【GC 2016】スター・ウォーズの世界をVRで!『Star Wars Battlefront Rogue One: X-wing VR Mission』体験レポート&開発者インタビュー | GameBusiness.jp

【GC 2016】スター・ウォーズの世界をVRで!『Star Wars Battlefront Rogue One: X-wing VR Mission』体験レポート&開発者インタビュー

Game*Sparkではgamescom期間中に開催された『Star Wars Battlefront』(以下、SWBF)用PS4独占DLCコンテンツ『Star Wars Battlefront Rogue One: X-wing VR Mission』の体験イベント

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【GC 2016】スター・ウォーズの世界をVRで!『Star Wars Battlefront Rogue One: X-wing VR Mission』体験レポート&開発者インタビュー
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ドイツはケルンにて開催された欧州最大のゲームイベントgamescom 2016。Game*Sparkでは同イベント期間中に開催された『Star Wars Battlefront』(以下、SWBF)用PS4向けDLC『Star Wars Battlefront Rogue One: X-wing VR Mission』の体験イベントに参加する機会がありましたので、その模様と開発者インタビューをお送りします。


PS VRを装着するとそこは果てのない白い空間。遥か先を見てもグレーに煙るグラデーションの地平線が横たわるばかり。どうしたものか、ときょろきょろ見渡していると、金色に輝く『Star Wars Battlefront』のロゴが浮かび上がりました。

その圧倒的な存在感、スター・ウォーズのロゴの強さもさることながら、物体として確かな厚みと重さを感じさせる金属製の文字が宙に浮いていました。暫し呆然として見つめていると見覚えのある大きな円筒形の物体が、つい鼻の先にどしんと振ってきます。何事か!?と思って見上げると、そこにはスノーウォーカー(AT-AT)が登場。円筒刑で四方に爪がある見覚えのある物体はその足だったのです。まるで筆者を踏み潰さんがごとく目の前を悠然と横切って行く、機械仕掛けの白いマンモス。今、確かに自分はこの空間にあって、そしてすぐ目の前を実物大と思しきスノーウォーカーが歩いている。演出の妙、見せ方の巧みさに、今思うとこのタイトル画面の段階ですっかりやられてしまった気がします。

画面は切り替わり、同じ白い空間ではあるものの、今度はドックと思しき場所へ。目の前数メートル先には、なんとあの名機X-Wingが。複雑に絡み合うパイプは給油口やその他のベイに取り付けられ、そのパイプの間を這うようにR2-D2と同型のドロイドが、メンテのためか忙しく走り回っています。

次に画面が切り替わると、今度は同機のコックピット内へ。自分の胸元を見るといつの間にかオレンジ色のパイロットスーツに着替えていました。完璧に再現されたX-Wingのコックピットを見まわします。緻密に描画されたコックピットにジャギー等は認識出来ません。それどころかウェザリングがかかった金属製のパネルや点灯するボタン類は、圧倒的な存在感をもってそこにあるのです。コックピットから外を見まわすと正面にはX-Wingの長い鼻、両脇には映画の音そのままに開閉する両翼があり、視覚からも聴覚からも今いるコックピットの中こそが現実であるのだと強制的に認識させられてしまいます。一つ違うのは視界の中の両腕はX-Wingの操縦桿を握っているのに対し、感覚の中の両腕はそれより少し下がってDUALSHOCK4をホールドしているところでしょうか。しかし視覚聴覚情報の脳に対する影響力は触覚のそれよりも遥かに高く、意識は確かにスター・ウォーズの世界にありました。


そしていよいよゲームが開始。するとそれまでの白い世界とはうって変わって漆黒の宇宙へ。遥か先にどこかの銀河系を見下ろし、思わず窓から足元を見下ろすと底なしの宇宙空間が。筆者は高所恐怖症ではないのですが、足元に広がる底が見えない空間には本気で震えあがりました。あそこへ落ちたらどうなるのだろう、と心細くなりながらも、暫く一人で宇宙に漂っていると左耳に通信が。どうやら「合流する」といったことを言っています。そして一気に味方艦隊がジャンプして自機を取り囲んでくれるじゃないですか。さっきまで暗い空間をたった一人で飛んでいたせいか何とも心強い。ただ相変わらず漆黒の底は見ないように気を付けてますが。

簡単なチュートリアルの後、いよいよ帝国軍TIEファイターの一団とドッグファイト開始です。ゲームとしては、『SWBF』本編でもお馴染みのオーソドックスなドッグファイトものということもあり、特に悩むこともなく操作は出来ました。しかしながら、宙返りや急降下などをする度に奥歯を噛みしめ現実の中の足元を踏み絞めていたのは内緒です。「こりゃ戦闘機乗りなんてとてもなれないな」と打ちのめされた体験でした。ゲームプレイはおおよそ15分程で終了。PS VRを外すと汗びっしょりとなった現実の自分がそこにいました。

筆者もPC用、PS VR用合わせてこれまで10本程度のVRゲームは試してきましたが、本作は見せ方と演出の上手さで一枚も二枚も上手を言っていると感じられました。本DLCはPS4版の『SWBF』をお持ちの方へPSN上で無料配布とのこと。PS VRを購入予定の方で『SWBF』をお持ちなら、いや、お持ちでないとしても必携且つマスト体験な1本とお勧めします。

以下、本作でアートディレクターを務めたKieran Crimmins氏(以下、Crimmins氏)へのインタビューをお送りいたします。


◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

――先ずはキャリアについてお話頂けますか?

Crimmins氏:私の名前はKieran Crimminsです。Criterion Gamesでアートディレクターを務めています。『Need For Speed』シリーズをはじめCriterion Gamesの殆どの作品に携わっています。『SWBF』ではスピーダーバイクのレースパートと本作の製作に参加しました。

――あまりの精密な描写と現実感にちょっとやられてしまいました。

Crimmins氏:通常、VRゲームですとハイフレームレートでレンダリングしないといけないので精密な描写は厳しいんです。そこで我々は新たなレンダラーの開発から始めました。高い技術を持つグラフィック専門のエンジニアでチームを組み、Frostbiteエンジン用のVRレンダラーを開発し搭載しました。手前みそですが、現状他のどのVRゲームよりもベストな見た目のものだという自負があります。このレベルで遊べるVRゲームは現段階で他には無いでしょう。

――解像度とフレームレートについて教えていただけますか?

Crimmins氏:PS4からの出力はPS VRネイティブの解像度(1920×1080)で、ソリッドな90fpsで動作しています。VR酔いを極力排除すべく安定したハイフレームレートで動くようになっています。


――確かに数多くの僚機、敵機、母艦が入り乱れての乱戦でしたが、処理落ち等は全く見られませんでしたね。

Crimmins氏:それはやはりVR用に特別に開発されたレンダラーのおかげでしょうね。フレームもソリッドで、やはりVRゲームということでそこは落とせないところですし、その上で多くの動的オブジェクトを同時に処理出来ています。我々としてもこのVR体験が多くのプレイヤーに初めてのものであるよう望んでいます。素晴らしいVR体験を約束しますよ。

――これは無料のDLCと言うことですが、どの程度のボリューム、体験が出来るのか教えて頂けますか?

Crimmins氏:シンプルなシングルプレイヤー専用のミッションです。時間にして15~20分程でしょうか。ストーリーがあり、それに沿って進む形になります。Criterion GamesではDICEからの依頼でスピーダーバイクのミッションも作成しましたが、これが第2弾のコンテンツとなります。そしてPS4版の『SWBF』をお持ちの方なら誰でも無料でダウンロード出来て、楽しめるものです。このDLCはこれのみで完結しています。

――このエンジンで1DLCのみとは非常に勿体無い気がしますが、続編や或いは新作製作の予定は?

Crimmins氏:ご存知の通りスター・ウォーズ新作映画のタイトルを冠したものに名前が変更されましたし、もしかしたら何か起こり得るかもしれませんね。ただ私からお教え出来ることは何もありません。

――オンライン上でCo-opや対戦プレイを出来るようにはなってないのですね?このレベルで友達と入り乱れてドッグファイトとなると凄いものになる予感がありますが。

Crimmins氏:このDLCでのミッションはシングルプレイ専用になります。その中でVRにチューニングされた演出を楽しんで貰う作りになっていますね。リプレイアビリティは高める予定ですが、基本的にはその他のシングルプレイミッションと同じと思ってください。今のところオンライン要素は製作していません。

――演出と言うとタイトル画面のスノーウォーカー(AT-AT)には度肝を抜かれました。でも意外と小さく感じましたけど。

Crimmins氏:それを聞いてとても嬉しいですね。僕らが狙っていた通りの反応です(笑)。小さく思えました?あれは映画の中の実寸サイズなんですよ。確かに映画で見ると山みたいに大きく感じちゃいますけど、実寸として現実世界に再現させるとあれくらいのサイズなんです。大きく驚異的に感じるのは映画での見せ方の上手さってやつでしょうね。

――スター・ウォーズ初のVRゲームですが、最も気を付けた点というとどういったところですか?

Crimmins氏:それについては幾つかありますね。先ずX-Wingに乗り込んだ時の眺めや感覚、パイロットになるということを完全に体験して欲しかったんです。ですから最初乗り込んだらパネルのボタン類を操作出来たでしょう?各種効果音も映画オリジナルの物を使用してますから、あれはほぼ本物のX-Wingなんですよ。「これで飛ぶんだ!これで飛ぶんだ!」って盛り上がって欲しいので、あえてあの場面を製作しました。それとやはり描画の緻密さですね。視覚の情報のインパクトは何にも勝りますから、そこに一切粗が無い物であることに最大限の注意を払っています。VR要素を除外したとしても、スター・ウォーズゲームとして最も本格的なものになりえたと思っています。


――しかし何故これほどのものが無料配布なんでしょうか?PS4以外でのリリースの予定は?

Crimmins氏:それは我々が太っ腹だからです(笑)。正直なところを言うと、出来るだけ多くの人にVRを体験して欲しいというところですね。VRと言うのは全く新しい変革です。SDテレビがHDテレビになったというような平面な変化ではなく、そこに空間が入り込むと言う異なるディメンションへの変化です。それを世の中に広めたいという思いも強くありました。そしてソニーとのパートナーシップがそれを実現させてくれたと言う訳です。このDLCはPS4だけの完全独占コンテンツとなります。

――本作を楽しみに待っているプレイヤーやスター・ウォーズファンに一言頂けますか?

Crimmins氏:スター・ウォーズファンもそうでない人も、是非この世界へ飛び込んでほしいと思ってます。スター・ウォーズを知らない人なんて、最近じゃそうそう居ないとは思いますが、興味が無い方にも一度体験して欲しいですね。自分の携わってきた作品の中でも、これは強く自信を持ってお勧めしたいものです。皆さん是非PS VRを買って、これを遊んで、どう感じたかを教えて下さい!

――本日はどうもありがとうございました。

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『Star Wars Battlefront Rogue One: X-wing VR Mission』はPS4版『Star Wars Battlefront』を所有しているユーザーに対して無料配布されるDLC、リリースはこのホリデーシーズン予定となっています。
《パムジー》

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