ブランドを作る広告の作り方・・・小霜和也「ゲーム広告はこう作れ」第3回 | GameBusiness.jp

ブランドを作る広告の作り方・・・小霜和也「ゲーム広告はこう作れ」第3回

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ゲーム業界の皆様、こんにちは。
今回は「ゲーム広告とブランド」について話してみたいと思います。

スマホゲーム市場が活況を呈していますけども、その裏側で、どの会社もトップが問題に捉えているのは、おそらく経営の不安定さでしょう。

ゲーム会社全般に言えることですが、スマホゲームの場合は特に、タイトルが当たるか当たらないかによって会社の業績が大きく左右されますよね。
今年良くても来年どうなるかはわからない。
また新興市場に上場している会社も多いわけですが、個人投資家は逃げ足が速く株価もジェットコースター状態になります。

「ブランディング」は、この経営不安定からの脱却に寄与します。

ブランドとは何か、となるとまったく百家争鳴状態であり、巷ではかなり適当に使われてもいるのですが、自分はブランドを「気持ちいい記憶」と定義しています。
ブランドロゴはその記憶を貯めておく器、あるいは記憶を呼び醒ますトリガーです。

たとえばスシローのロゴを見ると、「あっ、そう言えばこないだ行った時エンガワがけっこううまかったよな…ヒラメじゃなくてカレイだったけど自分にはその差はわからんし」といった記憶が蘇って「また行こうかな」となるわけです。
で、TVCMが何をしているかというとこれは自分の本にも書きましたが、その疑似体験をさせているのです。
CMは、その商品を飲んだり食べたり、使ったりした気にさせる役割が大きいんです。

僕の場合、TVゲームのCMも、視聴者が「やった気になる」ものを目指して作ります。
たとえゲーム画面編集モノであっても、そこを狙って編集します。
そして、その気持ちいい記憶をどこに貯めるのか、が重要でして、たとえばPlayStationといったプラットフォームロゴや、ソフトメーカーロゴに貯めます。
これをCMによる「ブランディング」と呼びます。

PlayStationについて言えば、もともとファミリーロゴと呼ばれたカラフルなロゴでCMをシメてましたが、なぜか数年前にそれをやめて、無機質なものにしてしまいました。
このことによって40代とか50代のもともとPSにハマっていた人たちが「そういえばプレイステーション楽しかったなあ」という記憶を呼び醒ますトリガーを失ってしまったわけです。
昔からのゲーマーで、「何だか最近のプレイステーションは面白くない感じ」と漠然と思っている人は多いと思いますが、それはこのことと関係している部分もあります。

いまスマホゲームのCMを見ていて、「記憶を貯める器」という意識でブランディングされているものはちょっと見当たりません(自分が知らないだけかもしれませんが)。

ブランドロゴを作る上で最重要なのは色です。
その次が形状。

言葉はさほど大事じゃない。
それは人の本能と関係があって、人は色に最も素早く反応するからです。
赤は熟した食べ頃の色、青は腐った毒の色、ということで、最も速く反応する赤は「止まれ」の信号に利用されていたりします。

スマホゲーム各社はそういう観点でロゴを見直してみたらどうでしょうか。
そして、CMではユーザーが楽しそうな表情を見せているカットか、その直後にロゴを配置します。
そうやって「気持ちいい記憶」をロゴに貯め込んでいけば、新タイトルをそのロゴと共に出していくと「あれも楽しそう」となる理屈です。
パズドラとか、モンストとか、今の構造ではややもったいない気がします。

来月はゲームCMとターゲットの自己投影について話そうかと思います。
が、リクエストも受け付けますので。
編集部までご連絡ください。


■著者紹介

小霜和也 (こしも かずや)
コピーライター、クリエイティブディレクター、クリエイティブコンサルタント。博報堂でコピーライターを務めた後、独立し現在は株式会社小霜オフィス、ノープロブレム合同会社代表。プレイステーション、KIRIN一番搾り、その他日本を代表する数々の広告キャンペーンを手掛けてきた。ゲーム関連での実績多数。近著「ここらで広告コピーの本当の話をします(宣伝会議)」が大ヒット中。
ノープロブレム合同会社 / 小霜オフィス
《小霜和也》

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