UnityはPS VR2に対してどのように対応するのか?視線トラッキングやフォビエートレンダリングの効果を披露【CEDEC 2022】 | GameBusiness.jp

UnityはPS VR2に対してどのように対応するのか?視線トラッキングやフォビエートレンダリングの効果を披露【CEDEC 2022】

UnityによるPS VR2への対応状況

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UnityはPS VR2に対してどのように対応するのか?視線トラッキングやフォビエートレンダリングの効果を披露【CEDEC 2022】
  • UnityはPS VR2に対してどのように対応するのか?視線トラッキングやフォビエートレンダリングの効果を披露【CEDEC 2022】
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2022年もコロナ禍の影響でオンライン開催となったゲーム中心の開発者向けカンファレンスCEDEC2022。2023年初頭に発売予定のPS5向けVR機器「PlayStation VR 2」を解説する、「Unity上でのPlayStation VR2向け次世代ゲーム開発」のセッションレポをお届けします。本セッションでは、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンのコンソール・サポート・エンジニアである江端優介が登壇しました。

なお、このセッションはGDC2022で実施された「Building Next-Gen Games for PlayStation VR2」を再編集した日本語版です。


「CEDEC 2022」他の講演レポートを読む


UnityにおけるPS VR2

PS VR2に対応したUnityは、XRSDKに対応しプラットフォーム問わず一貫した環境で開発出来るようになっています。PS VR2では、2つの2000x2040の有機ELディスプレイと最大120fpsに対応し、視線トラッキングや、インサイド・アウト・トラッキング、ヘッドセットからの触角フィードバック、Tempest 3Dオーディオ技術も搭載。またハプティックスフィードバックなどを搭載したPS VR2 Senseコントローラーを有しています。

PS VR2向けのUnityグラフィックス機能は、VRに最適なユニバーサルレンダーパイプラインとクオリティの高いグラフィックを表現可能なHDレンダーパイプライン、そしてカスタムレンダーパイプラインの3つに対応しています。PS VR2でUnityがサポートする機能は、シングルパスレンダリングとミラービューモード、オクルージョンメッシュの他に、目視の解像度スケール、90hzまたは120hz、そしてVRモードのON/OFFです。

Unityは、PS5とPS VR2の次世代レンダリングに対応するために新しいグラフィックスコード「次世代グラフィックスコンテキスト」を開発中。この「次世代グラフィックスコンテキスト」は複雑さを減らし、PS5のGPUと進化した低レベルグラフィックスAPIから一部のコードを簡略化することで、パフォーマンスを向上させることが目標です。他にも、PS5で使用可能となった最適化テクニックを活用してレンダリングバックエンドを再設計し、マルチコアでの最適化とGPUの状態を改善しています。

また、ロードされるシェーダーとメモリフットプリントを削減する手段を検討したことで、アセットやコードの変更なしに使用効率を改善しています。これによってPS VR2への対応やフォビエートレンダリングなどが使えるようになったとのこと。これによってPS5におけるUnityのSpaceshipDemoでは、GPUが14%高速化、CPUも32%高速化されています。

様々な改善がもたらされた

新機能フォビエートレンダリング

PS5で使用可能となったフォビエートレンダリングは、ユーザーが見ている視線周辺の画質を低下させることでGPUパフォーマンスを向上させる技術です。これは、視線より周辺の画質を下げても人間が変化に気付きにくいことから成り立っています。加えて、GPUの負荷を減らすことで解像度やリフレッシュレートの向上といった様々な改善も可能となります。またPS VR2は視線トラッキング対応していることから、視線追従型フォビエートレンダリングも使えます。

通常フォビエートレンダリングでは2.5倍の高速化が出来ますが、視線トラッキングと組み合わせると最大で3.6倍高速化可能です。パフォーマンス分析では、その効果を確認できる数値が計測されており、よりゲームに近いVR Alchemy Labではフォビエートレンダリングのみで2.1倍に、フォビエートレンダリング+視線トラッキングで2.3倍向上しています。

Unityにおける視線トラッキングとPS VR2コントローラー

VRデバイスにおける視線トラッキングは一部のハイエンド機器にのみ搭載されているなど限定された機能でしたが、PS VR2では視線トラッキング機能を搭載しています。この視線トラッキングは、目線を向けることでオブジェクトを選択するだけでなく対象を拡大したり、コントローラーと組み合わせることで素早いオブジェクトの選択も可能です。

PS VR2では瞬きの検知や瞳孔サイズも計れる
視線トラッキングのサンプルコードでは、照準を現すgazeTrackerを使用している
瞬きからウィンクを検出することもできる

UnityではPS VR2に付属するコントローラーPS VR2 Senseの6DoFやUnity input、そしてフィンガータッチ機能など全機能が利用可能です。他にも、コントローラーはアダプティブトリガーだけでなく、振動機能は従来の形式に加えAudioClip形式にも対応しています。最後に、これらの機能を実装することに全力を出していることとを告知しセッションを終えました。


以上がセッションの内容でした。UnityにおけるPS VR2そのものの解説と、そしてPS VR2で新たに搭載された視線トラッキングと新機能フォビエートレンダリングなどを説明する内容でした。一部機能が現在取り組み中であることが気になりましたが、これらの機能を活用したゲームタイトルが出てくることを思うと、注目が集まるように思えます。


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《G.Suzuki》

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