幻のロケテ版は社内で“発掘”された!『METAL SLUG ULTIMATE COLLECTION』開発陣に訊く30周年の「集大成」と“MISSION REBOOT”【インタビュー】 | GameBusiness.jp

幻のロケテ版は社内で“発掘”された!『METAL SLUG ULTIMATE COLLECTION』開発陣に訊く30周年の「集大成」と“MISSION REBOOT”【インタビュー】

2026年に30周年を迎えた、SNKの人気ラン&ガンアクション『メタルスラッグ』シリーズ。

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幻のロケテ版は社内で“発掘”された!『METAL SLUG ULTIMATE COLLECTION』開発陣に訊く30周年の「集大成」と“MISSION REBOOT”【インタビュー】
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2026年に30周年を迎えた、SNKの人気ラン&ガンアクション『メタルスラッグ』シリーズ。その歴史をまとめて楽しめる作品として、Nintendo Directにて『METAL SLUG ULTIMATE COLLECTION』が発表されました。

本作にはシリーズのナンバリング作品だけでなく、『メタルスラッグ アドバンス』や、これまでほとんど触れる機会のなかった初代『メタルスラッグ』のロケテスト版も収録。クイックセーブや巻き戻し、オンライン協力プレイ、スコアアタックなど、現代向けの機能も多数用意されています。

今回Game*Sparkでは、本作を手がけるSNKの開発陣にインタビューを実施。企画誕生の経緯から、幻のロケテスト版が見つかったときのエピソード、エムツーとの開発、そして30周年以降の『メタルスラッグ』シリーズの展望までお話を伺いました。

【インタビュー回答者プロフィール】

■向手 史朗氏

ジャパンスタジオ統括本部 レトロ部所属。ゲーム業界歴30年以上。数多くのゲーム開発に携わり、過去には『メタルギア ソリッド ザ・ツインスネークス』でスクリプトスーパーバイザーや外部デベロッパー管理、『聖剣伝説 VISIONS of MANA』ではアートチーム管理サポートやアートベンダーの折衝などを担当。本作では、プロデューサーとして、ゲーム内容面のみならず、予算、スケジュール、契約、プロモーションなどビジネス面も総合的に担当する。

■喜田 紗也佳氏

ジャパンスタジオ統括本部 レトロ部所属。本作のアシスタントプロデューサー。ゲーム業界歴3年で、本作が初めてゲーム開発の現場に携わったタイトル。そのほか『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』『NEOGEO PREMIUM SELECTION』シリーズの後方支援にも参加。本作では外部開発会社との連携・調整、進行管理、リリースに向けた各種対応を担当している。

■宋 昇柱氏

グローバルパブリッシング統括本部 ブランド&フランチャイズマネジメント部所属。『メタルスラッグ』シリーズのブランドマネージャー。ゲーム業界歴5年。セガでは『真・女神転生V Vengeance』『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』のアジアマーケティングを担当し、SNKでは『餓狼伝説 City of the Wolves』『METAL SLUG ULTIMATE COLLECTION』のブランドマネージャーを務める。

企画のスタートは『メタスラ』からではなく……?

――まず、『METAL SLUG ULTIMATE COLLECTION』の企画が立ち上がった経緯を教えてください。

向手氏:もともと私の上司と、今回開発を担当しているエムツー(※)さんで「何かできないかな」という相談をずっとしていました。さまざまな企画が挙がる中で、「『メタルスラッグ』のコレクション作品もいいんじゃないか」と。ちょうど30周年というタイミングでもあったので、「これはいけるんじゃないか」ということで動き始めたのがきっかけです。

※エムツー…有限会社エムツー。クラシックゲームの移植に定評がある日本の会社。近年では『グラディウス オリジンズ』『Castlevania Dominus Collection』『怒首領蜂大往生 臨廻転生』などを手がけている。

――今回エムツーさんが開発を担当することになった決め手は何だったのでしょうか。

向手氏:企画を立てたあとに開発会社を探したというより、先にエムツーさんと「何かやりたいね」というところから企画が立ち上がっています。移植開発に定評のあるエムツーさんと一緒に何かやりたい、というのが先でした。

――今回の収録タイトルは、どのような基準で選ばれたのでしょうか。

向手氏:まず、シリーズの主流であるナンバリングタイトルをすべて入れたいというのが必須でした。それに加えて、まだ現行機に移植されていなかった『メタルスラッグ アドバンス』も、今のハードで遊んでもらうために収録しています。

あとは、ほとんど知られていなかったロケテスト版ですね。今回見つけることができたので、それも入れました。

――一方で、『メタルスラッグ ダブルエックス』など収録されていない作品もあります。今回の収録範囲はどのように決めたのでしょうか。

向手氏:ナンバリングタイトルをすべて入れるという方針の中で、『メタルスラッグ7』は絶対に収録したいと考えていました。『ダブルエックス』は『7』のある種のリメイクということもあり、まずは『7』の収録を優先したという形です。今回は事情があって収録できなかったですが、無論入れたかったのが本音です。皆さんの声は届いておりますので、引き続き検討を重ねていきます。こちらも続報をお待ちください。

