
欧州委員会(The European Commission)は、サービス終了後もゲームをプレイ可能な状態とする「Stop Destroying Videogames」法案提出の要求を却下したことを発表しました。
ヨーロッパでは約130万筆の署名を集めた「Stop Destroying Videogames」法案提出が却下
「Stop Destroying Videogames」および「Stop Killing Games」は、サービス終了後のゲームに対して、オフライン版など何らかの方法でユーザーがプレイ可能な状態を維持することを開発・運営元に求める署名運動です。
これまで欧米各国やオーストラリアなどあらゆる地域で請願が行われており、アメリカではカリフォルニア州の議会で「ゲーム保護法案」が州下院本会議で可決、今後は上院での審議が行われる予定となっています。
一方のイギリス議会では本運動に関する議論が行われたものの、商業や法的なリスク、セキュリティの安全性といった観点から現行法の改正は難しいという見解を示したことが報じられています。
さらにEU圏では、「Stop Destroying Videogames」の署名運動で1,294,188筆を集めるなど大きな動きもあり、欧州委員会に対して立法を提案できる「欧州市民イニシアチブ(ECI)」として受領され、これまで討論が行われてきました。
ECIとしての検討に必要な署名は100万筆で、「Stop Destroying Videogames」運動はその基準を満たしているほか、ヨーロッパで運動を代表するMoritz Katzner氏は自身のXにて署名の最終的な数値とその内訳を公開しています。最多のドイツでは23万人、ポーランドやフランスなどでも10万人以上が参加していることがわかります。
提出されたイニシアチブをもとに欧州議会では公聴会による意見交換や本会議での討論が行われ、6月16日に正式な回答が発表されました。しかし、欧州委員会の回答としては「ビデオゲームが商業的に提供されなくなった後も、プレイ可能な状態を維持する法的な義務を提案することはできない」というものでした。
欧州委員会はこの回答に至った根拠として、まず「EUにおける既存の消費者保護法は、消費者の権利をある程度保護している」点を挙げています。また、「ビデオゲーム権利者の知的財産権の保護」や「サポート終了後もプレイ可能な状態を維持するための再設計やライセンス更新などのコスト」「サイバーセキュリティや安全性のリスク」などの観点から、法的に義務付けることは適切ではないとの判断が下されたようです。
ガイドラインの策定など今後も協議は継続の方針―団体も「この決定は予想外ではない」とコメント
イニシアチブは却下という結果になったものの、欧州委員会は今後も措置の検討など、協議を継続していく姿勢であることが語られています。業界の関係者や消費者団体を交えた意見交換を実施し、サービス終了時の対応や透明性などについてのガイドライン策定を目指すようです。
また、消費者が自らの権利を理解・行使できるという意識を高めていくよう、関係当局などとも協力していくことが発表されています。
この回答を受け、「Stop Killing Games」の団体は「この決定は予想外ではありませんでした」とXにてコメントし、この結果を予測して準備を進めていたことを明かしました。今後は欧州議会に対し、「デジタル公正法(Digital Fairness Act)」に運動の内容を組み込むよう働きかけるようです。
欧米各地域で動きを見せる「Stop Killing Games」。EUでの義務化は頓挫してしまったものの、他の手段での準備を進めているという団体の今後の動向にも注目です。











