任天堂「米国において関税払い戻しを消費者に還元する法的義務はない」―消費者は合意通りのものを受け取った | GameBusiness.jp

任天堂「米国において関税払い戻しを消費者に還元する法的義務はない」―消費者は合意通りのものを受け取った

不当利得の可能性を理由に提起された集団訴訟を棄却するよう裁判所に要請。

企業動向 その他
任天堂「米国において関税払い戻しを消費者に還元する法的義務はない」―消費者は合意通りのものを受け取った
  • 任天堂「米国において関税払い戻しを消費者に還元する法的義務はない」―消費者は合意通りのものを受け取った
  • 任天堂「米国において関税払い戻しを消費者に還元する法的義務はない」―消費者は合意通りのものを受け取った
  • 任天堂「米国において関税払い戻しを消費者に還元する法的義務はない」―消費者は合意通りのものを受け取った

任天堂は、米国の関税に関する払い戻し分をゲーマーに還元しないのは違法だとして今春に提起された集団訴訟について、棄却を求める申し立てを裁判所に提出しました。

任天堂が7月20日(現地時間)に提出した書面では、値上げ後の任天堂製品を購入した消費者は「合意し支払った通りのものを受け取った」と主張。「関税に関連する法的状況が変わったからといって、原告らがリベートを受ける権利はない」としています。

経緯

任天堂は2025年、米国が課した大規模な関税の影響を受け、ニンテンドースイッチ2のコントローラーおよびニンテンドースイッチの価格を引き上げました。

2026年2月、米国最高裁判所がこれらの関税を違法と判断。翌3月に任天堂は還付を求めて米国政府を提訴しました。さらにその翌月の4月、ゲーマーたちがワシントンにて集団訴訟を起こし、任天堂が関税上乗せ価格での販売益と政府からの還付金の両方を受け取ることは「二重取り」にあたると主張。2025年2月から2026年2月の間に値上げされた任天堂製品を購入した米国内の消費者全員を代理した救済を求めています。



任天堂の反論

今回の棄却申し立てで任天堂の弁護士は、「原告らの主張に共通しているのは、関税訴訟の結果に応じて任天堂が完了した取引について価格に過去にさかのぼって、後から変更ややり直しをしないことが何らかの意味で『不公平』だというものだ。しかし、それは商取引の仕組みではない」と述べています。

続けて「任天堂またはその小売業者が各製品の価格を設定し、消費者はその価格を支払う価値があるかどうかを判断した。任天堂製品を購入した人々は、双方が合意した価格でコンソール・ゲーム・アクセサリーを受け取った。つまり合意し支払った通りのものを受け取っている。原告らが支払った金額は、希望し受け取った商品の対価であり、関税をめぐる法的変化があったからといってリベートを受ける権利はない」と主張しています。

また弁護士は、原告側の主張を認めれば、あらゆる企業とのあらゆる取引が遡及的な調整の対象になりかねないと指摘。さらに、訴訟の前提となる「実質的な損害」についても、ゲーマーたちが価格引き上げを受けた任天堂製品で実質的な損害を被ったとは言いがたいとも論じており、「消費者は提示価格を支払いたくなければ、購入を控えるか競合製品を選ぶ自由があった」としています。

関税コストを全額転嫁せず

任天堂はまた、関税コストを全額消費者に転嫁したわけではないとも述べています。任天堂は市場環境(メモリ・労働力・輸送・関税などのコスト)に対応するため一部の価格を調整するという困難な決断を下したものの、多くの競合他社とは異なり、任天堂は支払った関税額をそのまま各製品の価格に上乗せしたり、一律の関税サーチャージを課したりはしなかったと主張。代わりに控えめかつ選択的な価格調整を行い、2025年の最も人気の高い製品、とりわけ最上位のゲーム機のニンテンドースイッチ2については、関税コストを自社で負担することを選択したとしています。

また、2025年の価格引き上げの背景として、関税だけでなく、メモリ・労働力・輸送コストの上昇もあり、価格引き上げのうち関税に起因する具体的な割合を算出することは困難であるため、「単一企業内で製品ごとに配分するだけでも十分に難しい」と説明しています。

仲裁も視野に

任天堂はゲーマー側の訴訟を非公開の私的仲裁で処理すべきと考えており、仲裁が認められない場合に備えて今回の棄却申し立ても行ったとしています。

なお、任天堂と同様に、ソニーもPlayStationの値上げをめぐって同趣旨の集団訴訟に直面しています。


【任天堂純正品】Nintendo Switch 2 オールインボックス
¥9,030
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《H.Laameche@Game*Spark》

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら