
Gearbox Entertainmentの社長兼CEO ランディ・ピッチフォード氏は、海外メディアTheGamerの取材に対し「Stop Killing Games」運動に関する見解を語りました。
「Stop Killing Games」は人生における避けられない運命との戦いに似ている
「Stop Killing Games」運動は、ゲームのサービス終了後もプライベートサーバーやオフラインモードなど、何らかの形でユーザーがプレイできる方法を残すことをゲーム運営者に求める署名運動。署名運動は目標としていた署名数100万件に到達して締め切りを迎えており、現在は複数の政府機関からの決定を待つ段階であるとしています。
海外メディアTheGamerは、ランディ・ピッチフォード氏に対するインタビュー内でこの運動に対する見解を尋ねました。ピッチフォード氏は、自分自身もゲームを失い感情的になったことがあるので、この活動には共感できると回答。一方で、真のライブサービス型ゲームというのは、死ぬことが許されない生き物という相容れない要素を持ち合わせているように思われるので、どのようにして折り合いをつければいいのかわからないと続けました。
更にピッチフォード氏は、この運動は人生のメタファーであるように思えるとの持論を展開。大切な人々や自分自身がいずれはこの世を去るという事実が嫌で、できることなら何も失わずにずっと生きていたいと望んだとしても、最終的にはそれを受け入れるしかないのが人生であるとの自身の死生観を明かしました。

しかし、その中でも人類は抗い続けており、ピッチフォード氏もその姿勢を大切にしているとのこと。「Stop Killing Games」運動も根本はそれと同じく、価値ある体験を愛しそれが永遠に存在し続けることを願う心から来ているのだとの見解を示しました。
また、気の遠くなるほどの未来では、宇宙そのものも寿命を迎えて文字通り全てが無くなってしまう時が訪れるだろうとし、そのような宇宙に暮らしているという事実も嫌っていると発言。しかし、この嫌悪感こそが運命に抗おうとする力をもたらしてくれるのだとして回答を締めくくっています。
運命に抗おうとする姿勢を好むピッチフォード氏
Gearboxの手掛けた作品を振り返ると、2021年には『Battleborn』が完全にプレイ不能になる形でのサービス終了を迎えるなど、理想的とはいえない幕引きとなった作品も存在しています。しかしCEOのピッチフォード氏自身は、現実的にはどうすることもできないとしても、できる限りそれに抗おうとする姿勢を好んでいるようです。