【CEDEC 2010】「意見の9割は“つまらない”というものだった」−大ヒット作『怪盗ロワイヤル』開発秘話 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2010】「意見の9割は“つまらない”というものだった」−大ヒット作『怪盗ロワイヤル』開発秘話

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大評判のソーシャルゲーム『怪盗ロワイヤル』はどのようにして生まれたのでしょうか?
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大評判のソーシャルゲーム『怪盗ロワイヤル』はどのようにして生まれたのでしょうか?

株式会社ディー・エヌ・エー ソーシャルメディア事業本部 プラットフォーム統括部 統括部長の大塚 剛司氏は「怪盗ロワイヤルができるまで、できた後」と題した講演を行いました。

『怪盗ロワイヤル』はモバゲータウンやmixiでサービスされているソーシャルゲーム。怪盗団を率いて様々なお宝をコレクトするという内容で、他のプレイヤーからお宝を盗んだりすることも可能。2009年10月の正式サービス以降大きな評判を呼んでおり、TVCMも話題となりました。

同社はソーシャルゲームのサービスを行うまでの2008年4月〜2009年9月には目立った成長が見られませんでしたが、ソーシャルゲームにリソースを投入して勝負をかけるという決定がなされます。大塚氏もそれまで行っていたプロジェクトが解散となり、ソーシャルゲーム制作に参加することとなりました。

それまでは小学生の頃にファミコンを遊んだくらいしかゲーム経験がないという氏ですが、ソーシャルゲームの制作に備え、ユーザーとして様々なゲームをプレイ。この時点では物作り目線ではなく、ユーザーがどう感情的に反応するかをチェックする……という姿勢を取り、ラフ案を2〜30個作成したといいます。

その後、学校で友達の消しゴムを隠したり、かくれんぼをしたりといった時に感じた悔しさやドキドキをキーに、ユーザーを喜怒哀楽させるのに優れた要素として「盗む」「盗まれる」を選定。『怪盗ロワイヤル』の原型となる企画書を書き上げますが、周囲の反応は「よくわからない」「端的に面白くなさそう」など芳しいものではなかったそうです。

ターゲットが非ゲーマーであること、女性を取り込むことは当初からの目標だったそうです。女性を取り込む理由は「パイが2倍になるし、雰囲気も良くなる」から。

作業を進めるとゲームが複雑になりがちですが、「これは盗む・盗まれるが面白いのだ」と原点回帰を繰り返し、すべてのアクションに明確な理由を持たせるよう、各機能の関係性を整理しました。

「ソーシャルゲームだから、とりあえず仲間になる機能さえ準備すれば勝手に楽しんでくれる・・・かどうかは疑問。仲間になるには明確なメリットが必要。仲間になることがゲームの根幹部分にリンクしていないといけない」「ゲームのコア要素が何か、一行で答えられることが大事」といったポリシーの元、企画を煮詰めていきました。

「企画書をひねり回していても意味がない」ので、ついに実際の制作に取りかかり、原型が完成します。社内でのテストを行ったものの、意見の9割は「つまらない」というものだったそうです。「つまらない」にいちいちへこむことなく、その陰にある理由を理解することが重要だったといいます。

ソーシャルゲームは最初の5分が大事だと氏は語ります。「ソーシャルゲームはお金を払わずに始められるので、お客のロイヤルティ(信頼度)は非常に低い。家庭用ゲームならお金を払って買うので、ゲーム内容が分からなくても努力して何とか理解しようとする。しかし、ソーシャルゲームは自分に合わないと思った瞬間遊んでくれない。最初の5分で何が面白いかの片鱗を見せるのは最低限の課題」

また、自身が実際にゲームを遊び、「ここのボスが強いんじゃないか」などプレイヤー目線で得られた感想を勝率など実際のデータで検証することが重要であるといいます。

こうして作られた『怪盗ロワイヤル』が正式サービスとなり、モバゲータウンのPVは急上昇。「ヒットしたあとは人員を増強しないと物理的に破綻するのがソーシャルゲーム」であり、センスの良い企画者で成果が出せるフェーズからマネジメント力が問われるフェーズへと移行したといいます。

基本無料のソーシャルゲームで重要となるのは課金率。課金単価は「ゲームの盛り上がりやユーザーの飽きをはかる指標」であるといいます。

課金効率を上げるには「ユーザーがシンプルに効果を実感できるか」が重要。

課金することで得られるメリットが目的達成のために直接的であり、今課金しないといけないという「じらし要素」が存在し、目標が遠すぎず近すぎないことがポイント。課金アイテムの種類を増やすことは単純にプレイヤーの選択肢を増やすことにはつながらず、売れそうなアイテムにフィーチャーすることも大事だとする考えを明らかにしました。

「リミット金庫」「時限金庫」はお宝が奪われるのを防ぐ課金アイテムですが、発売中止になったことで知られています。存在してもゲームバランスは崩れないそうですが、販売した瞬間にユーザーから「瞬間的な反応」があり、ユーザーが感情的にヒートアップしたことから発売中止を決定したそうです。

氏は満場の聴講者に「走りながら変えていくのがソーシャルゲーム作りの醍醐味」であり、企画書にとらわれない物作りが大切だ・・・とアドバイスを贈りました。
《水口真》

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