【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る | GameBusiness.jp

【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る

CEDEC 2015の2日目には、セガゲームスで『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーを務める細山田水紀氏によるセッションが行われました。「ぷよぷよIPのチャレンジと管理について」と題し、シリーズIPを管理するノウハウを解説しました。

市場 IP
【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る
  • 【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る
  • 【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る
  • 【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る
  • 【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る
  • 【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る
  • 【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る
  • 【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る
  • 【CEDEC 2015】シリーズIPをいかに管理するべきか? 『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーが語る
CEDEC 2015の2日目には、セガゲームスで『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーを務める細山田水紀氏によるセッションが行われました。「ぷよぷよIPのチャレンジと管理について」と題し、シリーズIPを管理するノウハウを解説しました。

まずは『ぷよぷよ』シリーズの概要が簡単に紹介されました。1991年にコンパイルよりMSX2版、徳間書店インターメディアよりファミコンディスクシステム版として誕生。1992年にセガよりアーケード版とメガドライブ版が発売され、現在はセガゲームスがIPを所有しています。

『ぷよぷよ』のIP移行時は、開発時の資料やデータは皆無であり、まずは過去作メンバーと協力しすつ新作、移植版のリリースを行ったと言います。このときゲームとしての定義が整理・明文化されていないことを不便だと感じ、細山田氏は「まとめ」資料の作成に着手します。

資料作成のときに『ぷよぷよ』の「核」の部分を以下にまとめました。「対戦型のアクションパズル」「かんたん操作」「同じ色を4つ以上つなげて消す」「連鎖の爽快感」などです。またシリーズの世界観を守るために「エログロの禁止」も挙げました。。このように定義を明文化することによって、シリーズを見直す良いきっかけになったとコメント。またシリーズ中の失敗例などを振り返り、次回作で改善を盛り込めたと言います。
★画像DSC_0897


IP監修については、セガゲームスの『ぷよぷよ』チームのみで行っているそうです。さらに細分化された組織で情報共有するためのチームをつくり、月イチで定例会を実施して連携を強化しているとのこと。『ぷよぷよ』を多展開ができるよう体制が整えられています。
★画像DSC_0900

しかし、あるとき細山田氏は「スタイルガイド」が存在しないことに気づきました。。これだとライセンスアウトなど営業時に支障があり、『ソニック』シリーズをならって規約などを明文化することにしました。

こうして作成されたスタイルガイドには、ゲームシステムの紹介やライセンスアウト時の注意事項が記載されています。たとえばアートスタイルの規約としては、「緑のぷよをメインビジュアルにする」「同じ色のぷよを重ねたレイアウトはNG」などがあります。
★画像DSC_0903、DSC_0906

こうした積み重ねがIP管理メンバーのレベルアップにつながったそうです。スマホやアーケードなど商品化チャレンジも行い、必要な資料もその都度作成する。結果として、IPの多展開が可能となりました。

他方、IP管理には明文化しにくいケースも多々あると言います。展開する内容やそのときの状況に合わせて柔軟な対応が求められるからです。ただ、大前提として「『ぷよぷよ』の守るべき部分は守りつつ、チャレンジ・商品化することで事例をつくることが大事」だと言います。この24年間その繰り返しだったとのこと。

IP管理は「チャレンジ」が大事



IPを長く続けるためには、時代・タイミングに合わせての変化が最も重要だと言います。実例として、ジャンルを変えて「パズルRPG」をリリース、アーケードで基本プレイ無料を実施、メダルゲームやパチスロ化などが挙げられました。「従来のファンはもちろん、新規ファンを増やすために幅広い展開をしていくべき」と細山田氏は語ります。



続いて、ゲームのPRや売り上げにつながるチャレンジが紹介されました。近年、「ゲーム実況」などでプレイ動画に注目が集まっていますが、『ぷよぷよ』ではいち早くプレイ動画規約を作成したそうです。

さらに2月4日を“ぷよの日”と決め、毎年さまざまな施策やイベントを実施しています。これはクリスマスや正月商戦に比べると、この時期は売り上げが伸び悩むからはじめたそうです。これまでに20週年イベントや24時間番組の配信など多彩な取り組みが行われてきました。





また、細山田氏は「やったことがないことにどんどんチャレンジすべきだ行うべきだ」と強調します。たとえば『ぷよぷよ』ではゲーム以外にもドラマCDを5枚、ヴォーカルトラックスを2枚リリースしています。最初は大変だったものの次第にノウハウが蓄積されていき、「次はこうしたい」と好循環が生まれていったそうです。



そのほかにも小説、専門カフェ、舞台化などあらゆる展開を行ってきたと紹介。なかには実現できなかったこともあるそうですが、今後もチャンスがあればその都度チャレンジしたいと語りました。



では、何故チャレンジすることがそこまで重要なのでしょうか。「守りに入って、ただ単に管理しているだけでは消え去ってしまう」と細山田氏は言います。ユーザーに今の『ぷよぷよ』を知ってもらえるように、IPの根幹部分はきちんと守りつつ、攻めやチャレンジの姿勢で動くことが重要だとアドバイス。

最後に、IP管理で重要なことがまとめられました。「IPでもっとも大事な要素を把握して守る」「新しいことにチャレンジする」、「企業組織としてしっかり“稼ぐ”」と語り、セッションを締めくくりました。
《沖本 茂義》

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら