ゲームセンターあらしは「VR」の夢を見るのか?!・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第54回 | GameBusiness.jp

ゲームセンターあらしは「VR」の夢を見るのか?!・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第54回

「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」

ゲーム開発 VR
ゲームセンターあらしは「VR」の夢を見るのか?!・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第54回
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「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」

これはフランスの作家、ジュール・ヴェルヌの言葉です。この言葉の通りヴェルヌは作家として「月世界旅行」、「地底探検」、「海底二万マイル」、「八十日間世界一周」という空想科学小説を数多く遺しました。

21世紀の現在でも、この言葉はとても新鮮に映ります。

それはおそらく、来たるべき輝かしい未来を人間が自らの手で創り上げることができるという希望を感じさせる言葉だからではないでしょうか。私は、ヴェルヌのこの言葉に準(なぞら)えて「人間が想像できることは、人間が必ず創造できる」と言い換えたいと思います。あえて「創造」という言葉を使うのは、まだ可能性の部分はあるが、その可能性こそが人間が持つ発明、発見のポテンシャルだと感じるからです。

さて、ゲームは人間が想像し創造した娯楽文化のひとつです。この娯楽文化は、ルーツはスポーツに始まり、カード、ダイス(サイコロ)、チェス・将棋などのボード系、コンピューターゲームなどに大きく進化し枝わかれしてきました。

個人的な研究による、日本のコンピューターゲームの歴史的なルーツは『スペース・インベーダー』に集約される業務用ゲームコンテンツに始まる「第1次ゲーム世代」、その技術が家庭に導入されたファミリーコンピュータによる「第2次ゲーム世代」、その後の技術進化による3次元コンピュータグラフィックスが使われたプレイステーションやセガサターンによる次世代機が「第3次ゲーム世代」、そして、現在は、パソコン、スマートフォンがポータルとして成長した「第4次ゲーム世代」にあたると思います。

そして、ゲームと人間の感覚や感性との一体化を目指したバーチャルリアリティ(以下VR)こそが「第5次ゲーム世代」にあたると思います。

すでに導入されたオキュラス・リフトでの多くの実験的なコンテンツや、お台場に4月に開設されたバンダイナムコエンターテインメント社による「Project i can」に導入されたHTC Viveによって再現されるVRアクティビティを観れば、我々が想像したことが創造実現のレベルに近づいていることはあきらかです。

もちろんネガティブな要因を探すことは簡単です。

VRの世界に没入することで、現実世界に戻って来れない事象があるかもしれません。現にパソコンネットワークゲームに没入するあまりに実生活に戻って来れなくなった「ネトゲ廃人」という言葉が2009-2012年頃にはよく聞かれました。

おそらく「VR廃人」「VR現実逃避」などという言葉が流行語になるかもしれません。確かに起こってからでは遅いかもしれませんが、これから何が起こるかわからないものや、「出ないオバケを怖がってもしょうがない」ということの道理でしょう。歩みを止めることは愚かなことでしょう。

近代工業デザインやプロダクトが美しいのは、創った人間たちが、それぞれの未来おけるイメージを模索した結果に他なりません。ゆえにそれは時代を超えて美しく評価に値するプロダクトやコンテンツとして永遠に輝きを失うことはありません。

ゲームコンテンツも然りです。2次元グラフィックやプレイおける制限は我々のイマジネーションを高め、3次元グラフィックやマルチプレイはコミュニケーションの幅を大きく拡げました。VRはどうでしょうか。表現の幅は広がることはもちろんですが、体験者層や年齢を超えて共通の疑似体験を演出してくれるでしょう。

7月4日開催の黒川塾は、アプリ・ゲーム業界向け開発&運営ソリューション総合イベント「Game Tools & Middleware Forum 2016(GTMF2016)」の前夜祭イベントとして、テーマを「VR」に大阪にて開催いたします。

ゲストは、ゲームを想像力豊かなエンタテイメントとして描き切った漫画「ゲームセンターあらし」の作者すがやみつる氏、VR開発の先頭集団、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、VRのエバンジェリストであり、コンテンツクリエイティブの指揮を執る吉田修平氏、VR全般、ゲーム開発全般にハイエンドの描画を実現するUNREAL ENGINEの普及・サポート活動に携わる下田純也氏、大阪工業大学情報科学部・准教授としてVRアプリ開発を積極的に推進する矢野浩二朗氏がそれぞれの立場でVRの未来、人間が想像し、創造する未来を語ります。

2016年の今、「ゲームセンターあらし」こと「石野あらし」が実在したら何を想い何を語るのか?

みなさんと一緒に想像し創造してみたいと思います。ご参加お待ちしています。

黒川塾37 参加申し込みはこちらから
「ゲームセンターあらしは『VR』の夢を見るのか?!」
■PeaTIX ↓(ネットからのお申込みはこちらから)
http://peatix.com/event/169031

■著者紹介

黒川文雄
くろかわ・ふみお 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックス、NHNjapan(現LINE・NHN Playartにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。黒川塾主宰。「ANA747 FOREVER」「ATARI GAME OVER」(映像作品)「アルテイル」「円環のパンデミカ」他コンテンツプロデュース作多数。
《黒川文雄》

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