この1週間の気になる生成AI技術・研究をいくつかピックアップして解説する今回の「生成AIウィークリー」(第162回)は、Jevを上回る精度の判断特化型AI「Clef」や、常時稼働AIエージェントのワークスペースを自前で構築できるOSSテンプレート「OpenDots」を取り上げます。
また、余計な機能は足さないオープンソースのAIエージェント基盤「Pi 1.0」や、1件平均0.25秒で処理する爆速な判断特化AI「Jeff」をご紹介します。
そして、生成AIウィークリーの中でも特に興味深いAI技術や研究にスポットライトを当てる「生成AIクローズアップ」では、AIが生成した独特のクセがある文章を、人間にとって読みやすい日本語に推敲してくれるスキル「yomiyasu」(よみやす)を別の単体記事で取り上げています。
Jevを上回る精度と速度の判断特化型AI「Clef」をCloudflareがオープンモデルで発表
Cloudflareは、オープンソースの意思決定モデル「Clef」および「Clef-flash」をApache 2.0ライセンスで発表しました。テキストだけでなく、画像の分類も可能です。
文章を生成する一般的なLLMとは異なり、Clefは与えられた情報から「どのカテゴリーに属するか」「緊急かどうか」といった決まった形式の回答を、低コストかつ高速に出力することに特化しています。
基盤技術として、ClefはQwen3.8-27B、軽量版のClef-flashはQwen3.5-9Bをベースに追加学習が行われています。
Cloudflareの発表によれば、意思決定モデルの評価指標である「Jev Decision Index」において、Clefが現在トップに立っています。10個のベンチマーク中8個で、先行モデルの「Jev」を上回る結果を収めました。処理速度においても、トップではないですが、Jevを上回る速さを記録しています。




Clef
Cloudflare
Blog | Hugging Face
常時稼働AIエージェントの作業環境を自前で構築できるOSSテンプレート「OpenDots」をCopilotKitが公開
CopilotKitが開発した「OpenDots」(アルファ版)は、常時稼働するAIエージェントの作業環境を構築するためのオープンソース(MITライセンスは)テンプレートです。Webおよびモバイルで利用でき、ユーザーの業務に合わせて自由にカスタマイズできます。
AIエージェントは、テキストチャット、音声通話、Slackのプラットフォームを横断し行き来することができます。
「Dot」というエージェントには役割やツールを自由に設定でき、それぞれに専用のコンピュータ環境を割り当てられます。ブラウザ操作やターミナルの実行結果はチャット上でそのまま確認でき、エージェントが作成したドラフトは人間の承認を経て「Space」に保存することも可能です。

OpenDots
CopilotKit
GitHub
余計な機能は足さない、オープンソースのAIエージェント基盤「Pi 1.0」正式公開
「Pi 1.0」は、オープンソースでMITライセンスのAIエージェント基盤であり、主にプログラミング作業を支援するツールや、エージェント型アプリケーション構築の基盤として利用できます。
これまでもPiとして世界中で広く使われており、今回ユーザーのフィードバックを反映して正式版としてPi 1.0を公開しました。
流行りの機能をむやみに追加するのではなく、本当に役立つ実績が証明された技術だけを取り入れているシンプルさが特徴です。これにより、多くの機能を搭載することによる複雑さを抑えています。
Pi 1.0では、MCPに標準で対応し、画像モデルなどのLLM以外のモデルも扱えるようになりました。また、必要になった時点でツールを読み込み、対話の途中でAIへの指示を変更できる仕組みなどが追加されています。
さらに、長期間動き続けるようなAIシステムを開発するための「Pi Durable」も同時公開されました。

1件平均0.25秒で処理する爆速で小型な判断特化AI「Jeff」が無料で公開
「Jeff」は、文章を生成するのではなく、用意された選択肢から最適なものを高速で選ぶことに特化した、8億パラメータの軽量なAIモデルです。
Jeffは、LLMの手前に配置するフィルター役としての使い方ができます。日常的な簡単な判定はJeffが素早くさばき、確信が持てない複雑な問題だけを背後の大型モデルに任せることができます。
具体的には、Qwen3.8-27Bと比べた場合、正答率は8タスクの平均あたり86.6%から95.3%に上がり、1件あたりの平均処理時間が8.1秒から250ミリ秒へ37.7倍に高速化します。
v1.2版では、スパム判定やカスタマーサポートの振り分けなど、特定のタスクに特化した9種類の追加パーツ(アダプター)が提供されています。すべてのパーツを同時に読み込んでも、GPUメモリ消費は約1.96GBです。
コードはMITライセンス、モデルの重みはApache 2.0ライセンスで公開されています。


Jeff
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