【グリーカンファレンス2012】中国市場で「地雷」を踏まないために ― 『Hoolai三国』のトップが語る | GameBusiness.jp

【グリーカンファレンス2012】中国市場で「地雷」を踏まないために ― 『Hoolai三国』のトップが語る

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ゲームコンテンツの海外展開を語る上で必ずといって遡上に上るのが中国市場。その一方で、必ずついて回るのが商慣習の違いをはじめとした、市場の特殊性です(かつての日本も欧米諸国から、そのように見られていたのでしょうが)。
  • ゲームコンテンツの海外展開を語る上で必ずといって遡上に上るのが中国市場。その一方で、必ずついて回るのが商慣習の違いをはじめとした、市場の特殊性です(かつての日本も欧米諸国から、そのように見られていたのでしょうが)。
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ゲームコンテンツの海外展開を語る上で必ずといって遡上に上るのが中国市場。その一方で、必ずついて回るのが商慣習の違いをはじめとした、市場の特殊性です(かつての日本も欧米諸国から、そのように見られていたのでしょうが)。

■飛ぶ鳥を落とす勢いのHoolai Games
「グリー プラットフォームカンファレンス2012」でも中国セッション「中国・韓国・台湾で成功したゲーム会社の戦略とは」が行われ、スマートフォン市場の現状報告とビジネスのTIPSが語られました。講演者はHoolai(フーライ) Games Ltdの代表取締役社長兼エグゼクティブ・ディレクター、黄健氏です。日本でもブラウザシミュレーション『Hoolai三国』や、モバイル向けに『Hoolai三国 for GREE』を展開しています。

Hoolai Games Ltd代表、黄健氏


同社は北京・上海・広州・東京・シリコンバレーに事業所を展開する、社員数400名程度のゲームディベロッパーで、PC・モバイル(iOS、Android)のクロスプラットフォーム開発を行っています。

代表作は『Hoolai三国』シリーズで、PC版は中国SNS最大手のテンセントで展開されているゲームポータルQ-Zoneでランキング1位を獲得。600万人ものデイリーアクティブユーザーを誇り、毎月600万$(約5億円!)を稼ぎ出すという大ヒットタイトルです。ゲーム内容はカジュアルテイストの村系ゲームといったイメージで、女性ユーザーが多いことも特徴となっています。

GREE版をはじめ日本にも上陸した『Hoolai三国』シリーズ


また『Hoolai三国』のiOS版もリリース後4ヶ月で中国App Storeのランキング1位を獲得しています。台湾・韓国・シンガポールでもサービスインしており、中国本土とあわせると月間100万$(約8000万円)の売上を計上。Android版も中国・韓国向けに5月のリリースを予定しています。本年2月には満を持して、日本でもiOS版とAndroid版をグリー向けにサービスインしました。

これ以外にもSFブラウザゲーム『Hoolai Star Wars』、会社経営シムの『Hoolai Boss』、3DMMOアクションRPGで、PC版とモバイル版の同一サーバでプレイできる『Hoolai Ledends』、第二次大戦が舞台のiOS向けウォーシミュレーション『Hoolai Shoguns』、三國志モノのPCブラウザゲーム『Chi-Bi(赤壁)』と、飛ぶ鳥を落とす勢いでタイトルの供給が続いています。

SFモノの『Hoolai Star Wars』会社経営シム『Hoolai Boss』ファンタジーMMO『Hoolai Ledends』


繰り返しになりますが、MMORPGのような重量級ネイティブゲームではなく、PCブラウザゲームに特化しているのが同社のユニークなところ。そこから海外展開や、モバイル向けに移植するのが基本スタンスです。もっとも、今後は日本のようにスマートフォンやタブレット向けの比重が高まるだろうと黄氏は語ります。

■iOS・Androidのメリット・デメリットを分析
続いて黄氏は中国市場の現状について報告を始めました。気がつけば5000億円規模にまで成長した中国オンラインゲーム市場(これは概算で日本のコンソールゲームソフトとソーシャルゲーム市場の合計額に相当します)。その中でも近年の特徴として、ブラウザゲームとソーシャルゲームの伸びがめざましく、保守本流だったMMORPGの割合が年々低下しています(2007の91.0%から2013年には69.9%の見込み)。中でもソーシャルゲーム市場は今後2年間で3倍に成長し、600億円程度になると見込まれています。

またスマートフォンの普及もめざましく、2010年第4四半期には1770万台、2011年第4四半期には2280万台が出荷されるなど、年率80%近い成長率を誇っています。中国には6億人のケータイユーザーがいるとされており、彼らが順次スマホに買い換えていくことが見込まれています。

