『コナン アウトキャスト』何故クトゥルフの神がいるの?「英雄コナン」は観たほうが良い?―気になることを直撃してみた | GameBusiness.jp

『コナン アウトキャスト』何故クトゥルフの神がいるの?「英雄コナン」は観たほうが良い?―気になることを直撃してみた

8月23日に日本語PS4版が発売されたオープンワールドサバイバル『コナン アウトキャスト』。今回は本作にまつわる疑問を解き明かすべく、開発元Funcomのクリエイティブディレクター、ジョエル・バイロス氏にインタビューを敢行しました。

ゲーム開発 その他

8月23日に発売を迎えたPS4『コナン アウトキャスト』。あの「英雄コナン」の世界を舞台に生き抜いていく、オープンワールドサバイバルとして、Steam早期アクセスの頃から大きな話題となっている本作。数あるオープンワールドサバイバルと一線を画す本作の魅力はどこにあるのでしょうか。

その疑問に答えてくれたのは、開発元Funcomにて、クリエイティブディレクターを務めるジョエル・バイロス氏。映画・小説・コミックなどで広がる「コナン」ユニバースを、どうゲームで描いたのか、そしてクトゥルフ神話との関連性などについても伺ってきました。

ちなみに、氏が来ていたのはコナンTシャツ!



──PS4『コナン アウトキャスト』の開発の経緯を教えてください。

ジョエル・バイロス氏(以下、バイロス氏):2016年にレゴのゲームの開発が終わり、それまで作っていた子ども向けのゲームから大人向けのゲームを作りたいとチームが思っていました。その時にプレイしたのは『ARK: Survival Evolved』や『H1Z1』といったサバイバル要素のあるゲームで、マルチプレイのゲームを作っていた経験を生かして何が作れるかを考えていました。その中で、以前にも「コナン」のIPを使ったゲームを作っていたというのもあり、コナンとサバイバルがフィットするのではないかと考えたんです。

──ゲームをプレイするにあたり、コミックや映画など観ておいたほうがよいでしょうか?

バイロス氏:事前に触れておくともっと面白い体験ができるとは思います。もちろんそれがなくてもゲームだけで楽しめるようになっていますよ。

──以前リリースされていたPC『Age of Conan』とのつながりはありますか?

バイロス氏:『Age of Conan』ではコナンが国の王様になっている状態で、彼に仕えているという設定でした。今回はコナンが王様になる前の話なので、物語的に続編ではありません。少しだけつながりはありますが。

──本作では、プレイ開始時にオープニングムービーが入りますよね。この手のゲームでは珍しいなと思ったのですが、ストーリーはあるのでしょうか?

バイロス氏:順番に見せていくタイプのストーリーはありませんが、プレイヤー自身が世界にあるものを各地で見つけていき、最終的に何かが分かるといった要素があります。オープニングムービーはたしかに珍しいかもしれませんね。制作チームとしては、コナンシリーズの世界観があり、そこには先人が生きてきた歴史があり、その中にプレイヤー自身が入ったんだ、と思わせたかったのです。


──ムービーではコナンが出てきて助けてくれるシーンがありましたが、ゲーム中にも登場するのでしょうか?

バイロス氏:マップの中にひとつだけ平和な街があるのですが、そこのバーにコナンがいて、お酒を飲んでいますよ。コナンとはコンタクトもとれます。

──ちなみに、コナンを奴隷にはできるのでしょうか…?

バイロス氏:奴隷にはできません(笑)。攻撃も当たりませんよ。

──オープンワールドサバイバルはいろいろリリースされていますが、本作ならではの魅力は何ですか?

バイロス氏:本作を作る際に参考にした要素が3つあり、『マインクラフト』『シムズ』、タワーディフェンスです。奴隷システムはシムズに近いものですね。街全体を作れ、奴隷にタスクを与えてバトルでは警護をしてもらい、襲ってくる敵から街を守るゲームになっています。将来的には、奴隷にドアを開けさせたり、夜になったので寝かせたりということも行いたいですね。また、大きく違う点は1対1の近接の攻防戦で、独自のコンバットシステムを入れています。

──昨年、PCで始まったアーリーアクセスも話題になりましたが、現在のバージョンに至るまでに大きな変化はありましたか?

