カバー(証券コード:5253)の2027年3月期第1四半期決算説明会(8月12日開催)の文字起こしが、8月26日に公開されました。
同説明会では『hololive Dreams』(ホロドリ)に関する質疑応答が実施されています。カバーは7月23日に『hololive Dreams』を全世界同時リリース。初日には100万ダウンロードを達成し、足元では200万ダウンロードを突破するなど好調な滑り出しを見せています。決算説明会では、ゲームの他事業への波及効果や売上寄与、持続性、そしてカニバリゼーションの可能性について、投資家やアナリストから質問が寄せられました。
◆『hololive Dreams』のリリース状況と波及効果
まず『hololive Dreams』がタレントや楽曲への理解を深め、ファンの熱量を高める良いゲームであると指摘したうえで、ファン増加やグッズ販売への好影響について質問が寄せられました。
代表取締役社長CEOの谷郷元昭氏は、この半年間、プラットフォームのアルゴリズムの影響で新規顧客にショート動画を見せづらい状況が続いていたと説明。そのうえで「『hololive Dreams』をきっかけに、特にミュージックビデオなどの埋もれていたコンテンツが掘り起こされ、再生数が伸びていることを確認しています」と述べ、ゲームをきっかけに既存コンテンツへの関心が再燃していることを明かしました。
また、1人のタレントを応援する「単推し」のユーザーが、複数のタレントを応援する「複数推し」や「箱推し」に変化する可能性にも言及。「引き続きデータを確認し、傾向を分析していく必要があります」と今後の検証課題としたほか、取締役CFOの金子陽亮氏も「ミュージックビデオの再生数が伸びており、リリース前には見えにくかった顧客の実需が本線のコンテンツに明らかに還流してきている様子が見え始めています」と補足しました。

◆売上寄与と長期的な成長見通し
想定以上のヒットとなっている本作について、計画に対する上振れ幅や国内外の状況の定量開示を求める質問に対し、金子氏は「共同開発会社を立ててのプロジェクトであり、当社の一存でどの程度上振れているかを申し上げるのは難しい」と前置きしたうえで、「当社の期初に保守的な計画をしていたゲームの想定収益に対しては大幅に上振れています」と説明しました。
国内外の内訳については「速報ベースではありますが、現時点では約3割が海外からゲーム側への需要として集まっていると認識しています。初動としては悪くない数字かと思います」と明かしました。
『hololive Dreams』の持続性と成長見通しについては、谷郷氏は本作が「最初に出すタイトルとして、継続的に弊社のある意味で看板となるようなものを目指し、長期的な運用を視野に入れたタイトル」であると位置づけました。
開発体制については「3年半から4年前に社内でプロデューサーを立てて進行してきたプロジェクト」と説明。通常は外部パートナーのみでプロデューサーを配置する体制が一般的ななか、「当社内でも経験豊富なプロデューサーを立て、ゲーム側のQualiArtsのプロデューサーと密接にコミュニケーションを取りながら進めてきました」と、IP化が難しいとされるVTuberのゲーム化に、丁寧な開発体制で臨んできたことを明かしました。
◆ゲーム分野は「持続性の高い事業の柱」に
質疑応答では、上期業績予想に対する現時点での手応えについても質問が寄せられました。質問者は、営業利益の上期進捗率が34パーセントである一方、『hololive Dreams』をリリースした第2四半期のほうが業績が大きくなる見通しであること、さらに同作の初動が計画を上回っている点を挙げ、上期予想の確度や上振れの可能性について見解を求めました。
これに対し取締役CFOの金子氏は、例年、第1四半期よりも第2四半期のほうが業績が大きくなりやすい季節性があると説明。「サマーバケーションなどでお客さまの需要を取り込みやすい傾向があります」と述べたうえで、今年度も同様の傾向にあり、『hololive Dreams』の実績が大幅に上振れていることから、利益予想が下振れるリスクはそれほど見込んでいないとの認識を示しました。一方で金子氏は「第2四半期の進捗期間中であるため、どの程度大幅に上振れるかは現時点ではまだわからない状況です」と述べ、上振れ幅の明言は避けました。
また、同資料では『hololive Dreams』について「関連実績はすでに期初想定を上回っている」「持続性の高い事業の柱としてゲーム分野が順調に立ち上がっている」と評価しています。

『hololive Dreams』は、スマホ(iOS/Android)/Steam向けに基本プレイ無料のアイテム課金制で配信中です。決算説明会の内容について、詳しくはカバー公式サイトIRページをご確認ください。









