正式サービス後の「5G」品質は?ゲーム側の視点も語られたセッションレポ【CEDEC2021】 | GameBusiness.jp

正式サービス後の「5G」品質は?ゲーム側の視点も語られたセッションレポ【CEDEC2021】

「5G」におけるゲームトラフィックに関するセッションです

ゲーム開発 サーバー・ホスティング
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2021年もオンライン開催されたゲーム開発者向けカンファレンスCEDEC2021。5Gサービスが正式に開始され、どのような影響が出ているかを語り合う「[JANOG×CEDECコラボセッション]ゲームトラフィックの動向と課題、それに対する5G関連技術の可能性」セッションのレポートをお届けします。

登壇者はNTTコミュニケーションズSDN Tech Lead川上雄也氏とSoftBankネットワーク研究室室長代行の堀場勝広氏、コナミデジタルエンタテインメント技術開発部の佐藤元彦氏の3名です。

今回コラボセッションとなったJANOG(Japan Network Operators’ Group、日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ)は、1997年に設立された会員約7000名のネットワークの運用者が集う技術コミュニティです。またJANOGは年2回にネットワークに関する議論中心のプログラムを開催しています。

2021年8月のゲームトラフィックは人気タイトルの影響がハッキリと

2021年はオリンピックが開催されたこともあり、トラフィックに対してインパクトがあったそう。このスライドのグラフでは、ハーフタイムのタイミングで動画やTwitterなどを使用しトラフィックが上がっています。

またこのグラフで鋭く尖った部分は『Fortnite』の新シーズンと『Apex Legends』の最新アプデの配信があったためです。『Fortnite』は昨年に影響が大きかったと言及しつつ2021年影響が少なかった一方で、『Apex』は深夜の午前2時に大型アプデが配信された影響で鋭い山が築かれています。もしも、アップデートの配信がピークタイムに重なっていたら「1.5倍の帯域を使っていたのでは?」と推測できるほど大きなトラフィックだったようです。

一方で固定系のトラフィックは、毎年1.2倍から1.3倍ペースで増加していましたが昨年のコロナ禍もあり1.57倍という大きな上昇率となっています。他にもトラフィック増+半導体不足で設備増設が厳しいことと、PC/コンソールの突発的な大容量のデータ配信が課題だそうです。

ゲームから見た通信品質

モバイルにおいて、IPv4の遅延はここ1年の遅延については変化が起き始めており、国ごとに違いがありますが悪化しているものもあれば改善しているところもあります。これはゲーム用の高速回線オプションや5G環境の普及によっての変化が大きく、高速通信できるユーザー層が若干増えています。その中でIPv6を使えるユーザー環境は増えているものの、それでもIPv6オンリーでIPv4を切るほどの普及率ではないという。

スライドは2021年8月における遅延(RTT値、いわゆるPing)のグラフを現しています。値の小さい青と緑のラインが若干増えていることに加え、値の大きいオレンジと赤が少なくなっていると指摘。今後もこの傾向が続くのかわからないと加えたものの、5Gなどより良い回線環境に移行したユーザーによって改善されています(古い環境のままだと劣化すると共に、新しい回線に移って貰えれば開発者側も早い回線を想定して制作できるとも言及)。他にも、緑ラインのIPv4とIPv6両方の通信方法が使えるユーザーは着実(年を追う毎に5%~10%)に増えています。

5Gと4Gの違い

5Gの特徴は過去様々なイベントなどで解説されているとおり「無線区画の高速化」と「End-to-Endの低遅延化」、そして「ネットワークのカスタマイズ」の3つです。しかしながら、「5G」は初期段階で現時点だと4Gと5Gが混在するNon Stand Alone状態で稼働しているとのこと。今年後半にはStand Aloneで稼働するため「5Gはこれからが本番だ」とも言及しました。

クライアントから見る5Gに関しては、SIMフリーの端末を使いソフトバンクやドコモなど様々なキャリアで検証していたことが語られました。帯域については5Gを掴んでみたところ確かに速度が早い場合もあったものの、4Gと変わらない場合もあったとのこと。現時点で5もGを掴むと高周波による低遅延の恩恵はあるようです(一方で一概には断言出来ない場合も)。

5Gエリア問題に関して、4Gは国内全域をほぼほぼカバーしSub6が範囲内となるエリアも増えているものの、ミリ波は現時点で局所的にしか提供されていないようです(ミリ波は電波の特性上、電波が回り込みにくいことも関係している)。

ゲームにおける5Gの影響

5Gは「ネットワークのカスタマイズ」がその特徴の1つですが、ゲームで1機能として浸透させるという話が中国などの事例で起こっているそう。1事例としてゲーム内でネットワークの遅延を下げる「加速ボタン」があり、アイテム課金の形でユーザーが納金すると優先制御が掛かり遅延が低くなる事があるという(この施策は、中国は国土が広大だからと予想)。

日本国内では通信の公平性が求められると前置きしつつ「この施策は国内でも出来るのか?」という疑問について、今の段階では難しいものの緊急項や公共性の高いサービスには開けていく必要があるのでは?という議論はされているとのこと。また、エンターテインメント業界側からの意見によって議論が加速するのではと考えているようです。

5GにおけるIPv6とIPv4の関係性

これはドコモがIPv6アドレス利用拡大に向けて、2021年6月にIPv6のシングルスタック化(PDF)を発表したことに起因します。一方で、現時点でドコモだけがIPv6オンリーと発表しているのもあり、他の通信事業者の方針がどうなるのかが気になるところ。このドコモの方針は、ドコモユーザーの数が膨大な所からネットワークをフラットにしたいことが要因では?と見ています。

他にも、iOSとAndroidにおけるIPv6の挙動も、iOSがDNS64/NAT64、Androidが464XLATと実装されている技術も違うことから、何らかの形で統一して欲しいのが正直なところなそうです。

Q&A

最後はQ&Aです。興味深い質問をピックアップすると、「5G時代のゲームサーバーのMEC化はどうなるのか?」について、低遅延プレイヤー同士のマッチングにおける地域性やクラウドゲーミングについては恩恵があるかもしれないと回答しています。終わりにJANOGアーカイブなどが公開されていることや、2022年1月にJANOG49が開催されることを告知しセッションを締めました。

《G.Suzuki》

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