【CEDEC 2011】ゲームクリエイターのキャリアを考える/セガ石倉氏と専修大・藤原氏 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2011】ゲームクリエイターのキャリアを考える/セガ石倉氏と専修大・藤原氏

長くエンジニア向けという印象の強かったCEDEC。しかし近年では学術関係者の講演や、ゲーム開発に直接関係の薄いテーマの講演も見られるようになり、多様性が増してい ます。

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長くエンジニア向けという印象の強かったCEDEC。しかし近年では学術関係者の講演や、ゲーム開発に直接関係の薄いテーマの講演も見られるようになり、多様性が増してい
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さらに今年はメインテーマ「クロスボーダー」の一環として、同じようなジャンルの講演をセットで行う「ショートセッション」が、昨年より拡充されました。同じテーマでも複数の視点による講演を聴くことで、物事を立体的に捉えてほしいというわけです。

その中でも異彩を放ったのが、「ショートセッション:キャリアについて考える」。ゲーム開発者のキャリアというテーマについて、セガの石倉力氏と専修大学の藤原正仁氏が、それぞれの立場から講演。切り口も内容も「真上と真下」という感じで、まさに「クロスボーダー」なセッションとなりました。

■三流の人間が送る処世術。「ゲームは人生じゃない。人生がゲームだ。」

まず登壇したのはセガでモバイルゲームのディレクターを務める石倉力氏。実は石倉氏は元お笑いタレント「ジョビジョバ」のメンバーという異色の経歴の持ち主です。そんな石倉氏は「お笑いタレント」→「有名女優のマネージャー」→「ニート」→「日雇い派遣」→「ブラック企業」→現職という、非常に珍しいキャリアを積んできました。

もっとも石倉氏は「自分の人生は失敗の連続で、努力も何もしていない。後ろ向きに全力で走ってきたようなもの」と語ります。そんな石倉氏が過去を振り返って、失敗の原因としてあげたのが「肝心なときに何もしなかったこと」と「好き嫌いで仕事をしていた」ことです。

なかなか目が出なかったジョビジョバ。「これで失敗したら終わり」という土壇場の番組でも、番組構成を他人に任せてしまい、自分たちの持ち味を出し切ることなく、不完全燃焼で終わってしまいました。

そこから某有名女優のアシスタントマネージャに転職した時も、仕事に興味が持てず、片手間にこなしては、ミスばかりしていたとのこと。トレンディドラマの内容チェックをするときも、オンラインゲームを遊びながら、横目でチェックする程度だったと言います。そんな仕事ぶりで長続きするわけもなく、辞めることになってしまいました。

もっとも石倉氏は「好き嫌いで仕事をしよう!」と言い切ります。お笑いがそれほど好きではないのにお笑いタレントになってしまった。トレンディドラマが好きではないのに、マネージャーになってしまった。そんな「居心地の悪さ」を感じていた石倉氏も、ゲームだけは好きで、遊んでいたそうです。それが結果としてゲーム業界に入って、仕事を続けられている大きな理由だと語ります。

セガに入社できたのも、ちょうどケータイのモバイルゲーム市場が拡大してきた頃で、会社を選ばなければ業界に潜り込むのは容易だったから。そこで営業から経験を積み、待遇の悪さに退職した上司の仕事を引き継いでディレクターとなり、ゲーム作りの腕を磨きました。そうして培ったスキルを武器に、晴れてセガに転職。もっとも、そこまで続けられたのも「ゲームを遊ぶのが好きだったから」というわけです。

石倉氏は最後に「好きを仕事にするしかない。だから嫌いなら辞めちまえ。他に好きを見つけよう」とメッセージを投げかけました。ちなみに子供の頃から食べるのが好きで、安くて美味しくて、たっぷり食べられる料理を研究した結果、スパゲッティ料理が大の得意になったそうです。「思春期の頃を思い出せば、誰でも好きな物が見つかるのでは」と話していました。

■女性ゲーム開発者のキャリア発達

続いて登壇したのは専修大学の藤原正仁氏。藤原氏は過去のゲーム研究事例から「多様なエンターテインメントを世界中の老若男女に提供していくためには、とりわけ性差を超えた多様性(ダイバーシティ)が重要ではないか?」という問題設定をかかげ、ゲーム業界で5年以上働いている21名の女性開発者にヒアリング調査を行いました。

総務省の労働力調査によると、過去半世紀で女性の専門的・技術的職業従事者が急上昇し、08年で470万人(17.8%)を占めています。職業全体でも女性の占める割合は42.3%となっていますが、ゲーム産業では日本で12.8%、欧米でも11.2%と割合が低いのが現状です。比較的高学歴で、平均年収の差はそれほど見られないものの、未婚率が67.2%と際だって高く、朗贈時間も長めになる傾向があります。

藤原氏はヒアリングの結果として、次の10項目が特徴として見られるとまとめました。

1:環境や役割の変化を柔軟に受け止めて、挑戦し続けている
2:物事をポジティブに捉えて、楽しんで仕事をしている
3:労働の量ではなく質で評価されたいという欲求を持っている
4:組織の中で創造性を発揮しようとしている
5:自らのキャリアを客観的に表羽化している
6:他社に自己を理解してもらう働きかけを行っている
7:組織を越境した人間関係を構築・維持している
8:現在を大切にして試行錯誤を重ねながら将来を切り開こうとしている
9:ジェンダー・ステレオタイプに固執しない
10:育児環境は意図的に作り出している

その上で藤原氏は明確に目標を掲げながら計画的にキャリア発達を遂げてきたのではなく、環境や役割の変化を柔軟に受け止めつつも、その時々を大切に生きることで、自らのキャリアを構築してきたと考察します。まるっとまとめると「女性は男性に比べて、環境適応型の傾向が高い」というわけです。

もっとも女性ゲーム開発者は将来のキャリアについて、曖昧な不安や葛藤を抱えており、企業としても出産や育児といった女性特有のライフイベントに対する支援が求められていると指摘します。こうした支援によって、女性開発者が安心してキャリアを重ねられる環境を整えることで、より多様な市場にリーチできるゲームが開発できるというわけです。

中でも「育児環境の意図的な創出」をはじめ、女性開発者はワークライフバランスを重視する傾向が見られることから、シリアスゲームなどの分野で活躍機会が増えるのではないかと補足されました。

「自分の子供から教えられることは多い」。子供向けゲームの開発者から、しばしば聞かれる台詞です。これも安心して結婚し、子育てができる環境あってのこと。国内市場の掘り起こしが求められる今、女性に限らず、職場の多様性を増すことは、企業にとって急務だといえそうです。
《小野憲史》

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