全てはプレイヤーに長くゲームを遊んでもらうため─DGT流UXビジョンの作り方 | GameBusiness.jp

全てはプレイヤーに長くゲームを遊んでもらうため─DGT流UXビジョンの作り方

DeNA Games Tokyo(以下DGT)の川口俊です。前回の記事で、DGTのプランナーが体現するユーザーファーストの中で、「プレイヤーのUXビジョン」を定める取り組みについてお話させていただきました。

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DeNA Games Tokyo(以下DGT)の川口俊です。前回の記事で、DGTのプランナーが体現するユーザーファーストの中で、「プレイヤーのUXビジョン」を定める取り組みについてお話させていただきました。

今回は、UXビジョンの作り方を、DGTの例も交えて紹介させていただきます。
(UXビジョンについては前回の記事に記載しております。もしよろしければお読みください。https://www.gamebusiness.jp/article/2018/01/22/14005.html

◆UXビジョンを作成するまで


UXビジョンとは、プレイヤーにゲームを通して体験してもらいたい理想状態です。


このUXビジョンは、チームで同じ方向に向かってゲームを作る際の指針となるので、最終的にはチーム内の共通認識となることが必要です。

UXビジョンを作り、共通認識とするまでには、
1.面白さの理想状態とは何かを考える
2.考えた面白さの理想状態を構造化する
3.理想状態をチームに浸透させる

ことが必要になります。

また、作成したUXビジョンが、プレイヤーの方たちが求めているものと一致しているか、常に意識する必要があります。

◆1.面白さの理想状態とは何かを考える


ゲームやコンテンツの理想状態を考えるときは、「何が面白いか」を考えることから始まります。当たり前かもしれませんが、まずはそのゲームをプレイし、面白さを確認することが大切です。実際にプレイした体験から得られるものは非常に大きいでしょう。

次は、プレイした中で、自分が感じた「面白さ」を言語化し続けることが重要になります。また、一人で考えてしまうと自分のプレイの体験だけに偏ってしまうので、できるだけ多くのメンバーを巻き込んで、面白い感情を集めることが良いと思います。

ちなみに、ゲームによってはすでに「ターゲットはこういった属性のプレイヤー」と定義されていると思います。もしそうだとしたら、その定義に沿ったプレイヤーになりきって、どのような遊び方をするのかシミュレートしているでしょう。

この段階で重要なことは、プレイヤーと「面白さ」の感覚にズレがないかということです。DGTでは、プレイヤーから寄せられる意見や定期的に行っているプレイヤーとの交流会などを活用し、UXビジョンや面白さが、プレイヤーとズレがないかという確認も行っています。

◆2.考えた面白さの理想状態を構造化する


次に、集めた「面白さ」を構造化していきます。ここでは、この面白さを成立させているのは、この面白さがあるからといった観点で、つながりを作っていきます。

以下の図は、あるギルドバトルの面白さを構造化した例です。さまざまな面白さを集めた結果、UXビジョンを「一人では体験できない撃破体験」と定義しました。その撃破体験を構成する要素を、ギルド間/ギルド内/個人という3切り口とし、それぞれのUXも定義しています。
※複数のギルドが集まり50人で構成されるギルドを作るため、50人のギルド内にも複数のギルドが存在しています。そのため、ギルドのUXも定義してます。


実際、新しい企画にUXビジョンを落とし込むときは、UXの3つの切り口をさらに深掘る必要があります。この深堀りを構造化し、プレイヤーの理想の『感情/体験』がゲームの『仕様』とリンクするまで落とし込みます。

一例として、以下がギルド内のUXをさらに分解した内容です。


このように面白さを構造化していくことで、UXビジョンとUXビジョンを成り立たせている要素を見える化していきます。

◆3.理想状態をチームに浸透させる


UXビジョンは作って終わりではありません。DGTはプランナーだけで企画を作っていく組織ではなく、チーム全員でプレイヤーに面白さを届ける組織にしたいと考えています。そのためにも、プランナーや一部のメンバーだけが理解しているだけではなく、チーム全体にUXビジョンを浸透させることが非常に重要です。

UXビジョンをチームに浸透させるために、さまざまなアプローチがあると思いますが、大切なのは、言語化したUXビジョンの解釈が明確で具体的であることです。
これはキャッチーな言葉よりも、理解しやすい言葉をビジョンとすることを意識しています。そういう意味で、DGTでは『UXビジョン』と『コンセプト』や『キャッチコピー』は全く別物として扱っています。

チームによって異なる部分もありますが、UXビジョンを浸透させるために行っていることを紹介します。例えば、定例ミーティングでチームのUXビジョンを説明したり、UXビジョンを体現している施策を取り上げ、こういう方向性の企画がUXビジョンの達成につながっているなど、具体例をチームメンバーに伝え、共通の認識として持ってもらえるようにしています。

◆UXビジョンがあることのメリット


UXビジョンを作り、それがチームに浸透することで、多くのメリットが生まれます。例えば、ミーティングで企画の良し悪しを決める際、UXビジョンにあっている/あっていない、という判断軸にすることができます。
そのため、ただ面白い企画を入れていくだけではなく、UXビジョンの達成に向けた、一貫性のある企画の積み上げを実現することができます。

プレイヤーに向けてではないですが、UXビジョンの作成は、プランナーのスキル向上にもつながります。『面白さの深掘りと言語化』は、ゲーム運営の中でも非常に難しいことの一つでしょう。UXビジョンは何度も作ることで身につくと思っています。そのスキルは、さまざまなゲーム運営の場で活かせるでしょう。

◆全てはプレイヤーに長くゲームを遊んでもらうために


なぜUXビジョンを作成し、その実現に向けて面白さを届けているか。全てはプレイヤーに、長くゲームを遊んでいただきたいという想いからです。

これからもDGTは、UXビジョンを柱にゲームを運営していきます。プレイヤーに体験してもらいたい面白さを届けるため、日々、真摯にゲームを作ってまいります!



■川口 俊
株式会社 DeNA Games Tokyo 企画部 部長
大学を卒業後、輸送用機器メーカーの事業企画に従事。2013年、DeNAに入社。ブラウザゲームの運営プランナーやディレクターを経験する。2016年よりDeNA Games Tokyo(http://denagames-tokyo.jp/)のプランナーマネージャーを担当。2017年、企画部 部長に就任。
《川口俊》

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