『星のカービィ ディスカバリー』で挑戦した2Dから3Dへの表現の変換―そして現実世界を意識したアートディレクションで工夫したこと【CEDEC2022】 | GameBusiness.jp

『星のカービィ ディスカバリー』で挑戦した2Dから3Dへの表現の変換―そして現実世界を意識したアートディレクションで工夫したこと【CEDEC2022】

『星のカービィ ディスカバリー』はシリーズ初の3Dアクションであるとともに、現実世界を舞台にした初の作品です。はたして開発の裏にはどのような苦労があったのでしょうか?

ゲーム開発 プロデュース
(C)HAL Laboratory, Inc. / Nintendo
  • (C)HAL Laboratory, Inc. / Nintendo
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従来の『星のカービィ』シリーズはファンタジーあふれる世界観でしたが、今作の舞台は現実世界です。これまで大切にしてきた世界観に、どのように「現実世界」を織り込んだのでしょうか? また従来シリーズでは2Dで表現されてきた世界観を、どのように3Dに置き換えたのか? この2点を中心に、おもにアートディレクションの観点から開発裏側を紹介します。

登壇者は、株式会社ハル研究所 開発本部 第1開発部のエキスパートアーティストであるファーマン 力氏と、同じく第1開発部アーティストの森下大輔氏。

「『星のカービィ ディスカバリー』 シリーズ初の挑戦 3Dアクションと現実世界との融合を実現したアートディレクション」と題し、8月24日に「コンピュータ・エンターテインメント・デベロッパーズ・カンファレンス 2022」(CEDEC 2022)で行われた講演をレポートします。

『星のカービィ ディスカバリー』の公式紹介映像。

「CEDEC 2022」他の講演レポートを読む


本作の目玉「ほおばりヘンケイ」の誕生

『星のカービィ』とはハル研究所が開発し任天堂が発売するアクションゲームで、第1作のリリースが1992年、2022年3月25日に発売された『星のカービィ ディスカバリー』が最新作となる長寿シリーズです。

特徴は球体のキャラクター「カービィ」による「吸って吐いて」のアクション。敵を吐き出して弾のようにぶつけたり、敵の能力をコピーしたりしてステージを攻略していきます。

▲『星のカービィ』シリーズ概要。

『星のカービィ ディスカバリー』の特徴は「初の3Dアクション」「現実世界という初のロケーション」「新たな能力『ほおばりヘンケイ』」のおもに3つです。しかしそこへ至るまでには大きな壁をいくつも越えなければなりませんでした。

開発スタッフがまずおこなったのは原点回帰です。過去の派生作品で少しずつ3D表現に挑戦してきたとは言え、今作はそれらノウハウを活かした本編シリーズ初の3Dアクションです。2Dから完全3Dアクションになるということで、開発はまず「どのような遊びができるか?」の視点から、カービィというキャラクターについて改めて見つめなおすことからはじめました。

▲「ほおばりヘンケイ」誕生のプロセス。

その結果、生み出されたのが新アクションの「ほおばりヘンケイ」です。

もともとカービィはゴムマリのような柔軟性を持っており、敵を吸い込む特技を使いこなしてステージを攻略します。そのため吸い込みアクションでそのオブジェクトに「ヘンケイ」することができれば、カービィの魅力を最大限に引き出せると考えたのです。

またそれに伴い、吸い込むオブジェクトも日常にあるものが良いという結論に達しました。同じ「四角くヘンケイする」でも、魔法のオブジェクトを吸い込むより、自動販売機のように親しみのあるもののほうが驚きも増すからです。その観点から、物語の舞台も現実世界に決まりました。

▲飛行機を例にした様々な検討用イメージ。右上のプロペラを露出したもので方向性が決定したようです。
▲「ほおばりヘンケイ」は、カービィの特徴を活かす形でコンセプトが決定しました。

「ほおばりヘンケイ」については、どのようなビジュアルデザインにするか、どのような吸い込み演出にするかでも数々の検討がされました。


《気賀沢 昌志》

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