【CEDEC 2010】外国人が語る欧州言語向けローカライズの実情 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2010】外国人が語る欧州言語向けローカライズの実情

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成長期から停滞期に移って久しい日本市場と、いまだ成長を続ける欧米市場。中でも欧州市場にどのようにリーチしていくかが、日本企業の大きな課題となっています。特に頭が痛いのが欧州の多言語対応。かつては英仏独伊西の5言語が中心でしたが、今や20カ国語近くローカ
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成長期から停滞期に移って久しい日本市場と、いまだ成長を続ける欧米市場。中でも欧州市場にどのようにリーチしていくかが、日本企業の大きな課題となっています。特に頭が痛いのが欧州の多言語対応。かつては英仏独伊西の5言語が中心でしたが、今や20カ国語近くローカライズされるタイトルも存在します。

こうした問題を議論するため、CEDEC初日の31日「英語だけじゃない! 外国人が語る欧州言語向けローカライズの現状と課題」と題したセッションが開催されました。スピーカーはバースデーソング音楽出版Windwardのエミリオ・ガジェゴ・サンブラノ氏。フリー翻訳者のヘンペル・グナ氏。元ナツメのローカライズ版プロデューサーで、現在はフリー翻訳者のストーベル・フローリアン氏の3名。それぞれスペイン語代表、ドイツ語代表、フランス語代表という位置づけです。セッションはエミリオ氏がリードし、グナ氏とフローリアン氏が補足するというスタイルで進められました。

左からエミリオ氏・グナ氏・フローリアン氏。一口に「**語圏」といってもいろいろある。
ヨーロッパ市場の現状。09年はマイナス成長だ。金額ベースではWiiとPS3がツートップ。


ゲーム開発には大きくパブリッシャーとディベロッパーが存在しますが、海外版制作にはローカライズベンダーや、フリー翻訳者という業界プレイヤーが存在します。高品質の海外版を開発するためには、当初からこの3者が密接な連携をとることが重要ですが、国内では開発者がローカライズベンダーの存在を意識する例は、極めて乏しいのが現状です。こうした中で本セッションは、その架け橋の第一歩を踏み出すという点で興味深い内容となりました。

はじめにエミリオ氏は欧米のローカライズに関するアプローチの違いについて説明しました。アメリカでは翻訳家は日本人や学生が多く、彼らが翻訳した訳文を「編集者」的なポジションのスタッフがネイティブにとって違和感のない「英語」に修正していきます。一方で編集者は原文(日本語)がわからないことがほとんど。結果としてローカライズは自然だが、原文の雰囲気が残っていないケースが多いとのことです。

ヨーロッパでは反対に翻訳家に高いスキルと権限が求められます。結果として原文に忠実でレベルの高いローカライズが可能ですが、人材選びがポイントとなります。そこにはハリウッドを筆頭に自国のコンテンツ力が非常に強く、海外からの輸入作が少ないアメリカと、アメリカの文化的影響を受けざるを得ないヨーロッパのコンテンツ消費スタイルという背景が見て取れます。

こうした状況下で、日本からヨーロッパ向けにゲームをローカライズすると、どうなるでしょうか。ほとんどの場合、日本語版から英語版が作成され、そこからヨーロッパの各言語版が作成される、というステップが採られます。そのため大前提として英語版が確定されなければ、欧州版の作業が進められず、期間とコストが上昇します。しかし英語版で間違いがあると、欧州版ではその間違いに基づいて翻訳が行われるため、誤訳が増加。再び期間とコストが上昇します。また英語版作成段階で原文の雰囲気が損なわれることが多いため、欧州語版もそれにならってしまいます。

この対策としてエミリオ氏は「日本語から英語版を経由せず、直接ヨーロッパ言語に翻訳する」「世界同時発売を諦める」などを提案しました。理想的なのは前者ですが、対応ベンダーは限られており、必然的にコストが上昇します。後者は現実的ですが、いかにも後ろ向きな対策でしょう。これは英語から直接ヨーロッパ言語に翻訳すればいい北米のパブリッシャーと異なり、日本ならではの課題だといえます。この問題を解決するには、より精度の高いローカライズ体制を独自に構築することが求められます。

アメリカと欧州では翻訳家の立場が逆。英語主導のローカライズの問題点。


雰囲気の問題に続いて、翻訳者の頭を悩ませるのが、固有名詞の問題です。エミリオ氏はウィリアム・テルなどの歴史上の人物でも、各国でバラバラの呼び方がなされるなど、欧州人の言語に対する執着や愛着は並々ならぬモノがあると語ります。ちなみにエミリオ氏はロビンフッドと混同したのか、テルをイギリスの英雄と説明しましたが、速攻でスイスのフランス語圏で生まれたフローリアン氏から「スイスの英雄」と訂正ツッコミを受けていました。

