【CEDEC 2010】ポケモン石原恒和とドラクエ市村龍太郎が語る「人を楽しませるプロデュース」 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2010】ポケモン石原恒和とドラクエ市村龍太郎が語る「人を楽しませるプロデュース」

その他 その他

日本を代表するゲームフランチャイズである『ポケットモンスター』と『ドラゴンクエスト』。CEDEC2日目に特別招待セッションとして「人を楽しませるプロデュース」と題する講演が、株式会社ポケモン代表取締役社長CEOの石原恒和氏とスクウェア・エニックスの市村龍太郎
  • 日本を代表するゲームフランチャイズである『ポケットモンスター』と『ドラゴンクエスト』。CEDEC2日目に特別招待セッションとして「人を楽しませるプロデュース」と題する講演が、株式会社ポケモン代表取締役社長CEOの石原恒和氏とスクウェア・エニックスの市村龍太郎
  • 日本を代表するゲームフランチャイズである『ポケットモンスター』と『ドラゴンクエスト』。CEDEC2日目に特別招待セッションとして「人を楽しませるプロデュース」と題する講演が、株式会社ポケモン代表取締役社長CEOの石原恒和氏とスクウェア・エニックスの市村龍太郎
  • 日本を代表するゲームフランチャイズである『ポケットモンスター』と『ドラゴンクエスト』。CEDEC2日目に特別招待セッションとして「人を楽しませるプロデュース」と題する講演が、株式会社ポケモン代表取締役社長CEOの石原恒和氏とスクウェア・エニックスの市村龍太郎
  • 日本を代表するゲームフランチャイズである『ポケットモンスター』と『ドラゴンクエスト』。CEDEC2日目に特別招待セッションとして「人を楽しませるプロデュース」と題する講演が、株式会社ポケモン代表取締役社長CEOの石原恒和氏とスクウェア・エニックスの市村龍太郎
日本を代表するゲームフランチャイズである『ポケットモンスター』と『ドラゴンクエスト』。CEDEC2日目に特別招待セッションとして「人を楽しませるプロデュース」と題する講演が、株式会社ポケモン代表取締役社長CEOの石原恒和氏とスクウェア・エニックスの市村龍太郎氏、吉田直樹氏を招いて行われました。

最も大きいメインホールを使って大変な注目の中、さらにニコニコ動画による生中継も同時に行われたセッションでしたが冒頭石原氏は「せっかくなのでドラクエ対ポケモンの戦いを盛大にやった方が盛り上がるんじゃないかと思いましたが、そういうのって後々響くんで、今日はお互い讃えあうような形で、と先ほど楽屋で決まりました」と宣言。

しかししかし滅多に聞けない石原氏のポケモンに対する考えが聞け、非常に興味深い内容となりました。

ポケモン石原氏スクウェア・エニックス市村氏


■人を楽しませる とは

まず講演のタイトルにも選ばれている「人を楽しませる」という意味の考え方です。

石原氏は月並みですがと前置きしながら「自分が心から楽しめるもの、満足できるものを作るというのがまずは必要ではないでしょうか。それから個人的に、できるだけ多くの人に楽しんで貰うために、全年齢対象以外のゲームは作りたくないというのがあります。CEROでいえばAとパッケージに書かれる事は非常に重要だと思ってます」と説明します。

一方の市村氏は「ありそうでないものを作るのですが、見たことがない、いや、あるかも、というような微妙な加減が大事だと思ってます。余りにも独創的なものは伝えるのが難しいので、作品が持つ世界観に合わせながら誰にでも受け入れられて、かつ実は革新的なものをするというのが私の考えです」。

■ポケモンに特化した会社

石原氏の率いる株式会社ポケモンは、ポケットモンスターの原著作権を持つ任天堂、クリーチャーズ、ゲームフリークの3社が共同出資して設立されたポケモンのための会社です。ポケモンというブランドを世界中に更に広げていくために特化し、それだけを考えている集団です。

歴史を紐解けば、1996年に『ポケットモンスター赤・緑』がゲームボーイで発売され、口コミで広がり後に大ヒットとなります。その後、アニメ、映画、各種グッズ、公式ショップ、海外展開と幅広い展開が行われる中で利害関係者の調整やブランド全体のプロデュースのために株式会社ポケモンは生まれました。

特化した会社があることで派生商品もブランドの強みに活かしていけるそうです。「派生商品を作るというのは、キャラクターを消耗するというのが私のイメージの中にはあります。なので、できるだけ、キャラクターを強化するような形での商品開発を行う、プロデュースする、というのを意識しています。派生商品を作る事がポケモンの世界をより力強いものにする、という形でなければならないと思っています」(石原)

