いかに生産性を高めクリエイティブな作業に集中するか?事例から考えるゲーム業界における自動化導入の可能性 | GameBusiness.jp

いかに生産性を高めクリエイティブな作業に集中するか?事例から考えるゲーム業界における自動化導入の可能性

様々な作業の自動化による生産性向上は誰しもが望むもの―。どのようにして自動化を実現するのか、RPAの機能を掘り下げながらゲーム業界への導入の可能性を模索してみます。

企業動向 戦略
いかに生産性を高めクリエイティブな作業に集中するか?事例から考えるゲーム業界における自動化導入の可能性
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PlayStation 5、Xbox Series Xという両次世代機のリリースを年末にひかえた2020年。スマートフォン向けのモバイルゲームでもリッチなものが求められるようになって久しい昨今、ゲーム開発は今後さらなるコストアップが懸念されます。言い換えれば、クオリティは高めなければならない一方で、増加するコストを上回るだけのコストダウンや生産性の向上、開発体制の強化をどのように図っていくかが大きな課題となります。

とはいえ、闇雲なコストカットはプロダクトのクオリティを下げてしまうだけです。ユーザーの目も肥え、既在プレイヤーはもちろん、国内外から新たなプレイヤーの参入も続く市場のなかでは、ユーザーを魅了するクリエイティビティやアイディアを必要とするセクションや業務にはより多くのリソースを投入していきたいというニーズも高まってきているのではないでしょうか。

それでは、ゲーム業界では、この課題にどのように取り組んでいくべきでしょうか。生産性の向上やコストダウンについて考える場合、ゲーム開発自体のコストだけでなく、関連するオペレーションコストをいかに低減するかも重要です。オペレーション業務の見直しや改善は、開発・制作のクオリティや競争力を維持しながら、収益力を高めていくための要件といえます。

こうした事業課題を解決するツールのひとつとして、注目を集めているのが「RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)」です。本稿では、今後、ゲーム業界にも浸透・活用されていくことが予想されるRPAについて採り上げ、その導入と活用によってどのような効果を期待できるのかを考察していきます。

RPAの機能と役割、および既存ツールとの違いとは?


RPAは、コンピューター上で行われる操作や手順を自動的に処理するソフトウェア、もしくはそれを内包する自動化技術の総称で、デジタルワーカーと呼称されることもあります。産業機械の導入と急速な発展によって、ブルーカラーの生産性は20世紀の100年間で何十倍にもはね上がったとされていますが、情報化が進んだ近年において、ホワイトカラーの現場でも必ずしも人の介在を必要としない定型作業は自動化して、より効率的に処理して生産性を高めよう、という考えに基づいて開発された技術がRPAです。


具体的な用途としては、データベースから抽出したデータの他システムへの転記、請求書や領収書の作成と発行などの経理処理、特定のイベントや条件をトリガーにした関係者への通知、従業員の入退社に伴う関連システムへのアカウント作成と削除、特定のWebサイトを巡回して収集した製品情報や価格をファイルとして出力するなどが挙げられ、既に多くの業種・業界において成果を出しています。

さて、自動化というと、VBA(Visual Basic for Applications)に代表されるマクロと似たような印象を抱かれた方もいるかもしれません。たしかにマクロも自動化を実現する方法のひとつではありますが、大きな違いとしては、マクロはひとつの工程を自動化することはできますが、業務プロセス全体を自動化するには、幾つものマクロを開発する必要が生じます。また、その開発にはプログラミングの知識が欠かせず、作成やメンテナンスを行える担当者が限られるという課題もありました。

一方RPAは業務プロセスの自動化を前提に開発されたソフトウェアとして、専門的な知識をほとんど必要とせずに、ローコードと呼ばれる、管理画面のアイコンをワークフローに合わせて配置して、実行する処理内容を設定することによって自動化を操作できるように設計されているのが大きな特徴です。コンピューターやアプリケーションに制限されることもないので、様々なツールやシステム、AIのような技術と組み合わせることによって複雑なプロセスの自動化も可能にします。マクロは部分完結のプログラムとして機能しますが、RPAは文字のごとくロボットとして、人が行っていた作業を担う新しい同僚として活躍してくれます。

将来への備えにも―RPAを導入する理由とメリット


ここまで、RPAの特徴や既存ツールとの違いを説明してきましたが、実際に導入するメリットには以下のようなものが挙げられます。

  • 定期的に発生する反復作業を自動化し、人間は人のクリエイティビティが必要とされる業務に専念
  • 個人の能力に依存しない業務フローの標準化
  • 誤入力や間違った処理などのヒューマンエラーがなくなる
  • 24時間/365日稼働できる
  • 人力と比べ圧倒的に早い処理速度
  • 製品やコンテンツの提供開始時、キャンペーン実施時など(一過性の)急激な業務量増大にも対応できる

これまでに挙げたような、経理処理やアカウント管理などはゲームの開発・制作やそのおもしろさに直接関わるものではありませんが、あらゆるデベロッパー、パブリッシャーにおいて必ず発生する重要な業務でもあります。事業を運営するうえでは欠かせないものの、ルーティンとして反復的に繰り返される作業はロボットに任せてしまえば、余剰のコストやヒューマンリソースをそれだけクリエイティブに集中できるようになるでしょう。そして、実際に、ゲーム業界でもよく知られる企業での活用事例も見られるようになってきました。

たとえば、ソニーネットワークコミュニケーションズでは、個々の作業ボリュームが大きくないために新たなシステム導入や既存システムの改修では費用対効果が見込めなかったバックオフィスの業務を効率化するために、RPAを採用しました。サポートデスク業務からの処理依頼受付や明細書の発行業務などに自動化を適用し、ひと月当たり900~1,000時間近くの業務時間削減効果を実現しています。

