ブラウザ経由で視聴者をゲーム実況に巻き込むGenvidがGDC2019に登壇 | GameBusiness.jp

ブラウザ経由で視聴者をゲーム実況に巻き込むGenvidがGDC2019に登壇

インタラクティブ・ストリーミング・エンジンを提供するGenvid TechnologyがGDC2019に登壇し、CEOのジェイコブ・ナボク氏がブラウザ経由で視聴者をゲーム実況に巻き込む同社のテクノロジーについて説明しました。

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ブラウザ経由で視聴者をゲーム実況に巻き込むGenvidがGDC2019に登壇
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インタラクティブ・ストリーミング・エンジンを提供するGenvid TechnologyがGDC2019に登壇し、CEOのジェイコブ・ナボク氏がブラウザ経由で視聴者をゲーム実況に巻き込む同社のテクノロジーについて説明しました。また、元スクウェア・エニックスCEOでアドバイザーをつとめる和田洋一氏も同席し、応援スピーチを行いました。

ジェイコブ・ナボク氏

和田 洋一氏

Genvidは「スーパーコンピューターゲーミング」というコンセプトを掲げ2014年に設立、2016年に惜しまれながらもクローズしたシンラ・テクノロジーズのメンバーが中心になって誕生したベンチャー企業です。モントリオールに開発拠点、ニューヨークに営業拠点を設置し、2018年には東京にも営業事務所を開設しました。社員数は約40名で、急速に成長を続けています。

Genvidが提供するのは「e-Sportsなどの観戦型コンテンツを、より能動的に楽しめるようにするための技術」で、世界最大のe-Sports大会の一つでもあるCounter-Strike Majors等で採用実績があります。公式サイトではUnityとUnreal Engine 4向けにSDKの無償配布が行われており、このSDKを組み込んだゲームエンジンで開発されたゲームは、クラウドサーバ(現在はAWSに対応)上で起動できるようになります。

その後、ゲーム会社やイベント会社などがゲームプレイの模様を動画共有サイト(TwitchとYoutubeに対応)で配信すると、視聴者がブラウザ越しにゲーム内世界に対してインタラクションが可能に。具体的には「好きな視点にカメラを切り替えてゲームが観戦できる」「ゲーム中の様々な情報を閲覧する」「ブラウザ経由でアイテムを送るなど、視聴者がゲーム世界に対して介入できる」などです。



セッション冒頭で和田氏は「ゲーム実況をはじめとしたストリーマーの登場以来、ゲーム会社やテクノロジーカンパニーとメディア企業の融合が急速に進んできた」と語りました。そして、これによってライブストリーミングという新しい市場が生まれてきたこと。また、いわゆるクラウドゲーミングは、このライブストリーミングの最もわかりやすい事例に位置づけられるとしました。

ゲーム産業はプレイヤーと、その周辺にいる視聴者(=ノンプレイヤー)を巻き込んで成長が続いていく

これまでゲーム会社はプレイヤーからのみ、マネタイズを行ってきました。しかし和田氏はライブストリーミングの拡大によって、プレイヤーの外側にいる視聴者からもマネタイズが可能になると言います。もっとも、そのためには、それに適したゲームデザインが必要であり、そのための環境やツールが提供されなければいけません。そして、和田氏はそれを提供するのがGenvidの存在意義だと説明しました。

Genvidは企業とゲームプレイヤーと視聴者の関係性を再定義していく

Genvid SDKで実装される機能の一覧

セッションの後半ではGenvidの技術を用いて、すでに先行開発が始まっているパートナー企業と、コンテンツの紹介が行われました。

Project Eleusis(Pipeworks Studio)

バラエティ番組で人気の、無人島を舞台としたサバイバル番組のゲーム版。プレイヤーコミュニティは無人島で生活する10人のAIキャラクターに対して、神の視点からさまざまなちょっかいを出せる。強力なAIとプレイヤーのインタラクションによって、毎回違った展開が楽しめる仕組みだ。ゲームはテレビ番組のように、定期的にエピソード配信を行うスタイルが想定されている。開発は『テラリア』で知られるPipeworks Studio。


CHKN Arena (Katapult Studio)

プレイヤーが任意のモンスターを作り、1対1で対戦させられるアリーナ型の育成アクションゲームで、Steamでアーリーアクセス版が販売中。Genvid対応版もすませており、本作の購入者は自分で環境を整えれば、すぐにストリーマーとして配信ができる。視聴者はストリーマーによる実況を見ながら、ブラウザごしに拍手を送ったり、アイテムを提供したりして、対戦の行方を左右できる。


STATSHELIX

STARSHELIXはe-Sports業界向けに多彩なデータ分析を提供するSaaS事業者で、プロチーム、配信事業者、ゲームファン、ゲーム会社、サードパーティなどにさまざまなプレイデータを配信している。同社を経由してGenvid対応ゲームを配信することで、視聴者はメイン画面とミニマップを任意に切り替えたり、インゲームカメラを切り替えたりできるなど、より能動的にeSports観戦が楽しめるようになる仕組みだ。


SpaceSweeper(中嶋謙吾)

シンラ・テクノロジーズのデモ用に開発されたトップダウンシューターが原型で、今回Genvidに対応して復活。プレイヤーは大量の弾幕が飛び交う中で自機を操作し、ステージをSweeper(掃除)していく。4人までマルチプレイが楽しめるほか、Genvidに対応したことで、視聴者がアイテムを送ったり、エネミーを配置したりと、プレイヤーとインタラクションが可能になった。近く正式リリースが予定されている。


このほか、ライムライト・ネットワークとの共同開発についても発表がありました。Genvidに限らず、ライブストリーミングでは遅延の問題がつきまといます。そのため大手企業では専用線を引く例も見られますが、コンシューマ向けのサービスでは、コスト面などから現実的ではないのが実情です。これに対してライムライトでは世界最大級のプライベートグローバルネットワーク回線を有しており、事業者に対して低遅延で安定したネットワーク環境を提供することが可能です。

ライムライトではすでにビデオストリーミングや大容量ファイルの高速ダウンロード、さらにはサーバ上で特定のアプリケーションを実行し、ライブストリーミング経由で操作させる技術などをもとに、さまざまな事業展開を行っています。各々のサービスはAPI経由で活用できる点もポイントで、席上ではGenvidとの協業でより使いやすいサービスを研究開発していきたいと抱負が述べられました。


CEOのナボク氏(右端)と各社のプレゼンターたち

GDCではゲーム開発の効率化を目的としたサービスやテクノロジーは多数、発表されますが、ゲームデザインを刺激するようなものは、ほとんど見られません。そうした中、「ライブストリーミングゲーム」という新たなゲームジャンルを提案する同社の試みは、非常にユニークなものだといえそうです。
《小野憲史》

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