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『アークザラッド R』開発者による特別座談会-開発の経緯から新作情報まで思う存分語り尽くす

フォワードワークスから発表されたシリーズ最新作となる光と音のRPG『アークザラッド R』。その開発者たちによる特別座談会です。

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『アークザラッド R』開発者による特別座談会-開発の経緯から新作情報まで思う存分語り尽くす
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2Dから3Dモデルになった世界観でも「アークザラッドっぽさ」を追求した


――新旧メンバーで議論した結果、表現方法として3D化に挑戦することになったとお聞きしました。

土田全てを3Dで表現しているわけではなく、2Dで見せた方が世界の奥行きが伝わるところは、原作同様2Dの持ち味を生かして背景を描いてもらっています。空港やラマダ寺門、闘技場ロビー、遺跡ダンジョン内部、バンザ山の存在など『I・II』からの印象を引き継ぐ部分。遺跡ダンジョン外観やラマダ寺内部など掘り下げる部分。ミルマーナのメガフロートやアルディア帝都、ニーデル外観など新たに加えるところ。

大きく3つに分けたアートを起こしながらストーリーの舞台としてどう使うかを考え、キャラクターによってストーリーが展開していく2D/3Dのマップに落としこんでいきました。

小山2Dのマップができるところまでは、原作メンバーで煮詰めました。『I・II』の雰囲気そのままですけど、相当情報量が増えていると思います。2Dマップは私が作成して、シナリオと見合わせながら、ゲーム上ではどういう表現をするかのところで、富士河さんに参加していただき、1つ1つのシーンを完成させていきました。

アートディレクションを担当する富士河賢弌籠(本名:藤川健)氏

富士河旧作のドット絵から3Dに落とし込んだ時に、動きや見た目をアークザラッドに近づけることが大変で。『I・II』のキャラクターをどう動かすか、どういうカメラアングルにするか、背景をどう見せるかなど悩みましたね。『I・II』は2Dだったので、それを3Dにした時にやはりパースもつきますから、往年のファンの方に「昔のアークザラッドだな。でも3Dになって細部まで描かれているな」と思ってもらえるように、どういう表現をしていくかで議論を重ねましたね。

『アークザラッド』お馴染みの空港

小山たとえば、おなじみの飛行艇に乗る空港のシーンですが、背景は私が2Dを描いているんですけど、富士河さんたちのほうで動的な部分の雲の動きやキャラクターを3Dにしています。2Dの背景の上で3Dのキャラクターがお芝居をしているわけですね。

土田2Dじゃないと出せない情報量があるんです。でもただの絵になっちゃうといけないので、「どうやってキャラクターを動かすんだ?」という話になった時に相当苦労してもらっています(笑)。カットシーン会議を何度もしました。

西川2Dであることによって、キャラクターに親近感が持てる気がするんですよね。昔のゲームが長くそうだったという歴史があるので。

富士河2Dだからできていたことを3Dに持って来てどう作るのか?しかも、イベントシーンや国のシーンなど数が相当あるので、「どう表現していくんだ?」というのは、意見が行ったり来たりを繰り返しました。今時のスマートフォンゲームはテキストだけですませてしまうことが多いのですが、『R』はコンシューマーゲーム並みにカットシーンが多く、「アークザラッドっぽいよね」と言ってもらえるシーンの再現に時間をかけています。


米坂『R』はバトルシーンだけでなく、ストーリーシーンが本当に見所です。スマートフォンゲームでこんなにムービーを入れているのはなかなかない。しかも、1つ1つの映像が長いと思います。相当短くしたと思うんですけど(笑)。

土田後から文章で説明すれば良いので、ここはカットしてもなんとなく分かるからと短くしてカットシーン組んでもらっても、まだ長いと言われる(笑)。

富士河だいたい僕が言います。2Dと3Dを融合したシーンもありますし、3Dだけのシーンもあるので、テキストが長いとその分、モーションや背景、エフェクトを作ったりする手間がかなりかかるので、「土田さん!ちょっと短くしてください」というやり取りを良く飲みながらやっていました(笑)。

3Dによって格段に表現力が上がったバトル


――3Dにしたことでバトルにはどのような変化があるのですか?

トッシュの必殺技「桜花雷爆斬」

富士河『R』は3Dなので『I・II』のゲーム画面をとある手法で再現しています。スマートフォンのスペックも上がってきましたので、3Dにすることでエフェクトやモーションなど、派手な演出も可能になりました。

土田ただ、3Dにしたことですごくリッチな表現になったのですが、普通に3Dでユニットをフィールドに置いて上から映すと、実は『II』みたいな画面にならないんですよ。そこは色々と工夫した部分です。

普通にマップの上にユニットを置いても後頭部しか見えないんですけど、『II』は上から見ても、ちゃんとユニットの表情や動きが見えるじゃないですか。どうしたかというと、当時のキャラクターデザインの国末竜一くんとはやしくんが、上から見た時にキャラクターは少し寝かせたような、それでいてマップ上に立っているようなドット絵を描いてくれていたんですよ。

富士河できたものを見ていただくと、「アークザラッドっぽさ」を体験していただける仕上がりになっています。『I・II』にもあったジャンプもちゃんと入れていて、色んな動きを細かく作っているんです。

土田『I・II』はドット絵でキャラクター特有の動きがあったので、なるべく3Dでも再現しようと見た目にすごく気を使った部分と、逆に3Dにしたことでバトルシーンは必殺技など表現の幅が広がりました。カメラが下りて行ったら、その場で殴り合っている迫力あるシーンを見られます。

3Dデザインチームのまとめを担当するツカモトシンタロウ氏

ツカモト『I・II』ではコミカルな動きをするモンスターがいっぱいいたので、なるべく3D で映えるようなアクションを再現できるように、エフェクト班も頑張ってくれたんで楽しみにしていてください。

キャラクターを組み合わせることで戦術が変わるバトルシステム


――『I・II』のフィールドバトルシステムからさらに進化したそうですね。

土田アークザラッドらしさの一つでもある、配置や仲間との相性を考えながら操作するシミュレーションバトルの楽しさをより味わえるようにしています。キャラクターにはロールというそれぞれの役割があって、キャラクター同士の能力がリンクして助け合って敵を倒す「フィールドリンクバトル」になっているんですよ。

ポジティブリンク

ユニットを動かしていると青い線が他のユニットと繋がる時があるんですね。これは、そのキャラクターから支援効果が受けられるという意味で、その状態で敵に攻撃することでポジティブなことが起こるので、ポジティブリンクといいます。タイプとしては、「自分のみに支援効果を持つもの」「仲間を支援するもの」「相手を妨害するもの」「仲間を回復するもの」の4つに大別されます。

ネガティブリンク

敵は敵で、攻撃力を下げる、反撃力を下げるといったネガティブリンクをしてくるので、味方からポジティブな効果を受けられる場所に移動して敵を攻撃する。敵がポジティブ効果を受けられないように邪魔をするといった、フィールドを動き回る意味を持たせられるようなゲームシステムになっています。

キャラクターの性格がロールに反映されていて、ゲームシステムが組み合った体験を味わえます。これを意識しながら、自分にあったデッキ編成を導き出していくのも『R』の楽しさです。

次のページ:なぜスマートフォンだったのか?
《乃木章@インサイド》

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