1976年に「株式会社日本サンライズ」として設立されたアニメスタジオ「サンライズ」は、1977年にスーパーロボットアニメ『無敵超人ザンボット3』で初の自社オリジナル作品を創出。1980年にはやはり自社オリジナル作品である『機動戦士ガンダム』を放送してガンプラブームを巻き起こしました。

『機動戦士ガンダム』以前は必殺技を放つような「スーパーロボットアニメ」が主流だったのに対し、戦争をリアルに描いたり、ロボットを兵器として扱ったりした『機動戦士ガンダム』はそのリアリティある世界観から「リアルロボットアニメ」と呼ばれることに。その後も『太陽の牙ダグラム』『戦闘メカ ザブングル』『装甲騎兵ボトムズ』など続々と「リアルロボットアニメ」を世に送り出し、1970年代から1980年代にかけて発生した「ロボットアニメブーム」に新たなジャンルを定着させました。(※「スーパーロボット」と「リアルロボット」の定義および作品のカテゴライズは諸説あり。)
現在は「株式会社バンダイナムコフィルムワークス」として新たなる一歩を踏み出し、「サンライズ」はブランドとして継続していますが、その歩みは止まることなく、現在放送中の『鎧真伝サムライトルーパー』や、発表されたばかりの「サンライズ50周年記念作品『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女』」など自社オリジナル作品を続々と生みだしています。

手がけた作品は500以上、自社オリジナル作品もなんと300以上という驚くべき数字です。
しかし半世紀もの歴史あるアニメ制作スタジオおよびブランドながら、スタジオとしての特徴や強みは、多様化するアニメ企画に埋もれがちで知らない人も多いはず。そこで本稿では「サンライズ50周年プロジェクト」を紹介しつつ「いまさら聞けないサンライズ」を解説したいと思います。
あの作品もサンライズ!? オリジナル作品の強みと魅力
サンライズは1977年の『無敵超人ザンボット3』を皮切りに、『伝説巨神イデオン』『聖戦士ダンバイン』『銀河漂流バイファム』『重戦機エルガイム』などロボットアニメを中心に、続々と人気オリジナル作品をリリース。「サンライズといえばロボットアニメ」と誰もが思うほど多くの人気作品を世に送り出しました。

特色はやはりリアルなメカ描写、そして迫力あるアクションです。SF作品にも強く、例えば1985年の『ダーティペア(原作:高千穂遙)』では宇宙を舞台に暴れ回る美女コンビ・ユリとケイが数々の厄介ごとを解決しました。
ロボットアニメブームの後は『シティーハンター(原作:北条司)』や『ミスター味っ子(原作:寺沢大介)』といった原作つきの作品も多く手がけるようになりますが、SF作品やロボット作品も変わらず作り続け、幅広いジャンルでその強みを活かすこととなります。
また番組を企画する際はつねにマーチャンダイジング(商品戦略)も含まれており、雑貨、おもちゃ、出版、音楽など、番組視聴の外でもファンにエンターテイメントを提供し楽しませてくれるのも特徴です。送りだした作品がシリーズ化したり長く愛されたりする理由は、作品の良さはもちろんのこと、マーチャンダイジングの効果もあるはず。その真骨頂がまさにガンプラでした。
IP創出力強化のための取り組みを、制作部ゼネラルマネージャーが明かす!
SUNRISE StudiosのIP創出力強化のため、今期注力している取り組みについて「IP制作本部 制作部」の井上喜一郎ゼネラルマネージャーはこう語る。
オリジナル作品を生み出し続けるためのしくみ「ORI(オリ)活会議」
自社内でのオリジナル企画創出を活性化し、次のオリジナルヒットIPを生み出すことを目的に、SUNRISEStudios 主催による「ORI(オリ)活会議」を始めています。月1回開催で参加は挙手制となっており、若手からベテランまで年齢問わず、また、アニメーションに限らず、今期から制作部内に設置された実写制作部署から等、多彩な社員が参加し企画の種を持ち寄りディスカッションを行っています。企画を進めていく中でベテランクリエイターをアサインする場合は、知見の深いベテラン社員がフォローするなど、参加者の多様性を活かした運営を行っています。企画はスタジオ毎に発案し、楽しみながら競い合える点もこの会議のユニークさです。また当会議では、話題の若手クリエイターやプロダクション等の情報交換も行うなど、気軽に参加できる雰囲気作りを大切にしています。

さらに、長く愛されるIPの創出にはビジネス的な観点も重要と考えており、グローバルライセンスや映像配信等の担当部署の社員も随時出席し、企画段階から事業視点で必要な要素をインプットし、国内外で求められる作品像を具体化しています。これは制作部門と事業部門の両方を持つ当社ならではの強みとなっています。
「デジタルイノベーションプロジェクト」の発足
これまで、SUNRISE Studiosでは作業効率向上や労働環境改善のため、作業管理システム等を導入し、制作における作業工程の見える化を行ってきました。そこで見えた課題も踏まえ、今期から制作における各行程を見直し、デジタルで最適化する「デジタルイノベーションプロジェクト」を発足しました。プロジェクトでは以下のような取り組みを推進しています。
・アニメ制作のメイン「作画」行程のデジタル化推進
・制作進行の業務効率化のための新機材導入や作業フローの刷新
・制作行程の脱属人化を目指した暗黙ルールの明文化、マニュアル作成
・グループ内のゲーム制作会社協力による CG・ゲーム制作行程を活用した行程管理ツールの開発
・自社 IT 部門と連携した最先端技術の開発、導入と、ソフトウェアスキルの底上げを目指す人材育成
これらの取り組みによって生まれる余剰時間をクリエイティブに活かし、さらなる作品のクオリティーアップを図っています。

サンライズブランドの価値を再発見する「サンライズ 50周年プロジェクト」
このたびバンダイナムコフィルムワークスが実施する「サンライズ50周年プロジェクト」は、そんな「サンライズ」作品のブランド価値を再定義し、国内外にさらなる認知拡大を図ることを目的とした企画。自社オリジナル作品『無敵超人ザンボット3』が1977年に放送されたことから、50周年を迎える2026年から2028年の3年間にかけてさまざまな記念施策を実施します。

その第1弾として発表されたのがサンライズ50周年記念作品の『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女』。サンライズがProduction I.Gとタッグを組み、押井守さんが監督を務めるという期待の新作アニメ作品です。2026年1月25日現在はまだ「2026年に新作アニメーションを始動!」としか発表されていませんが、すでにティザー映像が公開されており期待が高まります。
なお『装甲騎兵ボトムズ』とは1983年に放送されたテレビアニメシリーズのこと。異なる銀河に存在する「ギルガメス」と「バララント」を舞台に、100年もの間戦争をしている両勢力の、兵士の過酷な運命を描く作品です。登場するロボットは「アーマードトルーパー」と呼ばれる小型の機動兵器で、生存率が低いことから「最低の者たち(ボトムズ)」と呼ばれました。

『装甲騎兵ボトムズ』は、リアルロボットアニメとしてはサンライズの最高峰とする声も多く、テレビアニメのほか、OVA(販売用アニメ作品)などが作られ現在もなお根強い支持を受けています。
そのほか3年間で実施される企画についてはこれからの発表となりますが、人気作品を多く抱えるサンライズですから、どの作品がどのような形で我々の前に飛び出してくるのか今からワクワクします。
はたして次なる施策は『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』なのか? それとも『疾風!アイアンリーガー』『カウボーイビバップ』『犬夜叉』『銀魂』の中にあるのか? あなたはどのサンライズ作品と“再会”したいですか?
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