今年も大盛況の太秦上洛まつりを徹底リポート 歴史ブーム後も緩めないその勢いの裏には力強いコミュニティの結束が・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第33回 | GameBusiness.jp

今年も大盛況の太秦上洛まつりを徹底リポート 歴史ブーム後も緩めないその勢いの裏には力強いコミュニティの結束が・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第33回

今年で8年目、開催数にして9回目を迎える太秦地区の大規模地域活性型コミュニティイベント。歴史オールジャンルとした今年の太秦上洛まつりでは、総勢7500名、コスプレイヤー数、800名弱を達成し、「歴女」といった言葉が巷に溢れる歴史ブームが通りすぎて数年がたって

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今年で8年目、開催数にして9回目を迎える太秦地区の大規模地域活性型コミュニティイベント。歴史オールジャンルとした今年の太秦上洛まつりでは、総勢7500名、コスプレイヤー数、800名弱を達成し、「歴女」といった言葉が巷に溢れる歴史ブームが通りすぎて数年がたっている現在もその勢いを維持しています。

もともと、「太秦戦国祭り」という名で07年3月にはじまったこのイベントも、2013年は、新選組結成150周年を記念し、「京都幕末フェスティバル in Uzumasa」と暫定的に幕末をフィーチャーするなどしてきました。今年は、全ての「レキシ」をカバーするということから、「太秦上洛まつり」として展開。ここでは2日間におこなわれたイベントをリポートしていきます。



■太秦映画村で随一雅な中村座で、いとうかなこさんと、marinaさんが、歌う!舞う!〜「花咲くまにまにミニライブ in 太秦」〜

太秦上洛まつりの目玉イベントは、29日17時からおこなわれた、「花咲くまにまにミニライブ in 太秦」。『花咲くまにまに』は、LOVE&ART(MAGES.)による、江戸幕末の遊郭を舞台に繰り広げられる恋愛アドベンチャーゲーム。プレイステーション・ポータブル版ならびにプレイステーション3版は13年11月にリリースされていたのですが、今年の9月、追加コンテンツと共に満を持してプレイステーションVita版(以下、PS Vita版)がリリースされたのです。

ライブの冒頭では花まにの宣伝広報として活躍されているジョイまっくすポコさんが登場。会場との掛け合いを進めつつ『花咲くまにまに』を紹介しました。会場には多くのファンとともに、上洛まつりで来たコスプレイヤーも参加しており、ジョイさんの話に興味津々な様子で聞き入っていました。作品トレイラーを中村座の大画面で上映した後、ジョイさんは、メインキャラクターをそれぞれ説明。舞台上に等身大のキャラクターパネルを登場させるなどしてお客さんの笑いを誘っていました。ユーモアに溢れた独特のキャラクター解説はジョイさんならではですね。

作品紹介を経て、いよいよいとうかなこさんとmarinaさんが登場。喝采をあびる中、二人は和の雰囲気いっぱいの中村座の様子や、映画村の雰囲気に酔いしれたと語り、京都独自のイベントを評価しました。まずは、PSP版のOP/EDとしていとうかなこさんが「悠久ノ空咲ク花」、marinaさんが「泡沫ノ花」を披露。2人の美しく澄み切った声が中村座一体を包みました。その後ジョイさんも再登壇し、楽曲について3人でしばしトークを楽しみました。特に後半で披露するPSVitaのOP曲「花ノ輪舞曲」については、いとうかなこさん自らが作詞した経緯が語られました。いとうさんは、作品をプレイしたうえで、そこで得た感情を歌詞にこめたとのこと。ジョイさんは、その詞を「すっごくパワフル」と絶賛!一方いとうさんは、PS Vita版『花咲くまにまに』のグラフィックがあまりにも鮮やかだったことに驚きを隠せなかったとプレイ時の率直な印象を語りながら、内容については、「プレイすることでもっといい女になれる」と評価していました。実際のストーリーには敢えて触れなかっただけに、一体どんな展開なのか未プレイの人たちは気になっていた様子。最後は「花ノ輪舞曲」をいとうさんが、「運命ノ花」をmarinaさんが歌い上げ、再度喝采を浴びていました。




■戦国から幕末まで文字通りカバーした撮影ポイント

従来は主に戦国時代を、昨年は幕末を意識した撮影ポイントを今年は、時代を代表するランドマークが設置されている場所を中心に、安土桃山ゾーン、幕末ゾーン、江戸ゾーン、明治大正ゾーンと切り分けました。安土桃山ゾーンには、黄色地に桔梗紋を兼ね備えた軍旗を掲げた織田信長軍の本陣がこのイベントためだけに設置。実際の撮影現場と全く同じ形で再現された本陣の姿に、多くの歴史ファンが興奮せずには入られません。もちろん多くのレイヤーさんもこの場所で撮影をしていました。

その向かいは、戦国時代関連グッズを専門に販売することで知られる「戦国魂」の物品販売コーナーが、太秦上洛まつりの間のみ特別に開店。戦国武将関連の様々な珍しいグッズに参加者が引き寄せられていました。

