プレイヤーに長く楽しんでもらうために必要なもの─ゲーム運営におけるDGT流 長期的な視点 | GameBusiness.jp

プレイヤーに長く楽しんでもらうために必要なもの─ゲーム運営におけるDGT流 長期的な視点

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プレイヤーに長く楽しんでもらうために必要なもの─ゲーム運営におけるDGT流 長期的な視点
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DeNA Games Tokyo(以下DGT)の井口徹也です。今回もDGTがゲーム運営を行う上で大切にしている、4つのバリューについてお話させていただきます。今回は「長期的な視点」です。

◆ゲーム運営における長期的な視点とは?


ゲーム運営の現場で新たに何かを開発するとき、その可否をさまざまな観点でジャッジをしています。DGTでは、そのジャッジの観点の一つに「長期的な視点」を入れています

ゲーム運営のスタンスとしては、長期的な運営を意識し、周年や大きなイベントで短期的な盛り上がりを作っていくことはもちろん重要です。


例えば、「プレイヤーに今月だけ楽しんでもらおう」という施策は、長期的な視点が欠けているといえるでしょう(周年のイベントは別ですが)。ただ、単発で終わってしまう施策ではなく、次へ次へとつながる施策がゲーム運営には重要です。

今月も楽しんでもらえ、来月も再来月も、今の施策をベースにちょっと変えることで、違った楽しみ方を届ける方が、プレイヤーに長く楽しんでいただけるゲームを作ることができると考えています。

◆長期的な視点=長期的に連動してる面白さ


3ヶ月に1回でも大きいイベントがあると、プレイヤーから「次はどう楽しませてくれるんだろう」「そろそろ新しいアップデートがあるのかな」と、未来へ期待してもらえるはずです。

もし未来への期待がなければ、「ずっとこのままが続くのかな」と、プレイヤーの期待値が下がっていく。アップデートがあって、それを基軸とした新しい遊び方があれば、面白さの波が継続的に作っていけると思うんです。

定常的に満足してもらうのはもちろん、「再来月ぐらいが周年だから何かあるかな?」という期待をしてもらえる状態を作ると、それまでの期間を楽しんでもらえると思います。また、その内容についてプレイヤーがあれこれ予想したりしているのを見ると、期待を越えていけるようにがんばらねば、と感じます。

「長期的な視点」が欠けているゲームは、単発の施策が多くなってしまいがちで、長期的に連動している面白さがないゲームといえるかもしれません。

僕らもまだ完全にできているわけではありません。だからこそ、「長期的な視点」を持ったゲーム運営ができるよう、日々模索しています。

◆ゲーム運営とは切っても切れない開発工数


もちろん開発工数は無限ではありません。10という開発工数で施策を開発し、その施策を土台に来月分、再来月分の施策を作っていくとします。

最初の月は10の工数が必要ですが、来月分は3の工数で同じぐらいの楽しさが届けられるとしたら、残りの7で、別の開発ができるんです。


プレイヤーに楽しんでもらうために、すべての施策に対して全力投球できるのが理想ではありますが、単発の施策を繰り返したとき、1回外すと次の施策への改修量が大きくなってしまいます。

長期的な視点を持った楽しさを開発し、有限の工数の中で長く楽しめるゲームを作る、というのが僕らの考え方です。

日々、遊んでもらえる施策の方が、「長期的な視点」には合っていると思っています。もちろん、単発の施策で、1回の面白さや思い出を濃くするというやり方もありますし、あえてそちらを選択するという方針もあると思います。

ですが、多くの場合において僕らが考える「長期的な視点」を満たしたゲーム運営を大事にしています。

◆「長期的な視点」はプロデューサー目線?経営者目線?


僕らはプレイヤーに長く遊んでいただけることに価値を感じています。自分たちが作ったゲームが、プレイヤーの生活の一部になれているかもしれないし、居場所を提供できているかもしれないからです。

世の中にはいろんなゲームがあって、毎月新しいゲームも登場します。つまり、他のゲームを選べるという選択肢があるんです。そんな状況の中で、自分が携わっているゲームをずっと続けてくれるのはすごいことだなって思っています

プロデューサー時代の自分としても経営者の自分としても、どちらの自分にとっても大事な価値観です。

今の僕は、プロデューサー時代の経験から、経営の価値観が形成されていると思っています。プレイヤーとの交流会で、「ついついゲームをしちゃうんだよね」とか「あの改修は必要なかったんではないか」など、ポジティブな意見やネガティブな意見を直接いただくことによって、この人たちの期待に応えたいって思っていたからでしょうね。

売上だけの話でいえば、単発で飽きられてしまうような施策を入れて、プレイヤーが離れていってしまっても、新しいプレイヤーに遊んでもらって売上を構成しよう、という考え方もあるとは思います。

ですが、僕は今遊んでくれているプレイヤーの期待に応え、ゲームを楽しんでくれる人たちをもっと増やしたいと思うから、必然的に「長期的な視点」を大切にしたゲーム運営をしよう、という方針を打ち出しています

今は経営者という立場ですが、プロデューサーとしての自分と経営者としての自分を使い分けているわけではないんです。プロデューサーの判断軸を持った経営者という感覚が近いと思います。

◆プレイヤーに届くゲームとは?


単月で遊んでもらうためだけなら、報酬次第で遊んでくれると思います。ではなくて、「これ、やっぱり面白いな」「来月のイベントはどう攻略しようか」と思ってもらえることが大事なんです。

目先の報酬を良くした単純な施策ではなく、奥が深い施策が求められていると思っています。DGTが「遊び続けたくなる」ということを大事にしているのは、奥深いゲームを作らないとプレイヤーには届かない、という思いを込めています

◆プレイヤーに面白いゲームを届け続けるために


売上だけを狙う施策は、今後も実施しないと思います。プレイヤーに楽しんでもらって、それを前提に対価をいただく、というのは徹底しているところです。

単純に売上を上げるためだけの施策は確かにありますが、それをやってしまった後は、プレイヤーに楽しんでもらえず、多かれ少なかれプレイヤーの離脱を招いてしまいます。施策は「なぜプレイヤーに楽しみ続けてもらえるのか」、というころから考えています。ですので極力、運営の都合のための改修を行わないように気をつけています。

例えばですが、運営の都合でアイテムの消費を早めたいという施策です。アイテムが消費されれば売上が伸びますが、その結果、おそらくプレイヤーは疲れや負担がのしかかります。

その疲れや負担に見合った、面白さがあるのか。もし、見合ったものが得られなかった場合、ただただ疲れることをさせられるだけに終わってしまいます。それは楽しく遊んでもらってるのではなく、ただ作業しているにすぎませんから。プレイヤーがもう1回やりたいなと思うかというと、思わないですよね。

僕らは長期的な視点での運営を心がけている以上、これからもプレイヤーには面白いゲームを届け続けていきたいと考えています。

■プロフィール
井口 徹也
株式会社 DeNA Games Tokyo 代表取締役社長
2013年、DeNA入社。ブラウザゲームの運営プランナーを経て、2014年よりプロデューサーに就任。その後、アプリタイトルのプロデューサー、企画マネージャーなどを歴任。2017年、DeNA Games Tokyo(http://denagames-tokyo.jp/) の代表取締役社長に就任。
《井口徹也》

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