幻のロケテスト版を“発掘”。社内でも大騒ぎに

――ロケテスト版を収録することになった経緯を教えてください。

向手氏:本作を作るにあたって過去のデータを探していたところ、見つかったんです。本当に「発掘」という感じですね。実際にプレイしたことのあるユーザーはかなりのレアケースだと思います。せっかく見つかったので、ぜひお披露目したいということで収録しました。

――ロケテスト版が見つかったとき、社内ではどんな反応だったのでしょうか。

喜田氏:見つかったとき、レトロチームの皆さんがすごく大騒ぎしていたんです。当時私は別部署だったので、「レトロの人たちがすごく喜んでるな」と思いながら見ていました(笑)。今は自分も携わるようになって、「こんなにすごいものだったんだ」と実感して、かなりワクワクしています。

――実際にロケテスト版を遊ぶ際、ファンにはどのようなところに注目してほしいですか。

向手氏:ロケテスト版では戦車が主人公です。シリーズをすごく愛してくださっている方でも、このロケテスト版を遊んだことのある方はごく少数ではないでしょうか? ロケテスト版と初代を遊び比べて、「どういう経緯でロケテスト版から製品版になったのかな」と想像しながら遊んでもらうと面白いと思います。

――製品版ではかなり大きく変わっていますね。

向手氏:当時の開発チームがお客様の声に真摯に向き合った結果だと思います。大きく変えるのは、かなり勇気のいることだったのではと。

30周年の“集大成”として、新旧プレイヤーの双方が楽しめる作品へ

――歴代作品をまとめて振り返る中で、シリーズを通して変化した部分、逆に変わっていない部分として感じたことはありますか。

向手氏:どんな続編タイトルでも、どんどん派手になって、いろいろな機能がついていくのは自然な流れだと思います。その一方で、『メタルスラッグ』はドット絵へのこだわりやアニメーション、敵を倒す爽快感という部分はシリーズを通して変わっていない。そこのコンセプトは絶対にぶれていないなと感じます。

――クイックセーブやロード、巻き戻しなど、現代のプレイヤーに向けたサポート機能も追加されています。シリーズ未経験者にはどのように楽しんでほしいですか。

喜田氏:まずは本当に気軽に遊んでみてほしいです。収録タイトルによって利用できる機能の範囲は少し変わりますが、クイックセーブやロード、巻き戻しなど、プレイヤーをサポートする便利な機能を多数用意しています。

『メタルスラッグ』はアーケードゲームならではの挑戦しがいのあるゲーム性が魅力ですが、「昔のゲームだから難しいんじゃないの?」「遊びづらいんじゃないの?」と思っている方にも楽しみやすくなっています。サポート機能を使いながら、自分のスキルやプレイスタイルに合わせて楽しんでもらえたらと思います。

――初めて『メタルスラッグ』を遊ぶ人に、まず1本選ぶとしたらどれをおすすめしますか。

喜田氏:初心者の私には『3』とかは難しすぎたので(笑)、まずは初代から順番に遊んでもらうのがいいかなと思います。ロケテスト版もぜひ遊んでほしいですね。私自身、テストプレイでは巻き戻しも使いまくっていますし、しょっちゅうセーブして、一息置いてからもう一回挑戦したりしています。

向手氏:私も、特にシリーズを遊んだことのない人には、初代から遊んでもらいたいですね。「こうやって発展して、とんでもない進化を遂げていったんだ」と実感してもらえると思います。

宋氏:お二方が初代ということなので、私はあえてゴリゴリの『3』を推します(笑)。初手から『3』に行ってほしい気持ちもあります。コアなファンに「一番やり込んだ作品は?」と聞くと『3』と答える方も多いので、まずその魅力を堪能して、そこから「ほかはどうなんだろう」と広げていくのもひとつの遊び方だと思います。

――シリーズを遊び込んできたプレイヤー向けには、スコアアタックやスピードラン、オンラインランキングなども用意されています。こうした機能を追加した狙いを教えてください。

喜田氏:『メタルスラッグ』はクリアするだけでなく、「どれだけ高いスコアを出せるか」「どれだけ早くクリアできるか」と挑戦していく、遊び込む楽しさがもともとある作品だと思います。そうした原作の魅力を大切にしながら、オンライン協力プレイやスコアアタック、スピードラン、ランキングなどを実装することで、ずっと遊んでくださっている方にも新しい目標や楽しみ方を見つけてもらいたいと考えています。

30周年という節目なので、本作をひとつの集大成と呼べるようなタイトルにしたいという思いもあります。それにふさわしい機能や要素を、できる限り盛り込んでいきたいです。

