怪盗・牧場・ドラコレ・FF・IXA 人気ソーシャルゲームの異なるユーザー層・・・「データでみるゲーム産業のいま」第13回 | GameBusiness.jp

怪盗・牧場・ドラコレ・FF・IXA 人気ソーシャルゲームの異なるユーザー層・・・「データでみるゲーム産業のいま」第13回

当社が毎月発行している『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』では、定番や新作を織り交ぜて毎月約40タイトルのソーシャルゲームコンテンツを調査しています。今回はその中からいくつかのコンテンツをピックアップしてご紹介いたします。

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当社が毎月発行している『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』では、定番や新作を織り交ぜて毎月約40タイトルのソーシャルゲームコンテンツを調査しています。今回はその中からいくつかのコンテンツをピックアップしてご紹介いたします。
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【図1】は「MAU(横軸)×課金率(縦軸)」のマップ(散布図グラフ)です。ここで取り上げるのは『怪盗ロワイヤル』『サンシャイン牧場』『ドラゴンコレクション』『戦国IXA』『FINAL FANTASY BRIGADE』の5タイトル。いずれも今のソーシャルゲーム市場を代表する有名コンテンツです。

このマップを見てまず目につくのは、5タイトルの中で『怪盗ロワイヤル』と『サンシャイン牧場』が他タイトルとかなり離れた位置にプロットされていることです。この2月の推定月間MAUは、『怪盗ロワイヤル』が106万人、『サンシャイン牧場』は86万人で、その他の3タイトルに比べて非常に大きいユーザー人口を抱えています。ただ、この両タイトルの違いは課金率です。『怪盗ロワイヤル』が22%、『サンシャイン牧場』は5%とかなりの開きがあります。このあたりは、ゲーム性や課金システム、また『サンシャイン牧場』の方が『怪盗ロワイヤル』に比べて女性ユーザー比率が高いことなどがおそらく関連していることでしょう。

その他の3タイトルはいずれも2月の推定月間MAUが25〜26万人でした。上記2タイトルに比べると少ないとはいえ、ひと月にこれだけの数のアクティブユーザーを保有しているというのは相当な規模だといえますが、それよりも特筆すべきはその課金率の高さです。いずれも20%前後あり、課金率では『怪盗ロワイヤル』とまったく遜色ありません。これら3タイトルは既存市場(パッケージゲーム)で非常に長い歴史と高い実績を持つ大手パブリッシャー(スクウェア・エニックス、KONAMI)が手掛けたソーシャルゲームであるという共通点もあります。特に『FINAL FANTASY BRIGADE』は今年に入ってからサービスインされた非常に新しいコンテンツです。今後もこのようにMAUと課金率が高いレベルで維持されていくのか注目されます。

さらにこの中から『怪盗ロワイヤル』と『ドラゴンコレクション』をピックアップし、両タイトルのユーザープロフィールを比較します。【図2】はこの2タイトルを[性別][年齢別][IPS(ゲーム先行性指標)別]のユーザー分布グラフです。グラフを見やすくするために、第一軸の目盛(グラフ上部の「ユーザー数」を示す目盛)を、両タイトル間、または同じタイトルの中でも母集団構成(性・年齢・IPS)によって変えていますので、比較する際にはご注意ください。(第二軸の「課金率」の目盛はすべて統一しています)

[性][年齢][IPS]の属性別に見ていきます。

まず、[性別]では両タイトルの間には全体の規模以外には大きな違いは見られません。どちらも圧倒的に男性ユーザーが多く、課金率も男性の方がやや高いところまで非常に似通っています。

[年齢別]では、ユーザー分布に多少違いが出ているようです。『怪盗ロワイヤル』は、それほど顕著ではないものの、やや若年傾向が見られます。MAUは[15-19歳]をピークに、上の年代になるほど少なくなっていきます。一方、『ドラゴンコレクション』はその逆で、25歳から40歳くらいまでのミドルエイジのユーザーが目立っています。ただ、課金率は両タイトルとも似ており、10代ユーザーが際立って高く、20代で一旦低くなったあとは、年齢とともに徐々に上昇していく傾向が見られます。ただ、前者の「10代ユーザーの課金率」については年齢を考えると恐らく自己決済ではないユーザーがほとんどである可能性が高く、そのあたりが大きく影響しているのかも知れません。今回はスペースの関係でこの2タイトルのみのご紹介ですが、実は他のタイトルでも同じような傾向が出ており、機会があればもう少しその本質に踏み込んでみたいテーマです。

最後の[IPS別]が両タイトル間で最も違いが浮き彫りになっている属性です。『怪盗ロワイヤル』は全体的にイノベーティブな傾向が強く出ています。[ゲーム専用機非所有者]を除いたセグメントではコアユーザーになるほどMPU(有料ユーザー数)が多く、課金率も高くなる傾向があります。それに対し、『ドラゴンコレクション』は[イノベータ]から[マジョリティ]までMPUも課金率もそれほど大きな偏りは見られず、むしろ一番多数派なのは[ゲーム専用機非所有者]です。『怪盗ロワイヤル』も[専用機非所有者]は決して少なくありませんが、『ドラゴンコレクション』の方が課金率にして10ポイント以上高くなっています。これらのデータを踏まえると、総論としては『ドラゴンコレクション』の方がいわゆる“ライトユーザー”の支持が高いコンテンツであるということが言えるでしょう。

以上、[性][年齢]のデモグラフィクス属性ではそれほど目立った違いはなくとも、[IPS(ゲーム先行性指標)]では両タイトル間で顕著な違いが確認できました。このように、定量データの比較においては、単一指標ではなく複数の指標を用いて多面的あるいは複合的に考察することが非常に重要であると考えます。

ゲームエイジ総研
コンテンツアナリスト 池田 敬人

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《池田敬人》

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