エンジニアの使命は「技術的な実現可能性」を探し続けることーゲーム運営におけるDGT流ユーザーファースト | GameBusiness.jp

エンジニアの使命は「技術的な実現可能性」を探し続けることーゲーム運営におけるDGT流ユーザーファースト

株式会社 DeNA Games Tokyo(以下DGT)の技術部 部長の平岡洋祐です。

ゲーム開発 ゲームエンジン
エンジニアの使命は「技術的な実現可能性」を探し続けることーゲーム運営におけるDGT流ユーザーファースト
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株式会社 DeNA Games Tokyo(以下DGT)の技術部 部長の平岡洋祐です。

今回は「エンジニアにとってのユーザーファーストとは?」と題して、DGTのエンジニアが日々、ゲームというコンテンツとその先にいてくれるプレイヤー、そしてプランナーやデザイナーと、どのように向き合っているのかをご紹介できればと思います。

◆ユーザーファーストとは?


ゲームを作るという前提で言えば、「ゲームをプレイしてくれる人を第一に考える」ということです。広義に言えば、ゲームをプレイしてくれる人だけでなく、「ゲームに関わるステークホルダー全てのことを考える」、ということだと思います。

◆エンジニアにしかできないユーザーファースト


ゲームはプログラムで動いています。そして、その挙動の全てを理解できるのはエンジニアだけです。

当然のことですが、プランナーはシステムの全てを理解できているわけではありません。ですので、プランナーが立てた企画の中には、ゲームとして面白いものの、実現する難易度が極めて高いものもあります。

例えば、「プレイヤー30万人がリアルタイムで同じボスを倒す」という企画があるとします。 エンジニア視点で見ると、これはシステム的な難易度が非常に高く、おそらくシステムがパンクするでしょう。

そこでエンジニアは、プランナーが企画に込めた想いや考えを1つずつ抽出し、検討します。なぜリアルタイムに30万人でボスを倒したいのか。30万人でなかったとしたら、どのぐらい人数が集まれば、この企画の狙いが体感できるのか。本当にリアルタイムである必要はあるのか。もしくは、その面白さを保つ代替案をどれだけ用意できるか。代替案ではなく、技術的ハードルを越える方法を考えられるのか。

以上のことを検討した上で、「面白い」と「期限内に実現する」のバランスを取り、具体案まで落とした上で、作りきることができるかをジャッジしていきます。


企画の実現に向けた技術的なジャッジができるのは、エンジニアだけです。「その仕様は無理です」というのは簡単ですが、ゲーム運営のゴールは面白いゲームをプレイヤーに届け続けることです。だからこそエンジニアは、プレイヤーに面白いゲームを楽しんでいただくため、「技術的な実現可能性」を探り続けるのです。

これがエンジニアにしかできないユーザーファーストだと思います。

◆エンジニアにおける間接的なユーザーファースト


上述させていただいたのはゲームとプレイヤーに影響する部分(直接的なユーザーファースト)ですが、よりよいゲーム運営を実現するために、プレイヤー以外にも果たせるユーザーファースト(間接的なユーザーファースト)があると考えています。

間接的なユーザーファーストの一例として、DGTでは日々の業務の中で、エンジニアの力で自動化したり仕組みを作れるのであれば、積極的に作ることを推奨しています。

例えば、プランナーがゲーム内のパラメーターをExcelに手動で入力していたとして、その入力に1ヶ月で10時間かけていたとします。この入力を自動化できる仕組みを作ることによって、プランナーは面白いことを考えるための時間を作れるでしょう。

デザイナーであれば、同じ画像でサイズ違いのものをいくつも作っていたとしたら、自動でリサイズするツールを作ります。この結果、デザイナーがよりよいクリエイティブを作るための時間を捻出できるでしょう。

これは、効率化というシンプルな言葉で片付けられそうですが、効率化以上の狙いや想いがあります。それは、全てのゴールは、よりクオリティが高く、面白いゲームを提供し続けるコトにつなげていると考えているからです。

◆全てはプレイヤーが面白いと思ってくれるか


最後に、なぜDGTのエンジニアがユーザーファーストを意識して行動するのか、という点について説明させていただきます。

ゲーム運営という仕事は、プレイヤーが遊んでくれる限りずっと続いていきます。1度面白いものを作りきれば、それで終わりという仕事ではありません。継続して「面白いゲーム」を提供し続けるためには、継続してユーザーファーストの視点に立ち続ける必要があります。それが達成されないと継続的なゲーム運営ができなくなるからです。

DGTでは直接的・間接的な部分も含め、全てはプレイヤーが面白いと思ってくれるか、を重視しています。そして、これからもさらに高い水準でそれを達成し続けることを目指していきます。

以上、今回はエンジニアのユーザーファーストについてご紹介させていただきました。長文となり大変恐縮でございますが、エンジニアのみなさまの少しでもお役に立てるならば幸いです。

■平岡 洋祐 プロフィール
株式会社 DeNA Games Tokyo 技術部 部長
2011年、DeNA入社。アプリゲーム、ブラウザゲームのエンジニアを経て、2014年よりリードエンジニアとして新規タイトルの開発に携わる。その後、複数のブラウザゲーム開発に携わりながらグループリーダーを担当。2017年、DeNA Games Tokyo(http://denagames-tokyo.jp/)の技術部 部長に就任。
《平岡洋祐》

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