東京ゲームショウ2013は日本のゲーム未来の姿だ・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第27回 | GameBusiness.jp

東京ゲームショウ2013は日本のゲーム未来の姿だ・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第27回

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今年はファミコンが発売されて30周年の記念すべき年(1983年7月15日発売)です。
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今年はファミコンが発売されて30周年の記念すべき年(1983年7月15日発売)です。

しかし、その同じ年に、任天堂のオーナーである山内溥相談役が、東京ゲームショウ2013の初日、8月19日に88歳で亡くなりました。

享年88歳から逆算すると30年前の55歳のときにファミコンを発売するという経営判断をしたことを改めて考えてみると、それは勇気の要る決断だったと思います。トランプや花札という盤石な経営母体があったにせよ、ゲームウォッチの成功を頼りに本格的な家庭用ゲームビジネスに参入したのは、運を天に任せるという任天堂の社名の由来のごとき判断だったと思います。山内氏の英断と、素晴らしいハードとソフトを開発してきた先人たちの恩恵のもと、今の我々がいると言っても過言ではありません。改めて感謝とお悔やみを申し上げます。

東京ゲームショウが終わったあとに発表される動員数ですが、今回も前回実績をクリアし、過去最大の動員来場者 27万197人という更新をしました。しかし、私自身、会期中の4日間、ホール4、ホール9に出展をしていた印象からすると若干の違和感がありました。特にビジネスデーは昨年の印象よりもさらに空きスペース感が増し、空間対比の人口密度は低かったように思いました。とはいえ、PS4、Xbox1(ワン)など新ハードの発表などがありましたので、一般デーを中心に盛り上がったのかな?という気持ちはありますが、しかし釈然としない気持ちがどこかにあります。

東京ゲームショウが初めて開催されたのは次世代機ブームからすこし遅れることの1996年です。出展社数87社、動員数は109,649人でした。まさに次世代機戦争の真っただ中・・・。とはいえ、若干プレステ陣営に次世代機戦争の軍配が傾き始めたころでした。

その後、次世代ゲーム機戦争がプレステ陣営に軍配が上がったころからゲームショウ自体のテンションがやや下がり始めました。その分かれ目は2000年でした。99年が163,866人という発表から一転、2000年は131,708人。つまり3万に近く減少してしまいました。翌年の01年も11万人のレベルまで減少します。おそらくその理由は、プレイステーションの独り勝ちが顕著になり、セガの頼みの綱のドリキャスも敗戦処理に入り始め、世の中はPC系オンライン・コンテンツやモバイル(ガラケー)コンテンツへのシフトが始まったネット時代の幕あけの年だったことに起因しているではないでしょうか。

その2000年を境にして、開催団体であるCESA側による開催回数の見直しがなされました。従来の年2回開催を1回に集約され、それ以降は年1回の開催を保ったまま運営されています。さらには、当日会場に来れば何かをもらえるというお祭り的な切り口や、ゲーム系のイベントの取り込み(一時期展開した「闘劇」などもその類)が功を奏し、現在はコスプレイベントがなどもプラスの要因でしょう。

東京ゲームショウは初開催から17年の月日が経過しました。当時、小学6年生だったユーザーが30歳になるという長い時間が過ぎました。おそらく全部のユーザーが今でもゲームファンとは言いにくいでしょうが、すくなとも、この時点で2世代にわたる娯楽になっていることを考えると、CESA発表の過去最高の動員数字も真実味を帯びてきます。

東京ゲームショウ2013ですが、出展社の総数も342社、うち153社が海外からの出展というデータがあります。約半数が海外からの出展(アジア、南太平洋地区、北欧など)が多かったように思います。また、主催者企画では「スマートフォンゲームコーナー/ソーシャルゲームコーナー」や「インディーズゲームフェス」などが目立ちました。

私自身は日本の今とこれからの姿が凝縮されているように思います。ゲームジャンルも家庭用、業務用、モバイル(スマフォン向け)用などに細分化され、来場者の高齢化=ゲームユーザーの高齢化、海外からの出展=国内の少子化による労働力の供給不足への対応、バラエティ化=エンタメなどのジャンルの細分化が促進されています。今回、話題になったインディーズゲームですが、現在のメジャーな会社もコンテンツも、かつてはインディーズだったはずです。かつてプレイステーション黎明期に個人や独立系の会社に対して開発を支援したプレイステーション・ドリームのように、それが改めて取沙汰されることは時代の転換期である証左と言えるでしょう。

■著者紹介
くろかわ・ふみお 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックス、NHNjapanにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。黒川塾主宰。

現在はインディーズゲーム制作中「モンケン」 電子書籍 「エンタメ創造記 ジャパニーズメイカーズの肖像 黒川塾総集編 壱」絶賛販売中

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《黒川文雄》

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