コロプラは2026年4月23日、同社初となるニンテンドースイッチ向けタイトル『KAZUMA KANEKO'S ツクヨミ』を発売しました。本作を手がけた金子一馬氏は、これまでに『真・女神転生』『ペルソナ』シリーズなどのキャラクターデザインや世界観設定を担い、"悪魔絵師"の異名で知られるゲームクリエイターです。
先行して展開されたアプリゲーム『神魔狩りのツクヨミ』(2026年4月22日15:00サービス終了)は、金子氏自身の画風を学習させた独自の生成AI「AIカネコ」によってゲーム内のカードのビジュアルを生み出す「生成ゲーム」として注目を集めました。
GPSを活用した世界初の「位置ゲー」から始まり、モバイルゲームを主軸に成長してきた同社が、なぜ今コンシューマー市場参入を本格化したのか。その背景には、国内モバイルゲーム市場の成熟と、中期経営方針に掲げた「Global Top 20」という壮大な目標があります。
ゲーム事業全般を管掌する取締役 上席執行役員 COO, Gamesの坂本佑氏に、コンシューマー参入の経緯から、「位置ゲー」や生成ゲームの展望、グループシナジー戦略、そして5年後のコロプラの姿まで、幅広く話を聞きました。

「プラットフォームが先ではない。コンテンツが先」
――まずは簡単にご経歴をお聞かせください。
坂本佑氏(以下、坂本)現在はコロプラでCOO, Gamesとして、ゲーム事業全般を統括しています。アミューズメントゲームの出身で、はじめはプログラマーとして別企業に入社し、徐々にプランニングやディレクションに携わるようになって、コロプラに入社して今に至ります。ゲーム畑で20年弱ほどになります。
――『KAZUMA KANEKO'S ツクヨミ』がコロプラ初のスイッチ向けタイトルとなります。このタイミングでコンシューマーに踏み出した理由をお聞かせください。
坂本このタイミングでコンシューマーに踏み出したように見えるかもしれませんが、弊社はもともと特定のプラットフォームにこだわった事業展開はしてきていません。「新しい体験を提供する」というミッションを掲げていて、常に一番多くのお客様に届くプラットフォームを選んでいるんです。つまり、プラットフォームが先ではなくコンテンツが先という考え方です。
『KAZUMA KANEKO'S ツクヨミ』に関しては、先行して『神魔狩りのツクヨミ』をリリースしたところ、金子一馬さんのファンの方々から「コンシューマーでも出してほしい」という声を多くいただきました。モバイルでも十分にお客様には触れていただいたのですが、このゲームをより多くの方に届けるためにはコンシューマーにも面を広げるべきだろうと。結果として、これがコロプラ初のコンシューマータイトルになったという流れです。

――モバイルからコンシューマーへの展開は、当初から想定していたのですか。
坂本可能性としてはありました。ただ、新しい体験を提供することに本当に執着している会社なので、どこにお客様がいるかはなかなかわかりづらいんです。振り返れば当然だったなという思いはありますが、順番としてはお客様の声にしっかり向き合った結果ですね。
――今後の方向性としてはいかがでしょう。
坂本「位置ゲー」は別として、最近はモバイル端末のスペックも上がり、あえてモバイルだけで出す理由も、Steamだけで出す理由もなくなってきています。マルチプラットフォーム前提での展開は積極的に考えていきたい。一方で「位置ゲー」はモバイルでしか提供できない体験なので、そこはモバイルでの展開になります。
「2030年にGlobal Top 20に達したい」
――中期経営方針で「Global Top 20」を掲げています。連結売上高1,000億円以上、連結営業利益500億円以上が目安とのことですが、どのようなステップと時間軸で目指すのでしょうか。
坂本2030年までの達成を目標とした時間軸で考えていますが、やはりグローバルで通用するタイトルでなければ、この数字感は出ません。パイプラインの中には「位置ゲー」2本があって、特に「位置ゲー」に関しては世界的に認知度の高いIPで展開する想定です。
過去の実績でいえば、年間で800億円以上の売上高(2016年9月期、売上高847億円)を達成したこともありますし、今のパイプラインがお客様に評価いただければ、目標達成は可能であると考えています。もちろん、公表済みの情報以外にも開発を進めているタイトルがあります。
――「位置ゲー」のグローバル市場をどう見ていますか。
坂本主軸は北米と日本です。他社の「位置ゲー」を見ても、北米での売上規模は日本を超えるものがありますし、『ドラゴンクエストウォーク』も日本国内でそれに匹敵する規模があります。
今回、グローバルで認知されているIPを原作元とパートナーシップを組んで展開していくのですが、その認知は欧州やアジア全域にもあるので、北米・日本ほどの規模にはならないにしても、欧州やアジアでも戦っていけるのではないかと考えています。
「評価の高さは、収益化の最初のステップ」
――統合報告書では、2025年9月期にリリースした新作『異世界∞異世界』『神魔狩りのツクヨミ』いずれも業績への貢献は限定的だったと述べられています。一方で『神魔狩りのツクヨミ』は「生成AI大賞2025」グランプリを受賞するなどゲームとしての評価は高い。この評価をどう収益に結びつけていきますか。
坂本新しい体験というのは、市場が顕在化していないんですね。見えていれば楽ですが、見えていないところにこそ難しさがあります。だからこそ、世の中に投じてみてその反響を見て、「いける」「いけない」というジャッジをする必要があります。






