ユーザーのアイドル像を壊さないために―『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』のLive2Dチームへインタビュー | GameBusiness.jp

ユーザーのアイドル像を壊さないために―『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』のLive2Dチームへインタビュー

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12月4日に秋葉原UDXにて開催された、Live2Dのカンファレンス「alive 2017」。ここでは、KLabのセッション「~アイドルの個性を引き出すLive2Dの表現方法~」に登壇された原脩司朗氏、青柳里奈氏へのインタビューをお届けします。

アニメやゲームなど、幅広いジャンルで根強い人気を誇る「うたの☆プリンスさまっ♪」。その楽曲をリズムアクションゲームとして遊べるのが、2017年8月にリリースされたスマートフォン向けリズムアクションゲーム『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』です。アプリ内ではアイドルたちの仕事の様子を描いたストーリー、タップでのコミュニケーションなどを楽しむことができます。

今回は、そんな『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』で生き生きとアイドルを動かすLive2Dの制作へ携わるお二人にお話を伺いました。

――改めてとなりますが、『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』でのご担当についてお聞かせください。

原:Live2DチームのリーダーとしてLive2Dの品質管理・モデル仕様の検証、外部パートナー様制作モデルへのフィードバックや、モデルのブラッシュアップ、モーション制作などLive2D制作全般を担当しております。

青柳:基本的には原と同じ業務になりますが、直近に行ったモーション制作と表情制作を担当しています。モデル制作は外部パートナー様とのやり取りや、フィードバックもさせていただいております。


――女性をターゲットとしたアプリではすでに欠かせないものとなっていますが、Live2Dを取り入れようとしたきっかけはどこにあるのでしょうか?

青柳:弊社の企画担当から話があったとき、アプリの中でアニメと同じ動きをさせたいという要望がありました。プレイヤーさんから見て、動いているアイドルを見るのは、これまでずっとアニメの中だけだったと思いますので、それに出来るだけ近い状態で表現するためにLive2Dを採用することになりました。プレイヤーさんの中にあるアイドル像を出来るだけ壊さないようにという部分を重点的にしたとき、Live2Dが一番向いていたんですね。

――『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』のイメージをとても大切にされてるんですね。アイドルの動きにもかなり個性がありますが、見どころは?

原:それぞれのアイドルに特徴的なモーションがいくつかあるので、そこはぜひ見ていただきたいですね。

青柳:セミナーでもご紹介させていただきましたが、投げキッスは「寿 嶺二」しか出来ない動きです。

原:四ノ宮那月であれば手を合わせる動きがありますが、キャラクター性を表した大きな動きが特徴といえるかもしれません。

青柳:表情もたくさん用意しているので、1つのモーションの間に何度も表情が変わっている部分もあります。繊細な動きで切り替わっているので、そうした部分を見てもらうとよりアイドルが目の前にいるような気持ちになるのではないでしょうか。


――アプリ内ではアップにもなるので、表情豊かなアイドルをより間近で堪能できますね。

青柳:縦画面モードにしてもらうと、より没入感が高まると思います。「東京ゲームショウ2017」でも大きなパネルでファンの皆さんにアプリを体感していただきましたが、とても喜んでいただけました。アイドルと自分が一対一の空間を感じられるのが1番の見どころでしょうか。

――Live2Dモデルの制作にあたり、苦労した部分はどこでしょうか?

原:自然な腕の動きにこだわったことで、モデリングが複雑になりました。さらに、腕の動きを手付けのモーションで付けているので自由度は高くなっているんですけど、緩急の調整とか、より自然な動きにするためのキーフレームの調整にかなり時間がかかりましたね。何度もトライ&エラーを繰り返し、より良いものにするためにかなり時間を費やして調整しました。

――セミナーでもスケジュールについてご紹介されていましたが、調整にはかなり時間を割いていた印象ですね。

原:そうですね、調整にはかなり時間はかけています。あとは仕様決めも時間がかかっていて、より自然で『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』に合った仕様を追求するために期間もかなり多めに取りました。そうした中でたどり着いたのが、セッション内でご紹介した仕様です。

――こだわられた分コストの肥大についても言及されていましたが、その中でもどうにかコストを抑えたという部分はどこでしょうか?

原:腕の構造が複雑になったというお話をしましたが、素体のモデルを作ってから、工程として一旦モデルの効率化を取り入れました。やはり、さまざまな衣装を製作していくので、衣装が作りやすいよう、より効率化できるようにモデルの仕様を見直したんです。「もっと効率的にモデリングできるんじゃないか?」と思える部分を少しずつ調整して詰めていって効率化されたモデルを作り、それをブラッシュアップして衣装の量産を行っていきました。


青柳:例えば服の見た目がスーツ系の衣装であれば、テクスチャの描き方をなるべく同じようにしています。モデルにしたときに同じ動きをさせればテクスチャの入れ替えだけで動いてくれるので、同じように描くことでモデリングの工数を抑えました。

原:衣装を量産するにあたり、こだわった仕様だとかなり難しいところだったんですが、外部パートナー様と協力して製作工程のマニュアル化を行ったり、モデルの品質を一定に保つためのチェックリストを作ったりして、より安定した品質を保てるようにしています。

――さまざまな衣装が登場していますが、Live2Dにする上でデザインを変更するといったようなケースはあったのでしょうか?

原:最初はデザインに制限を持たせずに作っていたんですけど、今の仕様だと不自然になってしまう見た目があって、より自然に見えるように一定の制限をかけてデザインを表現するといったことはありました。

――かなりの量のボイスを収録されているそうですが、ボイスに合わせてモーションを変えるといったこともあったのでしょうか?

青柳:例えば「うなだれる」といったような動きを、ボイスに合わせて「もっとテンションを落としたような動きにしてほしい」など、感情に合わせた体の動きにするという調整はありました。

――とくに好評頂いていると感じる部分はどこですか?

青柳:当たり判定を多めに設定していて、顔をタップした時とお腹をタップした時では反応が変わるので、そういった部分が新鮮に映るのかよくSNSなどでスクリーンショットを上げてくださっていますね。そうした部分は評価をいただいたというか、設定して良かったのかなと思います。

判定はかなり細かく設定していて、同じ場所をタップしてもオーバーラップしている部分があれば他の反応が出てくるかもしれないので、どんどんアイドルに触れていただきたいです。

原:画面でほとんど見えませんが、足にも実は当たり判定を設定しています。あとは、アイドルがプレイヤーさんに向かって近づいてくる動きも驚かれたようで「近づいてきた!」という感じで評判が良かったですね。これも導入して良かったと思います。

――最後に、メッセージをお願いします。

青柳:プレイヤーさんごとに色々な楽しみ方をしていただいていると思うので、私たちもそれに応えていけるような、Live2Dで色々なアイドルの衣装や新しい一面を見せていけたらと思いますので、引き続き遊んでいただければと思います。

新たに追加されたカメラ機能もありますので、色々な場所で一緒に写真を撮って思い出を作ってもらえたらと思っています。一定の期間ごとにプッシュ通知がきて、その通知からアプリにログインすると記念日のボイスが流れますし、そうした記念日を大事にするという意味でも毎日ログインして頂けたら嬉しいです。

原:リリース前の制作段階からかなりこだわっているので、毎日触っていただいて、色々なモーションも楽しんでいただいて、身近なアプリとして遊んでいただければと思います。

――ありがとうございました。
《近藤智子@インサイド》

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