げについて説明しました。試行錯誤をする中で今年から明確な手応えを感じ、今後は欧米でも間違いなく成功できると自信のほどを語りました。実際にGoogle Playは今でもMobageのタイトルがトップテンに3つ食い込むなど、健闘しております。また日本の市場との違いとして、海外ではコミュニケーションよりゲーム志向のユーザーが多いことが指摘されました。それでも、エンターテインメントの楽しみは万国共通であると、赤川氏は強調します。

その『神撃のバハムート』を成功させた飯野晃広氏に対しては、実際の規模のユーザー規模について質問されました。飯野氏によると現在ユーザー数は全世界で600万人。半年という短期間でこの規模のユーザー数を集めたといいます。国による遊び方の違いについては、北米では日本よりもバトルが好きなユーザーが多いそうです。そして、それらのユーザー嗜好に合わせたイベントやチューニングを行なっているといいます。ユーザー層に関しては、日本と変わらず20代後半から30代前半となっているそうです。

司会者からの国内と海外でのイラストの好みの違いについての質問に対して、飯野氏はそれほど変わらないが、いわゆるロリコンやショタコンを感じさせるテイストは反発が大きいことを指摘しました。そもそも欧米では、子どもが戦うということに対する反感が強く、分かりやすく見た目が強そうなキャラクターの方が人気が高いそうです。

次にセガネットワークスの里見氏が、スマートフォンゲームは市場もプレイヤーの母数も大きいため、日本のゲームが好きなユーザーにリーチするという点を指摘しました。従来は日本のゲームはそのイラストのテイストが異なっているため、海外ではウケないと言われてきました。しかし、実際には日本のゲームやイラスト、デザインを好む層は大きく、スマートフォンデバイスによって、一気にそういった層にリーチすることが可能になったといいます。

他方、セガがコンシュマーゲームで築き上げたブランド力はまだうまく活かせていないといいます。ソニックなどのキャラクターの知名度は高いものの、そういった既存IPに頼ることなく、セガでしか作れないゲームを打ち出していきたいと、里見氏は語りました。

今後に展開するタイトルについて質問されたところ、里見氏は基本的にはハイエンドなゲームに集中する予定であり、具体的には『キングダムコンクエスト』の続編やアーケードゲームの『ボーダーブレイク』と連動したもの、初音ミクをテーマにしたものなどを投入していきたと述べました。ゲーマー向けのハイエンドなタイトルに対してはこだわりを持っており、これまでコンシューマゲームで培ったセガのノウハウを活かせるだろうと展望を述べました。

とはいえ、まだまだスマートフォンやフィーチャーフォンのブラウザを利用したゲームの市場が大きいことを考慮した上で、セガネットワークスはサイゲームとのコラボレーションも行なう予定です。それを受けてサイゲームの飯野氏は、コンシューマでの開発の経験もあるため、お互いの強みを理解した上で協力することが可能であると述べました。

次に、欧米で成功するスマートフォンゲームについて話題が移りました。村田氏は新規IPでありながら成功を収めたセガの『キングダムコンクエスト』の健闘を褒めたたえました。一方、ディー・エヌ・エーの赤川氏は、スマートフォンでは新規IPを立ち上げやすく、『神撃のバハムート』も実際に新規IPとして成功を収めた点を指摘しました。

また赤川氏は、スマートフォン市場は回転が速いが、成功を収めるタイトルは結局のところ作りこみがよくできているものであり、常に時代に求められるものをリリースしていくのがソーシャルゲームの特徴だと述べました。現在、ディー・エヌ・エーでは北米で人気のあるIPであるマーベル社のアメコミヒーローやトランスフォーマーをテーマにしたソーシャルゲームを進めているといいます。欧米で人気のあるIPを利用しつつ、ゲームの中身は日本で培われたものを活かしていくことが重要であると、赤川氏は強調しました。

一方、サイゲームの飯野氏は基本的には万国共通のものを作っていきたいため、国内外で共に人気のあるファンタジーの世界観を活かしていくと述べました。セガの里見氏もまた、全世界を狙っていく『キングダムコンクエスト』のようなタイトルを手掛けつつ、日本向け、欧米向けの両軸を同時に展開していくと述べました。