MMORPGのシェアが年々低下ソーシャルゲーム市場は2年で3倍にスマホ端末は年率8割で普及


スマホ端末のシェアはAndroidが47.3%、ノキア(シンビアン)が32.3%、iOSが11.7%、Windows Phoneが3.2%、その他が5.6%(2011年第4四半期)で、Androidが過半数に迫る勢い。となればアプリ開発もAndroid向けに注力と考えがちですが、むしろiOSの成長ぶりに注目すべきだと黄氏は語ります。

理由の一つとして、2010年10月からiPhone4の取り扱いを始めたチャイナ・ユニコムに加えて、これから最大手のチャイナ・モバイルの取り扱いが始まるという観測があります(2012年を目安にTD-LTEで提供予定)。チャイナ・ユニコムは発売3ヶ月で130万台のiPhone4を販売。一方チャイナ・モバイルは独自にフリーのマイクロSIMカードを発売し、1000万台のiPhone4が利用されていると推定されています。

さらにチャイナ・モバイルとアップルの契約が合意されれば、年間2400万台のiPhone4が導入可能という観測もあります。正確な数字は不明ですが、iPadを含めると推定3000万台以上のiOS関連端末の導入が進んでいると言われており、アメリカに次いで中国はアップルにとって第2の市場に育ちつつあるのです。App Storeにおいても中国はアメリカに次いで第2のダウンロード数を誇っており、2011年11月にはアメリカとの比較で約4割にまで成長。月間売上100万$を越えるディベロッパーも誕生しています。

市場シェアはAndroidが圧勝AppStoreの市場拡大もめざましい
Androidは複雑な市場や機種依存がネックiOSは犯罪行為が横行し3-5割が回収不能


一方でAndroid向けアプリ開発には、「膨大な種類の端末への対応」「App Storeが国内だけで30種類以上も存在し、それぞれが独自の決済方式を採用」「高い手数料」「ユーザーが課金になれていない」という壁が存在します。一説によると、iOS向けに担当者を一人おいているディベロッパーでも、Android向けには5人の担当者を置いており、中には10人で宣伝を行っている企業もあるとのことです。

もっとも、iOS市場も決してバラ色ではありません。最大の問題点が「中国ではディベロッパーの月次収益のうち30-50%が回収不能である」という点。実際、国際的な犯罪組織によるクレジットカードの番号とiTunesのアカウント盗難が横行しているという現実があります。「日本では考えられないかもしれませんが」と黄氏は前置きしつつ、中国ではオークションサイトでカード情報が販売されており、個人ユーザーはそこからアカウントにチャージができるといいます。ゲームの購入残高を不正に抹消する行為も蔓延。一方でディベロッパーはアップルの方針で個人情報に基づくペイメント履歴の確認ができないため、泣き寝入りするしかないのが現状です。

■中国市場はモバイルへの移行期
このようにAndroid、iOSの双方でメリット・デメリットがありますが、「それでも初めて中国市場に進出するなら、私はiOSの選択を勧めます」と黄氏は結論づけました。同社でも前述の通り、日本では同発だった『Hoolai三国』のリリースを、中国・韓国ではiOS先行で行う計画です。そこには、こうした背景が存在するようです。

最後に黄氏は中国でソーシャルゲーム市場に進出するステップとして「1:中国ビジネスやマネージメントのノウハウを社内に蓄積する」「2:日本とは異なるユーザーの嗜好を理解する」「3:中国のプラットフォーム(ポータル、キャリアなど)とのコネクションを築き、それぞれの相性を理解する」「4:PCやAndroidに対する複雑な課金システムを理解する」「5:iOSアプリに関する不正購入問題に対処する」という5項目を示しました。

中国展開の5ステップ異なる市場を理解するパートナーシップが重要


中でもユーザーニーズについては、日本と異なり実用性重視のアイテムが求められると語ります。「農場系ゲームなら、ユーザーは綺麗な建物ではなく、より多くの肥料を買いたがるでしょう」(黄氏)。また端末についても中国のケータイ事情は、まだローエンド機種が中心なので、スマホユーザーの属性をきちんと分析して、マーケティングすることが重要だと言います。

中国のゲーム市場は日本と違い、モバイルソーシャルへの移行期にあると黄氏は分析します。そのためには中国市場について理解を深めることが重要で、パートナーシップの締結や中国での現地法人立ち上げが課題となります。「日本でヒットしているタイトルを、そのまま中国市場に持っていっても、成功する確率は決して高くありません」(黄氏)。あらためて心に刻みたい知見でしょう。
《小野憲史》

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