プレイヤーのためにならないことはしないーゲーム運営におけるDGT流 誠実な姿勢 | GameBusiness.jp

プレイヤーのためにならないことはしないーゲーム運営におけるDGT流 誠実な姿勢

DeNA Games Tokyo(以下DGT)の井口徹也です。

連載 その他
DeNA Games Tokyo(以下DGT)の井口徹也です。

2017年の夏から始めさせていただいた連載ですが、今回で最終回となります。今までお読みいただき、ありがとうございました。

最終回は、前回からの続きではありますが、DGTがゲーム運営を行う上で大切にしているバリューの最後、「誠実な姿勢」についてお話させていただきます。

■ゲーム運営における「誠実な姿勢」とは?



僕が考える「誠実な姿勢」とは、プレイヤーのために純粋に面白さを追求する、プレイヤーにどう楽しんでもらうかを考えるゲーム運営です。プレイヤーに面白い体験をしてもらうことがゲーム運営の目的ですので、ここはずらしたくないと考えています。

ゲーム運営は、公正を規すとはいえ、システムやロジックなど、プレイヤーにお見せすることのできない情報も扱っています。だからこそ、プレイヤーのデメリットにならないものを作らなければなりません。

アイテム購入に関しては、もっとも誠実さが求められるものの一つですし、デリケートな部分です。ですが、アイテムの排出ロジックはプレイヤーには見えません。だからこそ、排出率をきちんと記載することで、「自分たちは絶対にズルいことはしません」と意思表示をしています。もちろん表記するだけで終わりなのではなく、「表記通りに排出される」ということを担保しています。

他にも対戦ゲームなどのマッチングのロジックやアイテムのドロップ率など。その仕組みや確率を表示していませんが、プレイヤーの不利益にならず、どうやったら楽しく遊んでもらえるかを考え抜いています。

DGTではミスを防ぐために、人為的な手を加えないよう、できるだけ自動で設定できる仕組みを作っています。

■誠実な想いと考えを伝える


ゲーム運営における最終的な意思決定者は、経営者ではなくプロデューサーです。だからこそ、プロデューサーがプレイヤーに対して不誠実な態度や対応を取ることがないように、DGTのプロデューサーには僕がこれまで考えてきたプレイヤーへの想いや向き合い方を伝えています。

ですので、DGTが運営するゲームの意思決定は、僕の想いや考えと揃っていると思います。プロデューサーは、僕の想いや思考を持って他のメンバーと話をしているはずなので、ゲーム運営に関わるメンバーは、誠実でない対応を取らないと考えています。

■メンバーに自分の想いや考えが伝わっているか


プレイヤーだけでなく一緒に働くメンバーにも誠実であろうと思っています。

僕はメンバーと話すことを大切にしています。経営者だからそう思っているのではなく、プロデューサーやプランナーのころから変わりません。メンバーと話し、そのメンバーの表情を読み考えを理解して、これからも一緒にゲームを運営していきたいと思っているからです。

そして、メンバーに楽しく働いて欲しいという想いがあります。もし楽しく働けてないなら、僕の考えがどこかで途切れているはずだと思います。もちろん忙しいときや大変なときはありますが、その上でも楽しめていないのは僕の考えとは違うな、と。そういう人を限りなく少なくしていきたいという想いがあります。

想いや考え、意思決定は、人に伝わるにつれて、少しずつズレていく可能性があります。メンバーと話す中でその綻びが見えたら、「伝わっていない原因はどこにあるのだろうか」、と振り返るきっかけにもなります。業務において疑問に思うことがあったら、プロデューサーに確認することもできますしね。

例えば、夜、会社に残っているメンバーには声をかけるようにしてます。「これって定常的に起こっているの?」とか「忙しくて大変じゃない?」って感じで。大抵みんな「大丈夫です」って言いますけど(笑)その中でも気になることがあったら、プロデューサーやマネージャーに「こんな問題があるようだけど認識してます?」ぐらいの確認はしますね。

■プレイヤーのためにならないことはしない


DGTのバリューの「誠実な姿勢」に付随して「ユーザーに真摯に向きあい、規範となる運営を行います。」という一文があります。

「規範となる運営」を言語化するのは難しいですが、ゲーム業界の中でも「やっぱりDGTのゲーム運営はクリーンだよね」と言っていただけるようになりたいですし、そうあるべきだと思っています。言い換えると「プレイヤーのためにならないことはしない」ということですね。ここは譲れません。

例えば、他の会社からDGTに転職してきてくれたメンバーが「DGTはプレイヤーに対して真摯な運営をしている」と思ってもらえるかどうかは、指標の一つかなと考えています。もし他社の運営のほうがクリーンだと言われれば、そこは素直に見習わなければならないですね。

■宣言をすることで責任が生まれ、行動が伴う



ゲーム運営においてDGTが大切だと考える4つのバリュー(DGT Professional Values:ユーザーファースト、品質へのこだわり、長期的な視点、誠実な姿勢)は、どれが一番大切、といった順位付けはできません。「四位一体」というのでしょうか。1つでも欠けてはならないですし、1つでも優先順位をあげる、ということもできないものです。

この4つのバリューはDGTだけでなく、ゲーム運営をしている方にとって当たり前のことでしょう。ですが、当たり前のことだからこそ言語化して、「自分たちはこれを守ります」と宣言するのは、価値があることだと思っています。宣言するからには責任が生まれ、それに対しての行動が伴っていないといけないからですね。

■最後に


編集長の山崎さまや編集部のみなさん、僕らがゲーム運営をしていく中で大切にしていることを話す機会をいただき、ありがとうございました。自分たちのゲーム運営がどうあるべきか、改めて言語化する機会になりましたし、それを掲載し世の中に発信していただくことで、自分自身に責任を感じることができました。その場を提供していただけたのはとても価値のあることです。本当にありがとうございました。

読者のみなさん、今まで連載をお読みいただきありがとうございました。DGTがどんな想いでゲームを運営しているのかがわかっていただけたら嬉しいです。「ここはもっと大事にしないの?」や「現場ではどうやってるの?」といった疑問もあるかと思いますが、この連載ではお答えできなかったことが悔やまれます。

実際の取り組みや現場での方法論など、お伝えできなかったことはたくさんあります。もし気になることがありましたら、DGTのブログ(http://denagames-tokyo.jp/dgtmagazine/)からお気軽に質問していただけると嬉しいです!

■プロフィール
井口 徹也
株式会社 DeNA Games Tokyo 代表取締役社長
2013年、DeNA入社。ブラウザゲームの運営プランナーを経て、2014年よりプロデューサーに就任。その後、アプリタイトルのプロデューサー、企画マネージャーなどを歴任。2017年、DeNA Games Tokyo(http://denagames-tokyo.jp/) の代表取締役社長に就任。
《井口徹也》

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