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「誰もがカンフーマスターになれる」『Phantom Blade Zero』開発者インタビュー。ドニー・イェンから学んだアクションのDNA、独自のRPG設計を訊く

10月29日の発売を控える『Phantom Blade Zero』。Game*Sparkでは、発売に先駆けて中国・北京のS-GAME本社を訪れ、ゲームディレクターのSoulframe氏とサウンドプロデューサーのBo Caisheng氏にインタビューを実施。アクションRPGとしての設計思想や、プレイヤーの行動に応じ…

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「誰もがカンフーマスターになれる」『Phantom Blade Zero』開発者インタビュー。ドニー・イェンから学んだアクションのDNA、独自のRPG設計を訊く
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■武侠を現代的に再解釈した「カンフーパンク」の世界。UIではなく“アート”で導く設計にも注目

――ボスの攻略についてもお聞きしたいです。試遊では、特定の行動や武器を使うことで戦いやすくなる敵がいることが印象的でした。こうした試行錯誤によって発見できる弱点やギミックは、多くの敵に用意されているのでしょうか。それとも、特定の敵だけなのでしょうか。

Soulframe:多くの敵には、うまく利用することで有利に戦えるような弱点を用意しています。ただし、その弱点の分かりやすさや、攻略に与える影響は敵によって異なります。

例えば、非常に強固な盾を持った敵がいます。そうした敵を通常の斬撃系武器だけで正面から攻撃すると苦戦しますが、特定の武器種を使えば戦いやすくもなります。

それから、物語と結びついた仕掛けもあります。

ストーリーを通して、ある人物と別の人物に何らかの関係があると分かったとします。そこで、その関係にまつわる武器を使ってみると、相手が特別な反応を示したり、通常とは異なる台詞を口にしたりすることがあります。

そういったものも、私たちが用意している小さな驚きです。ぜひ探してみてほしいです。

――つまり、強いボスに勝てない場合でも、単純に武器を強化するだけではなく、「この敵には何が有効なのか」と考えて、いろいろな武器やビルドを試してほしいということでしょうか。

Soulframe:本作は、根本的には「RPG」としてのゲームサイクルを大切にしています。武器や装備などを組み合わせることで、さまざまなビルドを構築できます。

どうしても勝てないボスがいたときに、必ずしもアクションの技術を磨いたりする必要はありません。相手の特徴に合わせて異なる武器種に変更するだけで、難易度が大きく下がる場合もあるかもしれません。私たちとしては、単純にプレイヤーの操作技術だけで解決するのではなく、RPGらしく試行錯誤しながら攻略方法を見つけてほしいと考えています。

――サブストーリーなど、メインの進行から外れたところで挑戦できるボスについては、どのように難易度を設計しているのでしょうか。

Soulframe:そうしたボスだからといって、必ずしもメインストーリーのボスよりも絶対的に強いというわけではありません。ただ、それぞれに独自の特徴を持たせています。その特徴を理解していない段階では非常に難しく感じられることもありますが、攻略方法が分かると、難易度が大きく下がる場合もあるのです。

メインストーリーで戦うボスについては、多くのプレイヤーが攻略することを前提に難易度を考える必要があります。一方で、探索やサブコンテンツの中で遭遇する敵については、もう少し難易度に幅を持たせました。そうした体験の起伏もRPGらしさのひとつだと考えています。

本作では、メインストーリーだけではなく、寄り道をした先で発見できるキャラクターや物語、強敵も重要です。中にはドニー氏が直接モーションキャプチャーを担当した敵も登場します。また、サブストーリーのボスを特定の時期に倒しておき、早い段階で強力な武器を持っておくことで、それが今後の攻略をラクにしてくれる可能性もあります。ですから、メインストーリーだけを進むのではなく、さまざまな場所を探索してほしいですね。

――音楽についてもお聞きしたいです。プレイする前は、中国の伝統的な雰囲気を前面に出した楽曲が中心になると思っていました。ところが実際に遊んでみると、かなり現代的な楽曲や、メタルのような激しいサウンドも登場します。なぜ、このような音楽性を採用したのでしょうか。

Bo Caisheng:まず、30年、40年前の武侠映画を振り返ってみると、当時の音楽には、その時代の新しい技術や流行が積極的に取り入れられていたんです。当時の作曲家たちは、中国の伝統的な音楽と、その時代に登場した新しい電子的なサウンドなどを融合させようとしていました。

サウンドプロデューサー・Bo Caisheng氏

Bo Caisheng:私たちは、そうした先人たちの考え方を受け継いでいます。

武侠文化は、昔からずっと同じものだったわけではありません。時代に合わせて進化し続けてきたものです。ですから、音楽も同じように進化していくべきだと考えています。

それから、もうひとつ理由があります。

『Phantom Blade Zero』の原点は、インディーゲーム『Rainblood』です。私がSoulframeさんとこのシリーズの制作に携わり始めた頃から、音楽については「新しいものにしたい」と考えていました。

※ 画像は『Rain Blood Chronicles: Mirage』

Bo Caisheng:本作は中国の伝統楽器を演奏する優れた音楽家の方々と協力しています。そうした方々と一緒に、これまでとは異なる聴こえ方を実現できないかと模索してきました。現在の映画音楽やゲーム音楽には、ある程度決まった作り方や、定番の表現があると思います。