同様の企業を考えればウォルト・ディズニーやサンリオはキャラクタービジネスという意味では近しい関係ですが、多様なブランドを取り扱うという意味で、ポケモンに特化した存在は異色です。しかし「先日から読売新聞社とタイアップして巨人戦でポケモンの展開をしているのですが、その時に株式会社読売巨人軍というのは非常に近い間柄にあると感じました。巨人のブランドを常に考え、未来の子供のために野球教室を行う。ゲームやキャラクタービジネスで考えていたので不思議な印象でした」

■ドラクエのすれ違い通信は悔しかった

ゲームボーイで通信の大切さを知らしめた『ポケットモンスター』でしたが、『ドラゴンクエストIX』のすれ違い通信の大成功は非常に悔しかったそうです。「すれ違い通信は『Nintendogs』で始まり、『ポケモンダンジョン』では複数のゲームで交差する仕組みも取り入れました。当初から非常に緻密に考え抜かれたシステムで自信もあったのに、ルイーダの酒場に全く敵わなかった。本当に悔しい」(石原)

対する市村氏の方は「実はすれ違い通信は特にそんなに力を入れていたわけじゃなくて・・・。でも、感覚的にミクシィのような、交流した人の数が増えていくカウンターのようなものは面白いというのはありました」という返答。

石原氏としては原因の分析は出来ていて、「長くじわじわと売れるポケモンはすれ違い通信で沢山の人が一気に遊ぶ環境を作ってこなかったので、盛り上がりに欠けたものになったのだと考えています。またドラクエの方が年齢層が上なので情報の伝播が早いというのもあると思います」。石原氏は物静かに淡々と語るという雰囲気を見せますが「次の作戦はもう立ててある」と負けず嫌いな一面も見せていました。

市村氏としての課題では逆に長く売るというのがあったそうですが、『IX』でもあまり効果を挙げたとは言えません。その点については石原氏は冗談めかししながら「それは株式会社ドラクエがないからでしょう」と言いつつ、「ポケモンは常にリテンションを高めるための戦略を立て、イベントや仕掛けを続けています。それが少しずつ響いているのが大きいのでは」と語っていました。

■アニメは「ダイの大冒険」を参考にした

リテンションを高めるという意味では毎週放送されるアニメは見逃せません。しかし初代『ポケットモンスター』を発売した時点ではトレーディングカード以外の展開というのは何も考えられてなかったそうです。「96年の最もゲームを発売してはならない2月27日に発売してから、その年の10月にカードゲーム発売、翌年4月にはアニメをスタートしました。次いでボケ年センターができ、映画が公開され、ほぼ3年おきに本編の新作を作ってきました」

非常に早いアニメ化でしたが『ドラゴンクエスト』を原作にした「ダイの大冒険」のアニメを参考にしたそうです。「どのようにスタートし、どのように終わったか勉強しました。大変失礼な言い方ですが、そうならないようにアニメをプロデュースをすることをひたすら考えました。アニメを展開して何クールかやってそこでピークを迎える為の取り組みではなく、次の『金・銀』に向けてあらゆるメディアを総動員して爆発させる為の布石の一つだったので」

ちなみにゲームとアニメのストーリーの関係については「結果として辻褄があってますが、中は大変なことになってます。それは人には言いませんが(笑)。とにかく同時進行なので誰かがこけるとみんなこける仕組みです。なので、こけないようにするのと、こけても大丈夫なように精神を鍛えてます(笑)」。

■変わるものと変わらないもの

最後に二人から総括のコメントがありました。

「今日お話を伺っていて、ドラクエとポケモンは共通する部分があるなと思いました。それは変わらない部分があるということです。もちろんユーザーは多様化していて、新しい取り組みも必要です。しかしドラクエらしさを忘れず、今日のテーマにあるような"人を幸せにするプロデュース"を意識して、願わくばできるだけ沢山の人をハッピーにする、人類全てに遊んで貰えるゲームを作っていきたいと思います」(市村)

「変えない方がお客さんは安心します。その一方で新しいが刺激が欲しいというニーズがあります。私は変えることにはためらわない方ですが、冒頭で言ったような全年齢を対象とした物作りというのは変えないつもりです。ポケモンにはカジノという施設があり、ある地域では賭博性があるということで全年齢対象には出来ないということがありました。その時は凄く悩みました。でも最終的にはそこの表現にマスクをかけてでも全年齢対象を選びました。人それぞれ表現したいもの、その手段は異なると思いますが、私はこの世界中の全ての人に楽しんで貰えるエンターテイメントという領域でプロデュースしていきたいと考えています」(石原)
《土本学》

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら