【CEDEC 2010】『ファイナルファンタジー14』のアニメーション制作事例 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2010】『ファイナルファンタジー14』のアニメーション制作事例

膨大な数のモーションを短期間のうちにどうやって用意するか。オンラインゲーム、特にMMORPGを開発するメーカーでは、大きな悩みの一つとなっていると思われます。

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膨大な数のモーションを短期間のうちにどうやって用意するか。オンラインゲーム、特にMMORPGを開発するメーカーでは、大きな悩みの一つとなっていると思われます。
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膨大な数のモーションを短期間のうちにどうやって用意するか。オンラインゲーム、特にMMORPGを開発するメーカーでは、大きな悩みの一つとなっていると思われます。

『FF XIV』の開発に携わったスクウェア・エニックス株式会社テクニカルアニメーションディレクター鈴木健夫氏とリードアニメーター市田真也氏が、同タイトルでのケースをこと細かに話しました。

『FF XIV』はご存じのように『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリングタイトルで、『XI』と同様MMORPGです。プラットフォームはwindowsとPS3。日本・北米・欧州で展開されます。

■リリースまでに24000モーション…

本作の開発当初、モーション班は目標を2つ立てたといいます。質の面ではMMORPGトップクラスのクオリティを目指すこと。量ではキャラクターの多種族/多職種に対応することです。

制作したキャラクターの構成


キャラクターは『XI』のアバターを引き継ぐこともあり、アニメーションの種別は全部で9タイプ。さらに18種類の職業があり、それぞれ装備品や所持品が異なります。こうした多様な外見の変化に、アニメーターは破綻のないよう対応しなければなりません。プレイヤーキャラクターは134本の骨から構成。うち顔に21本、手にそれぞれ20本ずつ。スカートなどの揺れ骨は22本です。ハイモデルは用意されず、イベントも戦闘も同一規格のもので行います。オンラインゲームという特性から、今後バリエーションが増えることが考えられるためです。

揺れ骨はリアルタイム演算でアニメーションコストを軽減するのが一般的ですが、いくつかの理由からリアルタイム演算に頼らない作りを選択せざるを得なかったとのこと。まずインバースキネマティクスやクロスシミュレーションは処理負荷の問題から不採用。骨物理は採用したものの、結局は揺れものすべてにアニメーションが必要になったといいます。そうした背景から、当初の想定以上にアニメータの負担が増えました。具体的には、リリースまでに23938モーションを製作。Live班はうち2400モーションを担当することとなりました。いずれも比較的長いモーションばかりです。

■おいしいところだけを食べる製作

プリプロ時のワークフロー改善後のワークフロー


その時点でのモーションの作成の流れは、以下のようなものでした。まず企画からあがったモーションのリストを作成。それに基づきモーションキャプチャの収録。シーンデータを作成し、モーションの作成。ここで動きにメリハリをつけ、キャラクター性を強めます。またこの段階で仮モーションのチェックが入ります。その後、クオリティアップの作業に入り、再度のモーションチェックを経て、武器や鎧がモデルに干渉しないかチェックします。問題がなければデータを出力。バイナリデータを出力し、さらに実機での確認に移ります。

この工程では、1日に1モーションを作るのが限界でした。そこで事務的、システム的に作業していたところを自動化するよう、ワークフローの改善に着手したといいます。

自動化される工程は、xsiシーンデータ作成、MCデータの流し込み、ファイル名の入力、出力フレームの指定、先頭ポーズ合わせ、最終ポーズ合わせ、ループ処理、最大武器のテンプレート読み込み…などです。その結果、仮フィックス状態のシーンデータから作業に入ることができるようになり、1日に5モーション作成できるようになりました。これはいわば「スイカの一番おいしいところだけを食べ続けていく」状態だと鈴木氏はいいます。

■自動化の功罪

こうした自動化には、どのような工夫があったのでしょうか。まず、ファイルの命名に細かなルールを設定し、キャラクターの体型やタイプなどを指定することで、スクリプト処理しやすいようにしました。また、すべてのアニメーションデータをWebブラウザ型のモーションリストで管理できるようにし、担当者や進捗をひと目で把握できるようにしました。モーションキャプチャーの収録後、これら自動パッチを実行することで、一気にクオリティアップ作業に入れることができるようになったわけです。

こうした自動化により得られたものとしては、まず生産量が大幅に伸びたことが挙げられます。またヒューマンエラーが減り、「ほぼゼロといっていい精度」になったといいます。さらに作業コストの管理が容易になり、必要とされるスキル抑えつつクオリティアップができるようになりました。初期段階でバイナリデータが作られるため、モーション作業と並行しつつ、ゲームの仮実装ができ、企画者が確認しながら開発を進められるとう利点もあったといいます。

一方で自動化による弊害もありました。スタッフのアニメーションスキル向上が難しくなってしまったのです。「無から有を作りだす作業がないことが原因」と市田氏。対処としてプロジェクトに加わるスタッフは、3ヶ月の研修プログラムを受けることになりました。研修内容はFカーブを主体としたアニメ作成の徹底で、短時間でアニメを作成し、どれだけアニメーションの要素を引き出せたかが問われます。

■人気を博したツールの共通点

『FF XIV』のアニメーション環境整備には、3つのセクションが関与したといいます。ひとつは技術開発部のTA(テクニカルアーティスト)チーム。ここは全社に対し汎用的な開発ツールを提供しています。もうひとつはプロジェクト内のプログラマセクション。ゲーム実装部分を担当。デバッグツールやオーサリングツール作成にも関わったものの、あくまでも実装がメインです。そこで、この2つのセクションが補えないところを、モーションセクションのツール班が担当したといいます。

ツール班の具体的な作業としては、アニメーションに特化した専用ツールでの効率化、ルールの策定、データベース化、アニメーターとプランナーとプログラマーなどの橋渡しとして、要求仕様の策定などがあるとのこと。その他、日々の問題解決やデータ管理の補助なども含まれるといいます。

評判のよかったツールとしては以下のものがあったとのこと。

「付随データ設定ツール」・・・物理処理のON/OFF、武器のギミック開始、カメラ振動などを設定するものです。

「XSIでの汎用バッチ」・・・キャラモデルのなかに必ず入れなきゃならない骨は入っているか、決められたフレーム数で完結しているかなどXSIを開かなくても簡単にチェックできるようになっているとのことです。

「シーンマネージャ」・・・シーンをあらかじめ決められた名前で保存します。保存すべきシーンなのか、出力場所は合っているかも判定。修正したモーションを読み込むこともできます。その他、装備品へのめり込みをチェックするものや、回転アニメを任意の回転順に分離するツールなどがあるといいます。

これら好評価を得たツールには、共通する要素があるといいます。

まず「自動化」。効率化を進め、つまらない作業時間が減ると同時にクオリティの均一化にもつながるといいます。次に「ミス軽減の仕組み」。アニメーターの心配ごとを減らす役割があり、データへの依存度が高い開発に特に有効とのことです。そしえ「メンテナンスしやすいデータを作る仕組み」。アニメーターの自由度を大きくさせるためには、選択肢を増やすとともに、シンプルな状態に戻せる機構が必要だといいます。

ただし、ツールの効果を発揮させるためには環境づくりが大切とのこと。特にファイル名やノード名、提出場所といったルールの徹底や、モーションリストのデータベース化などには、プロジェクトメンバーの協力が不可欠といいます。また、アニメーション作成の効率化に困った場合には、まずTAを身近な位置に導入することが重要だといいます。

「テクニカルアーティストのラウンドテーブルで、『上司の機嫌の良いときでないと提案を受け入れてもらえない』と言ってる人がいた」と鈴木氏。氏の場合には「テクニカルアニメーションディレクター」という肩書きがあり、アニメーションディレクターと同様の権限をもらっていたのでうまくいったといい、「TA的な業務をする人のためには、新しい役職を加えてもいいのでは」と提言しました。
《土井大輔》

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