――オンライン協力プレイを入れたのも、30周年の作品として必要な要素だと考えたからでしょうか。

向手氏:おっしゃる通りです。オンライン協力をどうするかという話も最初はありましたが、社内の意見を聞くと「やっぱりないとね」と。30周年ですし、お祭りなので、やれることは全部やろうという意気込みですね。

――オンライン協力プレイでは、フレンド以外とのマッチングも可能になるのでしょうか。

向手氏:フレンドだけでなく、オンラインを通じて見知らぬプレイヤーとも遊べる機能になる予定です。細かい部分はまだ開発途中ですが、完成に向けていろいろと調整しているところですね。

――コンバットスクールやギャラリー、ミュージアムといった要素も用意されています。これらも30周年の“集大成”を目指すうえで必要なものだったのでしょうか。

喜田氏:そうですね。この1作があれば、『メタルスラッグ』シリーズのことを一通り知ることができる、と思ってもらえるような集大成を目指しています。

30周年という大きな節目なので、ゲーム本編だけでなく、シリーズが歩んできた歴史そのものにも触れてもらえる作品にしたいです。これまで生み出されてきたイラストやサウンドも本当に素晴らしいものばかりなので、多くの方に見て、聞いていただける形で収録したいと思っています。

今あらためて感じる、ドット絵とサウンドの凄さ

――歴代作品を改めて見返す中で、「当時の開発チームはこんなすごいことをしていたのか」と驚かされた部分があれば、お一人ずつ教えてください。

向手氏:ひとつひとつのドットへのこだわりですね。今ではだんだん失われつつある技術だと思います。こうしたすごいスキルを持った作品を、もう一度世に出せることに意味があると思っています。

「昔こんなすごい人がいた。でも今はもう遊べない」で終わらせずに、ちゃんと見てもらいたいという思いがあります。

宋氏:初代のミッションから流れるBGMなどは本当に素晴らしいですね。『メタルスラッグ』というとドット絵の素晴らしさが評価されることが多いと思いますが、BGMも非常にバリエーション豊かで、魅力が詰まっています。

公式Xにも、30年前に作品を作られた方々からコメントをいただくことがあります。そういうところからも、当時の先輩方の思いが今も受け継がれていると感じます。

喜田氏:私は宇宙人などがヌルヌル動くところが本当にすごいと思っています(笑)。押し寄せてくると「ギャー!」となりながら必死に戦っているんですけど、あれだけのドット絵が滑らかに動くのを見ると、テストプレイをしていて本当に脱帽します。

「MISSION REBOOT」で『メタルスラッグ』をSNKの主力IPへ

――30周年を迎えた今、今後『メタルスラッグ』というフランチャイズをどのように育てていきたいと考えていますか。

宋氏:30周年を機に、弊社では『メタルスラッグ』30周年のコンセプトとして「MISSION REBOOT」を掲げています。

これは「昔活動していて、しばらく動いていなかったものを掘り起こす」という意味ではありません。これまでもシリーズは動いていましたが、この30周年を機にSNKとして本腰を入れて、主力IP・フランチャイズに育てていくということです。

SNKというと、『餓狼伝説』や『THE KING OF FIGHTERS』など、格闘ゲームのイメージが強いと思います。それに押し負けないくらい、「SNKといえば『メタルスラッグ』だよね」と言ってもらえる人を世界中で一人でも多く増やすことを目指して、30周年の展開を行っています。

――最後に、長年シリーズを遊んできたファンと、今回初めて触れるプレイヤーへメッセージをお願いします。

向手氏:長年愛してくださっているファンの皆様にも、今回初めて触れてみたいと思っている皆様にも、安心してプレイしていただけるように愛を注いで開発しています。お届けするまでもう少しお待ちいただけるとありがたいです。

喜田氏:開発会社のエムツーさんも含めて、開発チームには『メタルスラッグ』シリーズが大好きな方々がたくさん携わっています。ずっとプレイしてきた方にはもちろん、あまり遊んだことがない方や、難しいゲームが苦手という方にも楽しんでもらえる作品になっていると思うので、本当に多くの方に遊んでいただけたら嬉しいです。

宋氏:世界中のファンの皆さんから、『METAL SLUG ULTIMATE COLLECTION』の発表に大きな反響をいただき、本当に感謝しています。

もちろん本作を全力で開発して皆様にお届けしますが、30周年はこれで終わりではありません。新たな『メタルスラッグ』をどんどん展開し、さらにフランチャイズを成長させ、もっと愛してもらえるIPに育てていきたいと考えています。今後の続報も楽しみにお待ちください。

――ありがとうございました!

『METAL SLUG ULTIMATE COLLECTION』は、PC(Steam)/PS5/XBOX Series X|S/ニンテンドースイッチ/ニンテンドースイッチ2向けに2027年発売予定です。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《みお@Game*Spark》

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