さて、映画や書籍などと違い、ゲームの場合はキャラクター名だけでなく、技やアイテム、場所など、大量の固有名詞が含まれます(RPGなどでは、なおさらです)。これらを元の意味合いを盛り込みつつ、一つずつ翻訳しなければなりません。ちなににポケモンの場合は、英語版・ドイツ語版・フランス語版は各国語に翻訳されていますが、イタリア語版・スペイン語版では英語版の名称がそのまま使われているとのこと。さらに「ピカチュウ」は全言語版で「ピカチュウ」となっているように、ローカライズする名前としない名前をわける必要もあると説明されました。

固有名詞の問題をさらに複雑にしているのが、コアユーザーの原文嗜好です。「ストリートファイター」シリーズの技の名称では、昇竜拳が英語版では「Dragon Punch」、フランス語版では「Coup de poing du dragon」などと翻訳されています。しかし、こういったタイトルでは、むしろ「Shoryuken」と表記し、その後にカッコ書きで各国語の訳文を入れる方がコミュニティに喜ばれる場合もあるとのこと。同じようにアニメ原作、漫画原作のゲームでも、日本語の技をローマ字表記で使う方がファンのツボを突く場合もあるそうです。「ドラゴンボール」の「カメハメ波」は、「turtle wave」と訳されるよりも、「kamehame-ha」の方が嬉しいというわけです。

もっとも、欧州ではアニメに比べて漫画はニッチな文化で、コアユーザーが読むもの。そのため一般ユーザーにとっては、ローマ字表記の技名よりも、アニメと同じ翻訳済みの技名にした方が理解されやすいという事情もあります。ポイントとなるのは、まずタイトルをどのユーザー層に売りたいのか、しっかりマーケティングを行い、その上でどの段階までローカライズするか決める必要があるということ。さらに翻訳した固有名詞が、すでに現地市場で商標などを侵害している場合もあるので、リーガルチェックを怠らないようにすること、などの注意も語られました。

翻訳文のチェックを誰が行うかも、大きな問題です。現状ではほとんどの場合、翻訳者はQA(デバッグ)を行いません。そのため前後関係が不明なままで翻訳した結果、ゲームプレイの障害となるような誤訳が発生する可能性が残ってしまいます。これらは通常のQAプロセスでは浮かび上がらない問題です。逆に翻訳家の意図が伝わりきらず(意図して残したローマ字表記など)、バグとして報告される例もあると言います。こうした事態を防ぐため、翻訳とQAは密接なコミュニケーションをとるか、翻訳家自身がQAに参加すべきだと提案されました。



またローカライズで避けては通れないのがコストパフォーマンスです。ローカライズの基本的なプロセスは、どのタイトルでも大きく変わりません。しかし現在は適切なローカライズミドルウェアなどが存在せず、作業に無用な混乱が生じています。そこで▽プラットフォーム別・各言語別の専門用語パック▽エクセル上のプラグイン・マクロ▽翻訳ファイル形式の統一化などが望まれると指摘されました。これらは、さまざまなディベロッパー、パブリッシャーと取引のある、ローカライズベンダーやフリー翻訳者ならではの要望だと言えます。翻訳のコストを下げるだけでなく、翻訳作業を正確に行うための手段の提供、さらにはデバッグのコスト低減などにもつながります。

最後に議論されたのが、ローカライズと売り上げの関連性です。まず大前提として、海外版の発売によって文化的な摩擦が生じるリスクを見極める必要があります。倫理基準や地理的問題などは、その最たるものでしょう。こうした問題は一度炎上すると社会的関心事になりやすく、売り上げに直接的な影響を及ぼさない場合でも、ブランドに大きな傷をつける結果となってしまいます。

また英語版と欧州語版でタイムラグがある場合、メディアによっては英語版でレビューを行い、欧州語版発売時には翻訳内容を軽く取り上げるだけ、なども見られるとのこと。欧米市場では日本以上にレビューサイトのスコアが売り上げに影響を及ぼす傾向があり、欧州版発売時に適切にメディアに取り上げられないのは問題です。またドイツ語圏ではApp Storeでドイツ語版がなければ、評価が必ず下がるとのこと。いずれにせよ客観的な数値を検証することは難しいが、ローカライズの品質が売り上げに影響を及す、と考える方が適切だと締めくくられました。

翻訳家もQAに参加すべき。翻訳ファイル形式の統一化が望まれる。
ローカライズが内包する文化摩擦。英語版だけでレビューされてしまう恐れもある。
《小野憲史》

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