バイロス氏:マップのサイズが2倍になり、6個のダンジョン、アイテムは何百種類と追加されました。コンバットシステム・奴隷システムの改善、クライミングの実装等々…かなり多くのところに手を入れています。


──お話に挙がった奴隷システム。すごく斬新だと思うのですが、採用した理由を教えてください。

バイロス氏:コナンの世界の中では、「奴隷」という形で誰かに仕えているのはよくあることで、コナン自身も奴隷だった過去を持っています。世界観を形作る上で、とても重要な存在なんです。

敵対してくるNPCを気絶させ奴隷にするので、ある意味では防衛策のひとつでもありますね。また、コナンは太古の世界を描いているので、お金の概念もなく、自動小銃といったテクノロジーを出せないため、奴隷システムは興味深いものになると考えています。

──PS4版開発中バージョンをプレイしていて、ちょうど奴隷となる人物を縄で家に連れてきたところなのですが、ここからどのように奴隷になるのでしょうか?(※インタビューは7月末に実施)

バイロス氏:まずは「苦難の輪」をクラフトする必要があります。そこに奴隷にしたいNPCを配置して、ひたすら「苦難の輪」を回させると、心が折れて奴隷になりますよ。回させるだけでは餓死してしまうので、食料を与える必要もあります

──「苦難の輪」…よく奴隷が回している謎のものですよね。これはどのようなものなのでしょうか?

バイロス氏:これは(コナンの)映画にも出てくるのですが、「何にもならないこと」をひたすらやらせることで心を折るためのものです。


──他にも神を信仰し、自分が信仰する神を召喚できるシステムがありますが、それについても教えてください。

バイロス氏:普通の人間にはない「超能力」といったフレーバーを入れたいと考え、まず神・宗教・信仰を考えました。いくつか種類があるのですが、たとえば、ミトラという神を信仰するとヒーリング系の能力を得られますし、セトを選ぶと巨大な毒蛇を召喚できます。自分のプレイスタイルに合わせた信仰を選択可能です。信仰を選んだ先にあるのが神の召喚で、現代で言うところの核兵器のような、最終兵器という位置づけの機能です。

──私は食人の神・ヨグを選んだのですが、ヨグはクトゥルフ神話に登場する神ですよね。

バイロス氏:クトゥルフの作者であるH・P・ラヴクラフトとコナンの作者であるロバート・E・ハワードは友人同士だったんです。お互いにアイディアを共有しており、1930年代のコナンの中にもクトゥルフ関連のものがたくさん出てきています。

本作にもそのエッセンスが盛り込まれていて、例えば火山のダンジョンに生息する「サーペントマン」を倒すことで、 “輝くトラペゾヘドロン(※)”を取得することができたりします。

(※編集注:ラヴクラフトの短編「闇をさまようもの」などに登場するアイテム。ニャルラトホテプ―いわゆる、“闇をさまようもの”を召喚できたりする。)

──神を召喚するのは大変なのでしょうか?

バイロス氏:呼ぶために素材が必要なのですが、集めるのはとても大変です。さらに一番高いランクの神官も必要なので、たくさんの労力が必要となります。

──本作には攻城戦もありますが、お互いに神を召喚して戦い合うということも起きるのでしょうか?

バイロス氏:同時に神を召喚してお互いが接触すると、どちらも消し飛びます。そのため、相手の召喚に合わせて呼べる準備をしておくといった戦略が立てられます。

──それ以外に、相手に神を召喚された際の対抗策はなにかありますか?

バイロス氏:通常攻撃も当たりますが、剣など近接攻撃でいくと踏み潰されてしまうので、弓がおすすめです。また、敵の中に神を召喚している人物がいて、マップにも位置が表示されているため、それを倒せば神を消せます。また、神を召喚するための祭壇では、神からの攻撃を防ぐシールドも製作できます。神は1分間しか操作できないのですが、そのシールドに触れた途端、残り時間が0になってしまいます。一方、普通の人間はシールドを通過できるので、祭壇を壊すといったさらなる戦略もありますよ。

──攻城戦、かなり奥深そうですね。ちなみに、ソロプレイでも楽しめたりはするのでしょうか。

バイロス氏:ソロではNPCの城はありませんが、「粛清」システムは楽しむことができます。「粛清」は、プレイしていると溜まっていく「粛清メーター」がいっぱいになると発生し、敵が自分の拠点に攻め込んでくるというものです。その防衛がソロではメインの楽しみのひとつになりますね。粛清でしか登場しないNPCなどもいます。


