ソーシャルゲームユーザーを分類する新指標「SPS」・・・「データでみるゲーム産業のいま」第29回 | GameBusiness.jp

ソーシャルゲームユーザーを分類する新指標「SPS」・・・「データでみるゲーム産業のいま」第29回

本コーナーでも何度かご紹介している通り、当社(ゲームエイジ総研)は昨年11月より、ゲーム専用機ならびにソーシャルゲーム市場全体を定点観測した『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』を毎月発行しています。6月までに既に第8号まで発刊を重ねました。その

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本コーナーでも何度かご紹介している通り、当社(ゲームエイジ総研)は昨年11月より、ゲーム専用機ならびにソーシャルゲーム市場全体を定点観測した『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』を毎月発行しています。6月までに既に第8号まで発刊を重ねました。その
  • 本コーナーでも何度かご紹介している通り、当社(ゲームエイジ総研)は昨年11月より、ゲーム専用機ならびにソーシャルゲーム市場全体を定点観測した『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』を毎月発行しています。6月までに既に第8号まで発刊を重ねました。その
  • 本コーナーでも何度かご紹介している通り、当社(ゲームエイジ総研)は昨年11月より、ゲーム専用機ならびにソーシャルゲーム市場全体を定点観測した『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』を毎月発行しています。6月までに既に第8号まで発刊を重ねました。その
本コーナーでも何度かご紹介している通り、当社(ゲームエイジ総研)は昨年11月より、ゲーム専用機ならびにソーシャルゲーム市場全体を定点観測した『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』を毎月発行しています。6月までに既に第8号まで発刊を重ねました。その間に蓄積されたデータや知見、また関係者の方々から頂いたご意見を元に、このたび7月発行分より『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』としてリニューアルいたしました。主な変更点は以下の通りです。

1)ゲーム専用機、ソーシャルゲームの各コンテンツを対象に、当社独自のメソッドによりレイティング化
2)ソーシャルゲーム向けの新しいユーザーセグメンテーション指標の導入
3)蓄積データの解析と協力企業から提供された実データをマージすることにより、各種KPI指標の精度を向上

今回は、このうちの「ソーシャルゲーム向けの新しいユーザーセグメンテーション指標」をご紹介いたします。

当社には、従来からゲーム専用機マーケットにおけるユーザーセグメンテーション指標である[IPS(Innovative Power Segment)]があり、これまではソーシャルゲームにおいてもこの[IPS]を使用してきました。しかし、集計・解析の回数を重ねるにつれ、ゲーム専用機とソーシャルゲームではそのユーザー特性にかなりの差異があることが分かってきました。本コーナーでもそれを裏付けるデータを何度かご紹介いたしました。となると、ソーシャルゲームマーケットに向けて最適化された新しいユーザーセグメンテーション指標が必要です。そこで、このたびソーシャルゲームユーザーを対象に、プレイスタイルや課金に対するスタンス、またソーシャルゲームをプレイするきっかけや情報接触などに関するアンケートを行い、その結果を元にクラスタ分析を行いました。

手法は本コーナーで何度か取り上げたことがある「SOM(自己組織化マップ)」というものです。その解析結果を示したものが【図1】です。今回の解析の結果、「課金適性(課金に対するスタンス)」と「コンテンツ選択や情報接触に対する能動性」という2つの軸がマーケット全体に非常に大きな影響を与えていることが分かり、その2軸のマップ上に5つのユーザーグループが出現しました。次に、先ほどのアンケート設問に対するそれぞれのユーザーグループの回答傾向を見極め、ネーミングを行いました。図の右側のイメージ図は各グループのポジショニングを分かりやすく簡略化したものです。

それぞれのユーザーグループの特徴は以下の通りです。

[エヴァンジェリスト]欲しいアイテムやカードがあれば課金をいとわずプレイしている。自らソーシャルゲームに関する情報を探索し、友人の勧誘も積極的に行う。
[スタンドアローン]ゲームの選択に自分なりのこだわりがあり、宣伝やクチコミといった“外圧”ではなく、自己基準によりゲームを選択している。ソーシャルゲーム意欲は旺盛で空き時間にも積極的にプレイしている
[ニュートラル]いずれの要素にも際立った特徴がなく、いわゆる“中庸的”なユーザー。但し、ソーシャルゲーム全体に対しては、他のセグメントよりも肯定的に捉えている傾向が強い。
[トレンドサーファー]課金に対するスタンスはエヴァンジェリストと似た傾向を示しているが、彼らに比べるとゲームに対するこだわりはあまり強くない。宣伝されている、流行っているゲームを好む傾向がある。
[フリープレイヤー]ソーシャルゲームにそれほど多くのものを求めておらず、あくまで手軽に楽しめるということが最大のベネフィットと捉えている。

当社はこの新しいユーザーセグメンテーションを「SPS(Social game Play-style Segment)」と名付けました。
これで、ユーザーセグメンテーションおよび各クラスタのユーザー特性が把握できましたが、【図2】はそれらの各クラスタのユーザープロフィールについてまとめたものです。規模としては、一番多いのが[フリープレイヤー]で、最も少数派なのは[スタンドアローン]です。

規模以外に、男女比や年齢分布などの詳しいユーザー分布データを見ると、幾つかの非常に興味深い特徴に気づきます。まず、「課金適性が高く、宣伝やクチコミの影響を受けやすい」という特質を持つ、ある意味で非常にソーシャルゲームユーザーらしいセグメントだといえるのが[エヴァンジェリスト]と[トレンドサーファー]ですが、これら2つのセグメントは女性比率が高いことが分かりました。ソーシャルゲームユーザー全体としては男性が57%を占めています。ところが、[トレンドサーファー]は男女でちょうど半分ずつ、[エヴァンジェリスト]に至っては55%を女性が占めています。ちなみに、ゲーム専用機ユーザーの中で最もゲーム関与度の高いクラスタである[イノベータ]は男性が79%を占めています。今回の結果は、ある意味でそれと対照的なデータであるともいえます。

また、SPSで最も規模が大きい[フリープレイヤー]は、そのユーザー特性から見て“一番ライトなソーシャルゲームユーザー”であると捉えることができ、まさに“ソーシャルゲーム・マジョリティ”ですが、こちらは、男性比率が65%と、全クラスタ中で最も男性比率が高くなっています。また、このクラスタは男女ともに10代前半の低年齢ユーザーが多く、ゲーム専用機の所有比率が76%と高いのも特徴です。ちなみに、こちらもゲーム専用機ユーザーのデータをご紹介すると、IPSの[マジョリティ]は男性比率が44%で、女性が過半数を占めています。

このように、これまで使ってきたゲーム専用機指標の[IPS]と、今回新たに開発したソーシャルゲーム向け新指標の[SPS]は、ある面においてシンメトリー(対称的)な関係性を持っていることが分かりました。今後は、ソーシャルゲームマーケットを対象とした分析には、この[SPS]を中心に使い、また必要に応じて従来の[IPS]とのクロス集計などを行うことにより、これまで顕在化してこなかった新たな気づきが得られると考えています。本コーナーにおいても、今後この[SPS]を通じた興味深い調査データをご紹介してまいります。

ゲームエイジ総研
『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』 発行人 光井 誠一

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《光井誠一》

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