また、ディー・エヌ・エーでは、労務管理分野にRPAを導入し、全従業員への勤怠入力のリマインド、労働時間のモニタリングなどを管理することによって、現場の作業負荷を最小限に抑えています。

それまでは人が対応してきたものの、ロボットが担当できるような作業や処理といった反復性が高い業務はロボットに任せてしまうことにより、削減によって創出された時間やリソースを開発や生産性、クリエイティビティが必要とされる部門に再配置できるようになります。

また、日本においては少子化に歯止めがかからず生産年齢人口が減少の一途をたどっており、今後はますますの人手不足が懸念されます。そうした面からも、RPAのようなデジタルワーカーを導入することは事業継続の面でも重要といえます。いちはやく体制を整えておくだけでなく、属人的になりやすい業務フローやプロセス処理をRPAによって標準化することによって、担当者の異動や代替わりするような場合でも業務クオリティを維持できるようになるのではないでしょうか

作業時間やコストの大幅削減に成功したRPA活用事例


ゲーム業界におけるRPAの活用事例も少しずつ増えています。たとえば、とあるパブリッシャーは、各種データの取りまとめやキャンペーン分析などのレポーティング業務をすべて人手で処理していましたが、タイトル数の増加をきっかけにRPAを導入。結果、レポート出力に要する時間をおよそ半分まで削減することに成功しています。

そのほか、ゲーム業界において活用が期待される業務分野には以下のような内容が挙げられます。


また、RPAは推論型AIや機械学習と組み合わせることで、定義済みの知識を参照して是非を判断させたり、学習結果を反映させたアクションを取らせたりするなどの応用も可能です。他業種では、受け付けた問合せの内容や意図を判別・分類した自動応答や、アカウントの乗っ取りや詐称、詐欺行為などの不正の自動検出(≒チート・アカウントフラウド対策)、収集した膨大な画像情報を対象にした不良品検査と検出、スキャンした画像情報から文字情報のみを識別するなど、複雑かつ時間を要する処理をRPAとAIの併用によって自動化・効率化する実績も現れ始めています。

ゲーム業界であれば、タイトルが拡がるほど増える問合せへの応答、タイトルに関する評価や反応の調査結果をまとめ次のタイトル開発のための参考情報にする、アカウント乗っ取りやチート行為の早期検出などへの活用も期待できます。

なお、今回の記事を作成するにあたり、RPAを導入していないというモバイルゲームのパブリッシャーでマーケティングを担当している方に、本稿を読んで実際に導入のイメージが湧くか率直な感想を聞きました。前述の担当者曰く「効率化は進んでいるが、未だ無駄な作業が多い」と感じているということで、もしRPAでこれまで挙げたような内容が自動化できるなら「便利だし、無駄な作業に手間を取られなくてもよさそう」というイメージが湧いたといいます。

カスタマーサポートやレポート作成の自動化などはかなり自動化できるポイントだろうと指摘するほか、インゲームのお知らせやプッシュ通知の作成も細かくシナリオを設定できれば自動化できるとかなり効果はありそうだということです。

一方で、大手パブリッシャーでは広告運用の進行管理は代理店に任せることも多く、そこまで業務負荷はかかっていないとも指摘。むしろ広告代理店にこそ需要があるのかもしれないと話してくれました。社内では、どの面に出し続けるのか、いつ出稿を止めるのかといった人による判断をする機会が多いということで、そうしたジャッジもRPAとAI・機械学習を組み合わせることで実現できるなら相当貴重な“戦力”になりそうだし、もっと新しい施策を考えることに時間を割けそうだと話しています。

RPAや自動化の可能性を検討するための第一歩


定型業務は自動化し、従業員はアイディアの発案や実現に専念する……ゲーム業界でも今後高まっていくであろう自動化の取り組みにRPAが解決策のひとつとなり得ることをご紹介してきました。それではRPAの導入を検討する時に、何から着手すべきでしょうか。RPAと検索すれば幾つものRPA製品が表示されるなか、これまでに挙げたような活用例を実現し得るRPAのひとつとして「Blue Prism」があります。


ゲーム業界では、タイトルの開発に関する重要な情報を扱うため、統制面においてセキュアであることは必須条件となるでしょう。Blue Prismは、サーバーにインストールする製品設計なのでロボットを一元的に管理できます。また、いつ、どのような処理が実行されたのかといったログを細かく保存するため、エラー発生時の追跡だけでなく実行についての監査証跡にする機能性も備えており、組織として安心して利用できるようになっています。作成した自動化処理を部品化し集中管理できるため、他の業務フローでも流用でき、また自動化対象システムに変更が発生した場合でもメンテナンスが容易に行えるようになっている点も特長です。

さらに本番環境で稼働する同時実行ロボット数に応じて課金されるライセンス方式となっており、1ロボットを複数部門で24時間365日使い倒しても必要なライセンスは1つに収まり優れた費用対効果が期待でき、業務が多岐に渡るゲーム業界との相性が良い点が多いことも注目のポイントです。

昨今は新型コロナウイルスの感染拡大防止にともなうワークスタイルの改善・変更から、オフィスへの出社を控え、在宅勤務や時間を分散した勤務体系への取組みも進んでいるという現在の社会情勢も、人間に代わり業務を処理するRPAの導入はその一助となりえるのではないでしょうか。

「Blue Prism」は、国内・海外において多くの実績があり、様々な業種でさまざまな業務の自動化を担っています。時間削減や投資対効果などの事例も多数あり、RPAの導入検討や興味がある方は、まずは問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。

Blue Prismへのお問い合わせはこちらから
《GameBusiness.jp》

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