本当はリーズナブルなUDK 小規模ディベロッパーのための省コスト力・・・「Unreal Japan News」第50回 | GameBusiness.jp

本当はリーズナブルなUDK 小規模ディベロッパーのための省コスト力・・・「Unreal Japan News」第50回

6月に行われたE3でHawkenが注目を集める等、独立系ディベロッパーがUDK(Unreal Development Kit)を利用してユニークなゲームを開発する事例が非常に多くなって来ました。今回はアンリアル・エンジンの無料バージョン、UDKを使用した場合のライセンス費用についてご説

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6月に行われたE3でHawkenが注目を集める等、独立系ディベロッパーがUDK(Unreal Development Kit)を利用してユニークなゲームを開発する事例が非常に多くなって来ました。今回はアンリアル・エンジンの無料バージョン、UDKを使用した場合のライセンス費用についてご説
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6月に行われたE3でHawkenが注目を集める等、独立系ディベロッパーがUDK(Unreal Development Kit)を利用してユニークなゲームを開発する事例が非常に多くなって来ました。今回はアンリアル・エンジンの無料バージョン、UDKを使用した場合のライセンス費用についてご説明します。

UDKのご利用は、商用製品をリリースするまでは完全に無料です。商用リリースを行う場合でも、最初に99ドル(約8000円)のライセンス料を支払った後は、売上累計が5万ドル(約400万円)に達するまでは、ロイヤリティの支払は不要です。UDKはほぼ毎月更新され、新しいビルドが提供されていますが、最新版へのアップグレードも完全に無料で提供されています。

UDKのロイヤリティ計算について、具体的な例をあげてご説明しましょう。

UDKを使ってゲームを開発し、デジタル配信を利用して4.99ドル(約400円)で販売したと想定しましょう。デジタル配信を担当したプラットフォームに売上の30%を手数料として控除されるものとします。幸いにもこのゲームは1万5千ダウンロードの売上を記録しました。売上総額は74,850ドル(約599万円)ですが、プラットフォームの手数料が控除され、実際に手元に入る売上高は52,395ドル(約419万円)となります。このうち5万ドル相当はロイヤリティがかかりませんから、ロイヤリティの対象となるのは5万ドルを超えた部分、即ち2,395ドル(約19万円)となります。この2,395ドルの25%、つまり598.75ドル(約4万8千円)がEpic Gamesへのロイヤリティとなります。従って、このゲームで得られた売上のうち、51,796.25ドル(約414万円)は開発者の手元に残ることになります。これは売上総額の69%に相当し、Epic Gamesへ支払われるロイヤリティは売上総額の1%に過ぎません。

もう一つ例を挙げましょう(添付の円グラフを御覧ください)

上記と同じ想定で、ダウンロード数を3万件として考えてみます。この場合、売上総額は149,700ドル(約1198万円)、プラットフォーム手数料控除後の売上は104,790ドル(約838万円)となります。UDKのロイヤリティは5万ドルを控除した54,790ドル(約438万円)の25%となりますから、13,697.50ドル(約110万円)。この場合でも売上総額の61%は開発者の手元に残り、Epic Games向けのロイヤリティは全体の9%ということになります。

UDKを使うことで、フルバージョンのアンリアル・エンジン3が実装する様々なツール類が利用可能となります。一例をあげると

・統合型レベルデザイン環境:アンリアル・エディター
・ビジュアル・スクリプティング・システム:アンリアル・キズメット
・シネマティック生成ツール:アンリアル・マチネ
・パーティクル作成ツール:アンリアル・カスケード
・地形生成ツール:アンリアル・ランドスケープ
・グローバルイルミネーション計算:アンリアル・ライトマス
・AIシステム:ナビゲーション・メッシュ
・アニメーション・システム 等々。

これらのツールを個別に用意しようとすれば、多額のライセンス費用が必要となるか、自前で開発するために多大な工数が必要となるでしょう。

さらにUDKには、トップクラスのミドルウェアも含まれており、これらを普通に揃えようとすれば巨額のコスト負担が必要となります。

・ユーザーインターフェイス:Autodesk Scaleform GFx
・物理演算:NVIDIA PhysX およびAPEX
・樹木生成:SpeedTree
・フェイシャル・アニメーション:FaceFX
・ビデオコーデック:Bink Video
・ステレオ立体視:RealD 等々。

これら全てのミドルウェアが、先述のUDKライセンス費用だけで利用可能です。UDKに含まれているミドルウェアは、全てEpic Gamesとミドルウェア提供元によってインテグレートされているため、UDKユーザーは余計な負担なしで各ツールの機能を最大限に活用できます。

UDKはモバイルデバイスからハイエンドPCまで、幅広いスケーラビリティを実現しています。2011年のGDCで「サマリタン・デモ」が発表されて以降、UDKもDirectX 11対応を実装しており、UDKを使ってテッセレーションやポストプロセス・エフェクトといったハイエンド・レンダリングを堪能することが可能です。

フルバージョンのアンリアル・エンジン3のライセンスを持っていない小規模な独立系ディベロッパーでも、UDKを使ってハイクオリティなタイトルをリリースすることが可能です。HawkenのディベロッパーであるAdhesive Gamesや、Dungeon DefendersのディベロッパーであるTrendy Entertainmentは、UDKで制作したタイトルが話題を集め、パブリッシャーを見つけてフルバージョンのアンリアル・エンジン3へとステップアップを果たしました。

Adhesive Gamesのテクニカル・ディレクター、Jon Kreuzerは「UDKを使うことで、Hawkenのプロトタイプを迅速に開発できただけでなく、ゲームプレイや仕様の大部分を簡単に実装することができました」と語ります。

「適切なタイミングを迎えた時点で、簡単にフルバージョンのアンリアル・エンジン3ライセンスへ切り替えることが出来ました。Hawkenのビジョンを実現するにあたって、Epic Gamesは本当に協力的で、とても助かりました」

UDKはいつでもhttp://www.unrealengine.com/udkからダウンロード可能で、各種ドキュメント類は全て日本語化されたものがhttp://udn.epicgames.com/Main/WebHomeJP.htmlでご覧になれます。

フルバージョンのアンリアル・エンジン3にはソースコードが含まれているのと、各種コンソールをサポートしている点がUDKとの大きな違いです。フルバージョンのライセンスがご入用の場合は、contact@epicgamesjapan.comまで日本語でお問い合わせください。
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

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