
ゲーム開発会社のコロプラは、2025年4月に実施した社内調査で、社員の約8割が業務で生成AIを活用していることを発表しました。357名の正社員から回答を得た調査結果によると、前年と比較して日常的にAIを利用する社員が10%以上増加し、生成AI利用の浸透が加速していることが明らかになりました。

業務でAIを活用しているという一方で、コロプラの最新作『神魔狩りのツクヨミ』は悪魔絵師・金子一馬氏のイラストをAI学習し、それによって新規カードを次々に生み出しているというゲームシステムが話題となっています。コロプラのAI活用はこのゲームにも影響を与えているのかもしれません。
業務AIの活用はゲームでの利用例とは程遠い!?しかしゲームプレイヤーなら共感できる部分も
コロプラの業務でのAI活用用途では「アイデア発想・壁打ち」が最も多く、回答者の半数を占めました。次いで「文章作成」「コーディング支援」が続き、創造性を要する業務での活用が目立っています。職種別では、クリエイターよりもフロント&バックオフィス部門の方がやや多く利用している傾向が見られました。
効率化効果については、ほとんどの利用者が業務効率の向上を実感しており、40%以上の時間削減を体感している社員が約4割、60%以上が約2割、80%以上が約1割という結果となりました。

……とは言え、これはまさに「業務上のAIにおける効率化」の例であって、ゲーム『神魔狩りのツクヨミ』には一切関係のない部分です。同作のAI利用は基本的に「カード画像の生成」に限られており、例えば戦闘における有効カードの提示など、AIによる戦術の提案や効率化などは搭載されていないからです。
ただし、コロプラの業務上でのAI活用の興味深い点として、AIの「友人化」現象が挙げられていました。これは「人に言えないことを相談」「雑談が楽しい」といった回答が多く、業務効率化にとどまらず、AIが日常的なコミュニケーションパートナーとしても機能している……というものです。中には「妻からの質問の回答を考えてもらう」「管理職の気持ちがわかった」といったユニークな活用例も報告されています。

この「AIの友人化」現象は、ある意味『神魔狩りのツクヨミ』でも実現されていると言えます。本作では一定数のイベントをこなすと、AIがそれまでのイベントの内容を勘案して新たなカードを生成しますが、次にいったいどんなカードが生成されるかはプレイヤーにも全く想像がつかないため、AIによるカード生成の瞬間は常にワクワクドキドキに満ち溢れています。

ときには「いかにもAI絵」な、奇妙なイラストのカードもたまに生成されますが、ゲーム中で使ってみると意外と使いやすくて愛着がわいてしまう……ということも多く、たとえ変なカードが生成されてもこれはこれで個性的で楽しい、と言った感じがあります。

本作の画像生成AIである「カネコAI」に対するこういったドキドキや、たまに出る個性も思わず許せてしまうような感情は、まさに「AIの友人化」なのかもしれません。そして今日もまた、筆者は「カネコAI」から新たなカードを得るべく「THE HASHIRA」にお布施に向かうのでありました(微課金勢なので、毎日何回も登る……という訳にはいきませんが)。
コロプラのAI活用ゲーム『神魔狩りのツクヨミ』は、PC(Steam)/iOS/Androidにて基本プレイ無料で配信中です。