ゲームユーザーをクラスタ化して分析(3)・・・「データでみるゲーム産業のいま」第25回 | GameBusiness.jp

ゲームユーザーをクラスタ化して分析(3)・・・「データでみるゲーム産業のいま」第25回

3週連続で、特別企画『ゲームとその他のエンターテインメントの関わり』というテーマで、調査データならびにそれに基づく考察をご紹介しておりますが、今回はいよいよその最終回です。これまで2週にわたり「ゲーム専用機」「ソーシャルゲーム」それぞれの視点で考察いた

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3週連続で、特別企画『ゲームとその他のエンターテインメントの関わり』というテーマで、調査データならびにそれに基づく考察をご紹介しておりますが、今回はいよいよその最終回です。これまで2週にわたり「ゲーム専用機」「ソーシャルゲーム」それぞれの視点で考察いた
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3週連続で、特別企画『ゲームとその他のエンターテインメントの関わり』というテーマで、調査データならびにそれに基づく考察をご紹介しておりますが、今回はいよいよその最終回です。これまで2週にわたり「ゲーム専用機」「ソーシャルゲーム」それぞれの視点で考察いたしましたが、今回は両者の比較という点に重きをおいてアプローチいたします。

その前に、今回の短期集中記事のテーマ全体のおさらいも兼ねて、まず【図1】をご覧ください。これは今回のエンターテインメントの接触実態に関する調査データを元に解析したユーザークラスタリングの結果です。解析方法は以前にもこのコーナーでご紹介した「自己組織化マップ(SOM:Self-Organizing Maps)」という手法です。

※解析手法に関する詳細は「第24回記事:4万人分析にみるソーシャルゲーム需要層」をご参照ください。

SOM(自己組織化マップ)による解析を通じて、ユーザー全体が4つのクラスタに分類されました。また、各クラスタのそれぞれの娯楽・レジャーへの接触状況を見ると、4つのクラスタは「1:アウトドア派」「2:ギャンブル派」「3:トレンド派」「4:ゲーム/コミック派」という特性を持ったユーザーグループで構成されていることが分かりました。[ゲーム専用機][ソーシャルゲーム]のユーザーの多くは、もちろん「4:ゲーム/コミック派」に属すると考えられますが、この解析結果を見ると、「2:ギャンブル派」との結びつきも強そうです。ちょうど本日(7/1)からコンプガチャの規制を盛り込んだ景品表示法の新基準が運用開始されましたが、これまでこの「コンプガチャ」をプレイしていたユーザーが数多くこのクラスタに含まれているということも大いに考えられます。

次に【図2】は、[ゲーム専用機][ソーシャルゲーム]それぞれのユーザーから見た、それ以外のエンターテインメントとの重複状況をまとめたグラフです。左側が[ゲーム専用機]、右側は[ソーシャルゲーム]です。重複率上位のものとの関係は先週、先々週でもご紹介いたしましたが、こちらがそれ以外のものもすべて含んだ全体データです。それぞれ長い方(薄い色)の棒グラフが「関心のあるもの」、短い方(濃い色)が「実際に現在プレイしているもの」です。また、赤いひし形のマーカーは「歩留り率(実際に体験÷関心があるもの)」を表しています。この「歩留まり率」を見ると、「お笑い」や「テレビ」のように接触が容易なものは高くなっており、逆に「芸術鑑賞」や「アウトドア」といったようなものは、関心そのものはあっても様々な事情(制約条件)から実際にはなかなか体験できていないという実態が浮き彫りになっています。

両者を比較すると、過去2週にわたって分析しご紹介したように、「ゲーム専用機ユーザーはコンテンツ系のエンタメを好む」「ソーシャルゲームユーザーは専用機ユーザーよりもややコンテンツ色が薄まり、その分アウトドア志向が強くなる」という特徴がよく出ています。また、ゲーム専用機ユーザーよりもソーシャルゲームの方が[外食・グルメ][ファッション]といったものとの重複率が高く、女性比率が高くまた流行に敏感なユーザーが多い傾向があるということが分かります。

最後の【図3】も同じく[ゲーム専用機]と[ソーシャルゲーム]の比較ですが、こちらは「コレスポンデンス分析」を通じてユーザーマインド面の観点からアプローチしたものです。[ゲーム専用機][ソーシャルゲーム]といってもゲームユーザーには変わりありませんから、基本的には両者はよく似た傾向を示しています。ただ、細かく見ていくと幾つか興味深い違いに気が付きます。たとえば、ゲーム専用機ユーザーのうちソーシャルゲームをプレイするユーザーは基本属性が近く、ともに男性寄り/若年傾向(一番近いのは[20-24歳])の傾向を示しています。それに対し、ソーシャルゲームユーザーのうちゲーム専用機と結びつきが強いのは[男性15-19歳]で、ソーシャルゲームユーザー全体としては女性寄りであり世代では30歳前後が最も近くなっています。また、[競馬・競輪・競艇・オートレース][パチンコ・パチスロ]といったギャンブルについては、ゲーム専用機よりもソーシャルゲームの方が各セグメントとの距離が近く、【図1】で触れた「ギャンブル派」に関しては、おそらくソーシャルゲームユーザーの方が関係性が強く、ゲーム専用機ユーザーに比べて射幸心に対する耐性がやや弱い傾向があるということも言えそうです。

以上、3週にわたり「ゲーム(ゲーム専用機/ソーシャルゲーム)とその他エンターテインメントとの関係」について考察いたしました。スペースの関係でまだまだ書ききれていないこともありますが、それぞれまたじっくりとみて頂いて何らかの気づきがあったり、何かのお役に立てるようなことがあれば幸いです。現在のエンターテインメント市場は、ご存じの通りソーシャルゲームという新しいマーケットの誕生や、またコンテンツ系のものを中心に「アナログからデジタル」「パッケージからノンパッケージ(有形から無形)」の動きが加速するなど、非常に大きな変革期を迎えています。今後も機会をみて、皆さんに有益な情報をご提供してまいります。

ゲームエイジ総研
『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』 発行人 光井 誠一

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《光井誠一》

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