もちろん、それらには理由がありますし、効果的な方法でもあります。ただ、私はそうした「標準的な答え」を突破したいと考えました。

――武器のエフェクトなどを見ていると、かなり幻想的な表現も取り入れられています。こうしたファンタジー的な表現と、本作のテーマである「カンフーパンク」は、どのようにつながっているのでしょうか。

Soulframe:私たちの考えるカンフーパンクとは、中国の伝統的な武侠を土台にしながら、そこへ現代的な要素や幻想的な表現を組み合わせたものです。ゲーム内の表現について考えると、大きく「機械」「武学」「奇術」のような3要素があります。

これらを組み合わせながら、本作の世界に合う表現を作っています。武術を基盤にしながら幻想的な効果を加えたものもありますし、伝統的な武侠のモチーフに機械的な仕掛けを融合したものもあります。

また、風や雷など、現実の武術だけでは説明できないような表現も取り入れました。その一方で、何でもありのファンタジーにはしたくありませんでした。

中国における武術は大きく分けて2種類のジャンルがあり、ひとつは武器を主体としたもの。そしてもうひとつが空を飛ぶような奇術や仙人が用いるような法術です。その両極端を考えたとき、私たちはその間に、自分たちなりの解釈を加えて新しいものを模索しました。

現代のプレイヤーに向けて私たちの考える「武侠」に再解釈したものが「カンフーパンク」と言えます。

――ゲームの遊びやすさについても伺いたいです。探索していると、鈴や糸など、世界観の中に自然に組み込まれた目印によって進む方向が分かる場面があります。こうした遊びやすさについて、どのような点を意識しているのでしょうか。

Soulframe:まず、私たちには少し特殊な背景があります。

中国ではこれまでモバイルゲームが非常に大きな市場を占めてきました。その後、『黒神話:悟空』が登場してからシングルプレイのゲームに関心を持つプレイヤーも増えてきているのです。

昔からハードコアなシングルプレイゲームに親しんできたプレイヤーにとっては当たり前の仕組みであっても、中国国内の新しいプレイヤーたちにとっては馴染みのない仕組みがあります。

そこで開発当初から、そうしたプレイヤーにも快適に遊んでもらえるような設計を意識してきました。ただ、実際に作っていく中で、そうした分かりやすさを必要としているのは中国のプレイヤーだけではないのだと気づいたのです。

世界中に、昔ながらのハードコアなゲームにあまり触れてこなかったプレイヤーがいます。そうした人たちにも、私たちが好きだったようなゲームの面白さを届けたい。そのためには、適切な誘導や分かりやすいゲームデザインが必要です。

例えば、糸の表現はプレイヤーを導く役割を持つ一方で、画面上へ大量のUIを表示することなく、アートそのものによってプレイヤーを誘導できる仕組みとなっています。ゲームを遊びやすくするための誘導と、世界観を伝える芸術的な表現を、ひとつのものとして成立させようとしました。

――今回プレイして、戦闘だけでなく探索にも非常に力を入れていることが分かりました。試遊した範囲にも人々が集まる場所がありましたが、製品版にはさらに大きな街や村も登場するのでしょうか。また、そうした場所がある場合、どのような遊びを体験できるのでしょうか。

Soulframe:あまり詳しくお話しするとネタバレになってしまうので、具体的な内容については控えさせてください。

ただ、NPCが集まっているような、小規模な場所は存在します。

一方で、一般的なオープンワールドゲームに登場するような、非常に多くの人が暮らす巨大な都市があるわけではありません。そもそも本作は、完全なオープンワールドでも、一本道のゲームでもありません。

比較的コンパクトで分岐した道によって各地域がつながっており、その中を探索していく構造になっています。脇道を探索すると、隠された敵やキャラクター、装備などを発見できることがあります。また、特定の武器を手に入れることで、それまで到達できなかった場所へ進める場合もあります。

各地の鈴は、一度発見した場所をファストトラベルでつなぐ役割も持っています。

本作の中心にあるのは、やはり危険に満ちた世界を探索していく体験です。ただし、人々が暮らしている場所がまったく存在しないわけでもありませんし、巨大都市を中心に活動するオープンワールドゲームでもありません。

その間にある、本作独自の探索体験を作ろうとしています。

――最後に、高難度のチャレンジについて、もうひとつ質問させてください。非常に上手なプレイヤーであれば、短時間でゲームを攻略することも可能なのでしょうか。また、開発チームではどの程度まで攻略できているのでしょうか。

Soulframe:現時点では、少なくとも開発チームの中でも、一度も死亡せずに最後まで攻略できた人はいません(笑)。

先ほどお話ししたように、高難度では敵AIがプレイヤーの行動に応じて戦い方を変えることがあります。ゲームを熟知していても、毎回まったく同じ攻撃パターンになるとは限りません。

そのため、ボスの動きをすべて覚えて、決まった手順を繰り返すだけですべての戦闘を無傷で突破するのは難しくなっています。敵AIの仕組みと、高難度ならではの制約が組み合わさっているわけです。

――それでも、非常に上手なプレイヤーであれば、かなり短い時間でクリアする可能性もあるのでしょうか。

Soulframe:その可能性はあると思います(笑)。

――本日はありがとうございました!

『Phantom Blade Zero』は、PS5/PC(Steam/Epic Gamesストア)向けに2026年10月29日(木)発売予定です。

©PARAWULIN PRODUCTION LIMITED. All rights reserved.

《そりす@Game*Spark》

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