新年のご挨拶にかえて・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第18回 | GameBusiness.jp

新年のご挨拶にかえて・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第18回

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2013年、あけましておめでとうございます。黒川です。

2012年末日にて、NHN Japan株式会社を退職しました。お世話になりました皆様、お取引先、協業関係の皆様におかれましてはご支援を賜りましたことを改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
またコラムをお読みの皆様も変わらぬご支援を賜りたく思います。

さて、退職に至る経緯は人それぞれ、いろいろとあります。

当たり前のことですが、退職をするということは会社の方針と個人の志向や思想との整合性がとれなくなったことに他なりません。なかには、それをうまい具合に調整しつつ、長年同じ組織のなかで活躍をしている人がいます。ですので、そのあたりは個人の性格や処世術にも依るものだと思います。人は人であり、それぞれの生き方をすれば良いというそれだけのことです。そして、当たり前のことですが、そのような経緯で辞めた組織に戻るようなデリカシーのない生き方は持ち合わせておりません。

入社したころと今は何が違うのか・・・ということで言えば、会社側が家庭用ゲーム系メーカーとの大型の共同開発作品の準備に取り掛かったばかりで、私(黒川文雄)というキャスティングはマッチしたのではないかと思います。家庭用ゲーム系メーカーさんや大手の会社は日本のゲームの歴史博物館のようなもので、新興のパブリッシャーとは異なり、組みし難いパートナーでもあります。その関係を構築したり改善したりというなかで私の経験は生かされたのではないでしょうか。しかし、「LINE」の成功によって大きく会社側の考え方も変わったのではないかということです。そのあたりはNHN本社の意向もあると思いますので明言はできませんが、ITやゲームの世界では朝令暮改どころか朝令朝改も当たり前のようにありますので、それを気にしても仕方がありません。

それらの中で変わらないものって何だろうということをずっと考えてきました。

答えは簡単でした。それは自分という個人です。それはこのコラムをお読みの皆様も同じことでしょう。

変わらないという言葉は語弊がありますが、もちろん時代や会社や組織や個人に対して変わらなければならない点はたくさんあります。変わるということを言葉が重く感じられますが、調整という表現が適切かもしれません。人間の本質はそんな簡単に変わるものではありません。デヴィット・フィンチャーの秀作映画「ゲーム」(マイケル・ダグラス扮する兄/ショーン・ペン扮する弟)のなかでも強欲で自己中心的な兄の人格を壊して直すという弟が策定したゲームが繰り広げられますが、果たして主人公の本質は変わったのでしょうか?

映画の結末では主人公マイケル・ダグラス扮する兄は極限の恐怖と大きな損失を感じて改心したかのように見えます。が、しかし、僕は彼の本質は変わらないままだと思います。ま、それは映画ですからね・・・。

では変わらないのであればどうするのかということです。であればその本質を活かすかそれに合うような仕事や生き方を見つけるしかないでしょう。果たして僕の場合それが何にあたるかどうかは未だに判りかねるところです。

思えば、「人間の人生は真っ暗な階段を手探りで上がって行くようなもの。しかしその間断はあらかじめ決まっている」と思っています。過去の積み重ねの上での未来なのですから。とは言え、過去に執着していても何も見えてきません。明日に向かって一歩を踏み出したいと思うのです。
今年もどうぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

■著者紹介

くろかわ・ふみお 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、映画・映像ビジネス、ゲームソフトビジネス、オンラインコンテンツ、そしてカードゲームビジネスなどエンターテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。ブログ「黒川文雄の『帰ってきた!大江戸デジタル走査線』」、まんたんWeb「サブカル黙示録」や「ニコニコチャンネル 黒川塾ブロマガ」も更新中。
《黒川文雄》

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