以上のように日本のソーシャルゲームは欧米でも徐々に浸透し、いくつかのヒット作が生まれています。そこで司会者からは、日本のコンシューマゲームが欧米市場で苦戦する一方で、どうしてソーシャルゲームが成功を収めているのかという質問が出されました。

セガの里見氏は、家庭用ゲームは表現がリッチになった結果、ユーザーが好むテイストが多様になった点からコンシューマゲームの苦戦の理由を説明しました。それに対して、サイゲームの飯野氏は『神撃のバハムート』にはマッチョなキャラやドラゴンといった欧米で人気のあるデザインを取り入れつつも、日本で好まれるアニメ顔の美少女や美少年も登場すると述べ、カード系ソーシャルゲームの利点を説明しました。

また村田氏からは日本と欧米でのプレイスタイルの違いはないのか、そしてそれに合わせたチューニングを行なっているのかという質問が出されました。それに対して、サイゲームの飯野氏は、実はあまり国別によるチューニングはしておらず、日本でも欧米でも基本的には空き時間に遊んでもらえるようにしていると応えました。さらに赤川氏は「欧米人は電車通勤や通学を行わないのでソーシャルゲームはやらない」という意見が単な都市伝説であると指摘しつつも、アメリカ人の一回のプレイ時間が相対的に長いことは事実であると述べました。またセガの里見氏は、ハードなゲーマーも実際には空き時間でカジュアルなゲームやソーシャルゲームをやることが多いという点を指摘しました。

トークセッションの最後の話題として、今後の欧米のスマートフォンゲーム市場動向について、まずインキュベーションを行なっている村田氏にコメントが求められました。

村田氏は、かなりの数の日本のタイトルがヒットするだろうと予測しています。ただウェブサービスとしての特徴が強いソーシャルゲームと、現在アメリカで整備されつつあるオンラインカジノなどとの間に住み分けが発生する点も指摘されました。それでも一年後のApp Storeのトップ25ランキングの三分の一が日本のタイトルになるだろうと、村田氏は主張しました。このように期待は大きいですが、課題としてあげられるポイントは運営力と手厚いサポートです。さらにスマートフォンアプリでは、確実なパブリッシング方法が確立されていないことも大きな課題だといいます。

村田氏の意見に同意をする形で、赤川氏も運営力の重要性を強調しました。さらに日本のソーシャルゲームの成功を目の当たりにした海外企業が似たようなゲームをリリースしてくることが考えられるため、差別化の必要性も訴えました。またプラットフォーム運営の立場から、ゲームを遊ぶときに一番、居心地が良い場所をつくることが今後の課題であると赤川氏は述べました。

現在のインターネットビジネスの世界では日本はアップル、Googleといった欧米企業に圧倒されています。しかしながら、ソーシャルゲームはインターネット業界において世界と戦える唯一の希望であると、村田氏は力説しました。またサイゲームの村田氏は、コンシューマとソーシャルといった垣根はなく、結局のところきちんとしたものづくりをすることが、一番重要であると強調しました。

セガネットワークスの里見氏は、ゲーム業界もスマートフォンもアメリカで生まれたものであるが、その後、日本で花開いた産業であると指摘し、現在こそアメリカ市場に参入する絶好のタイミングであると主張しました。とはいえ、セガはスマートフォンゲームのノウハウではまだまだベンチャーといっても過言ではなく、だからこそセガネットワークスを立ち上げたのだと述べました。

またスマートフォンの技術革新がゲームの表現力を高め、結果としてコンシューマゲームを開発してきたノウハウを活かすことができるようになると、里見氏は展望を述べました。セガとコラボレーションをしたことがある村田氏は、セガのチームのスタッフにゲームに対する愛情を感じたといいます。さらに赤川氏は、今後はコンシューマとソーシャルゲームの融合がどんどん大きくなっていき、既存のエンターテインメント業界のノウハウをソーシャルゲームに活かして欲しいと、期待を述べました。最後にセガの里見氏は「Game Changer」として、成長していくソーシャルゲーム業界を変えていく存在になりたいと抱負を述べたところで、トークセッションは終了しました。
《今井晋》

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