一方、幕末ゾーンには、新選組を一躍有名にした池田屋事件で有名な池田屋と、坂本龍馬が上洛時に滞在していたといわれる寺田屋を再現。新選組駐屯所には、欧米式大砲が設置されています。一方、江戸ゾーンは数多くの祭飾りの旗がたなびいています。これらは、全て、東映京都撮影所の美術スタッフが当日のために準備したものです。撮影スケジュールが忙しい中に設置されるのでこういった特殊セットはイベント直前に設置され、直後、即座に撤去されるので、プレスリリースなどのタイミングで組むことが出来ません。

事前プロモーションという視点では非常に残念ですが、それぞれのゾーンがどうなっているかはイベント当日に来てからのお楽しみということでそれを楽しみにするレイヤーさんもいるようです。撮影所のスタッフによる撮影さながらのセットの組み込みは昨年からはじまり今年で2年目。こういったセットを活用した撮影画像が広まると、リリース時に参考写真がなくてもそれを期待してくる人たちも増えるのではと思います。ちなみレイヤーさん以外でももちろん記念撮影は可能。そのうち、映画村にいくなら、「上洛まつり」のときのほうが何かとお得というウワサが一般のひとにも広がるかもしれません。




■一般の人にもウケていた撮影用の降雪機や、スタジオ俳優による本格的な殺陣芝居

更に一般の人たちにも人気が高かったのが、実際の映画撮影のときに使われるスノーマシン。「雪」の正体は泡なのですが、それが宙に舞い、ふりそそぐと本当にリアルな雪にと様変わり。これには、特に来場者数の多かった日曜日には一般の人が記念撮影のためにひっきりなしに訪れていました。また、新選組の土方歳三と、京都見廻組の佐々木 只三郎を演じた2人の役者による刀使いを指導するコーナー。多くのコスプレイヤーが刀を持って撮影に望むことから考えられたこの企画、史実よろしく対決する新選組と京都見廻組の2人が指導するだけに、常に一触即発状態。ちょっとしたことで決闘が始まってしまうのですが、2人とも数多くの時代劇の出演歴もあるだけにその気魄がものすごい。和やかな雰囲気にはじまるレッスンも一瞬にして緊張した空間へと変化します。この緩急のつけ方もプロの役者ならでは。イベントは、予め時間が設定されていないのにも関わらず。どこからか演武時間をききつけ、イベント開始時は常にひとごみが。演技もコスプレイヤー、子供、高齢者など囲んでいる群衆の特性にあわせアドリブを入れてくるため常に新しい展開を楽しむことが出来ます。今後、恒常イベントになるのではと思われるぐらいの盛況ぶりでした。




■一般の人とコスプレファンが自然にひとつになれる唯一無二の場としての太秦

最も評判が良かったのは、従来1日にしか行わなかったナイトロケが2日になったことです。前近代のような夜の景色で彩られた夜の景色こそ、太秦コスプレイベントの醍醐味。ですが、急な仕事が入ってしまい、ナイトロケに参加できなくなるレイヤーさんがたくさんいたのも事実。そこで、思い切って2日間開催することにしたとのこと。今年は、戦国武将の本陣にも特別なライトが設置され、その雰囲気は他の地域では体験し得ない空間へとさまがわりしています。2日目は小雨が降る状況でしたが、それにも関わらず、多くのレイヤーさんが、最後まで撮影を楽しんでいました。

何よりも驚きなのが2日間にわたり、一般客、コスプレファンの双方が多数いたこの場にあって、誰もが違和感を感じることなく自然に時間を過ごしていたことです。考えて見れば、江戸時代の様相で敷地内を歩きまわる映画村スタッフも多い空間では、どのようなコスプレイヤーがいても誰も不自然に思われないのです。一般客の中には、コスプレイヤーを映画村スタッフだと勘違いするひともいました。こういったことは、通常あまりありません。

今回のイベントは、「上洛まつり」としただけあって、『幕末Rock』や『薄桜鬼』と『るろうに剣心』といった幕末モノや、太秦戦国祭りの際もおなじみだった、『戦国BASARA』や『戦国無双』に加え、時代背景を特定していない『NARUTO』に扮したコスプレイヤーも多数いました。また映画版『るろうに剣心』のコスプレも見られました。『NARUTO』はマンガの最終話を、『るろうに剣心』は映画の大ヒットを記念して、イベントに訪れた、というところでしょうか?以前、『戦国BASARA宴』のリリース寸前に祭を開催した際は、松永久秀に扮装したレイヤーさんが数多くいたことを考えると、年々の潮流を意識したフィーチャーを準備するのも大切なようです。戦国、幕末のみならず、日本の各時代を巻き込み更なるサービスの充実を進める太秦の歴史イベント、今後の関係者たちの知恵の出し処は正にこれからといったところです。


《中村彰憲》

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