「従業員と家族が生き残るために」『S.T.A.L.K.E.R.2』開発中断―ウクライナの勝利を信じ開発継続を明言 | GameBusiness.jp

「従業員と家族が生き残るために」『S.T.A.L.K.E.R.2』開発中断―ウクライナの勝利を信じ開発継続を明言

『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズを開発しているGSC Game Worldが『S.T.A.L.K.E.R.2』の開発中断を発表しました。

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「従業員と家族が生き残るために」『S.T.A.L.K.E.R.2』開発中断―ウクライナの勝利を信じ開発継続を明言
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▲Twitterにて声明に添付された動画

2月24日から始まったロシアによるウクライナ侵攻の影響が、ゲーム業界にも急速に広がっています。『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズを開発しているGSC Game Worldは、現在開発中の新作『S.T.A.L.K.E.R.2』の開発中断を発表しました。また、映像も公開されており、平穏・平和が瞬時に変化しうることを痛感させる内容となっています。

公開された映像は、カットシーン作成の一部始終を紹介するためのモーションキャプチャーの映像から始まります。跳んではねて、テーブルの上を転がる。静止する相手に銃を突きつけるなど、完成すればどのようなものになるのか楽しみになるような撮影場面となっています。

その直後、「先週はとうの昔に」という字幕とともにシーンは一転します。テレビ塔に着弾し爆発するミサイル。瓦礫の山と化した建物に燃え盛る炎。クラスター爆弾と思しき連続した小爆発。低空飛行する戦闘機に装甲車。ともすれば映画かゲームのワンシーンかと思ってしまいそうな、しかし現実に今現在起きている戦争の様子が次々に流れていきます。そして「ウクライナに栄光あれ」、この一言が、重い余韻を残しつつ締めくくりとされています。

S.T.A.L.K.E.R.』シリーズは、チェルノブイリ発電所周辺に突如出現したZONEと呼ばれる領域を舞台に、その領域内でのみ発見できるアーティファクトと呼ばれる超常的な性質を持つ物体を巡って、軍や国家主導の研究機関といった多くの派閥と関わりつつ話を進めていくFPS。タルコフスキー監督の映画「ストーカー」やストルガツキー著の「願望機」といった作品をモチーフとしたゲームで、今までに『Shadow of Chernobyl』『Clear Sky』『Call of pripyat』の3作が発売されています。

今回、開発中断が発表された『S.T.A.L.K.E.R.2』は、当初2011年に発表されましたが、続くGSC Game Worldの経営難もあり、2022年4月発売の予定で開発が進められていました。この発売予定日は更に2022年12月8日に延期されています。1作目の『Shadow of Chernobyl』はアナウンスされた2003年から最終的には2007年発売と4年近い発売延期がなされており、「STALKER FOREVER」という呼び方もされるほどで、「待つのにはもう慣れた」とのファンの声も散見されています。一方で、今回の開発中断は文字通り不可抗力・不測の事態によるものであり、今までの発売延期とは全く異なるものであることは言うまでもなく、ゲームの完成よりも、ただただゲームに関わる全ての人の安全と生活を最優先にしてほしいというのが率直な願いであります。

なお、GSC Game Worldからは開戦当初に次のような声明が発表されているほか、ウクライナ軍への支援を呼びかけています。

このGSC Game World以外にも、ウクライナ・ロシアの両国には多くのゲーム会社が存在しており、今後さらなる戦争の影響が出てくることが予想されます。事態の早期解決を心から願うばかりです。


《K.K.@Game*Spark》

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