──プライベートなマルチプレイをしたい方もいるかと思います。このあたりの仕様について教えてください。

バイロス氏:PS4版でプライベートなマルチプレイをしたい場合は、プライベートサーバーをレンタルするか、誰かがワールドを建てる必要があります。前者の場合は通常通りプレイが可能ですが、後者の場合はホストのプレイヤーとあまり離れられず、最大プレイ人数も4人となります。『ARK』のように別のPS4本体をサーバーとして建てることはできません。

──ゲームの難易度は変更できるのでしょうか。

バイロス氏:ソロプレイや自分でサーバーを建てる際は変更できます。3つの難易度とカスタムがあり、いろいろなプレイヤーのレベルによってゲームが楽しめるようになりますね。本作では、必ず昼からスタートするようになっており、プレイヤーが初期エリアを抜けた先にある川に着いたときにサーバーの時間に追いつくようなシステムもあります。友人同士で同時に始めた際も、ちゃんと初期エリアの中で2人共リスポーンします。オンラインのサーバーでプレイする際は、そのサーバーが設定している難易度でプレイすることになります。

──難易度が変わると、どういった要素が調整されますか?

バイロス氏:ダメージ量・喉の渇き・空腹度などが変わります。例えばイージーの場合だと、敵から受けるダメージが75%軽減、自分が与えるダメージが1.5倍になります。シングルプレイヤーでやると画面に変化する要素が表示されますよ

──先程、友人同士ちゃんと初期エリアにリスポーンすると聞きましたが、PvPの際に、近くに全く知らない人がリスポーンする可能性もあるのでしょうか。

バイロス氏:その可能性はあります。ただ、素手での殴り合いではなかなか殺せないようになっているため、本当のPvPは武器を作ってから始まります。

――プレイしていても感じましたが、この手のジャンルにしては、(最序盤は)とても親切だなと思いました。他のタイトルは初期リスポーン地点でいきなり殺されることもあるので(笑)。

バイロス氏:そうですか?他媒体の方々はみなさん「難しい」と言っていました(笑)。オープンワールドサバイバルに慣れているかどうかで反応が正反対になるのはおもしろいですね。すごく簡単にしているわけではないのですが、難しすぎて初心者お断り、というようにはしたくなかったんです。


──日本国内専用のサーバーは用意されるのでしょうか?

バイロス氏:ありますよ。以前からそれは考えていました。

──キャラメイク時に人種を設定できますが、同じ人種だと襲われないといったことはありますか?

バイロス氏:人種はコナンシリーズを知っている人のためのオプションとして提示しており、NPCはいつでも怒っているので誰にでも攻撃してきますよ。また、ロールプレイングの要素としていくつかの罪がランダムで設定されます。

──我々メディアとしては「誤字脱字」という罪状にドキッとしてしまいました。

バイロス氏:読み書きのミスは磔に値するということですね(笑)。


──肝に銘じます。国内PS4版を出すにあたり、ローカライズにスパイク・チュンソフトを選ばれた理由はありますか?

バイロス氏:『ARK』もやられているため、オープンワールドサバイバルの日本におけるスペシャリストだと思います。私は日本のゲームは好きですがマーケットについてはよく分かっていないので、市場やユーザーについて深い理解がある点も選んだ理由です。

──PS4版とPC版で、表現以外の差はありますか?

バイロス氏:ゲームプレイに関しての違いはありません。ただ、PCからの移植に苦労をしたので、次回ゲームを作る際はコンソールからPCに向けて作りたいですね。

──PS4版発売後のDLCやアップデートの計画について、現在お伝えできるものがあれば教えてください。

バイロス氏:バグの修正はもちろん、ダンジョンの追加などは考えています。大きな要素としてはペットシステムを入れたいですね。これは奴隷と同じように虎などの動物も引き連れていき、一緒に戦うといったシステムを予定しています。マップはこれ以上広げてしまうとプレイヤーがバラバラになる恐れがあるため拡張は考えておらず、代わりにダンジョンを充実させたいと思っています。

──最後に、本作を楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。

バイロス氏:みなさんがサバイバルをするために苦痛を覚えていただき、成長して世界のヒーローになってくれたらうれしいです。Game*Sparkの読者さんには絶対楽しんでいただけるゲームだと思いますので、ぜひプレイしてくださいね。

──ありがとうございました。

《編集部@Game*Spark》

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら