
皆さん、車でレースをしていますか?
現実で車を使ってレースをしたことがある、という人は少数だと思いますがゲーム内でレースを楽しんだことは少なくとも数回はあるのではないでしょうか。誰かと競い合うレースというのは非常にアドレナリンが出るものです。
そんな熱気溢れる場所が1月9日から1月11日の3日間で開催された「東京オートサロン2026」の中にも存在していました。それが幕張メッセ内の国際会議場で開催されていた「eスポーツエクスペリエンス」です。「東京オートサロン」自体はカスタムカーの祭典ということで基本実車が主役のイベントなのですが、現代においてゲームでのシミュレーションは実車の開発や宣伝などに大きく関わっていることもあり、専用のスペースでブースやイベントが開催されていました。
そんな素敵な場所を見にいかないわけにはいかない!ということでこちらのブースについて詳しくレポートしようと思います。eスポーツレースの熱気がここに凝縮されていました。
どこもかしこも『グランツーリスモ7』


さて、実際にeスポーツエクスペリエンス内の会場に入ってみるとまず目立つのは『グランツーリスモ7』がプレイできる体験筐体の数々。レーシングシートにハンドルコントローラーがずらっと並ぶ光景は壮観でした。ここでは座った場所によってコースと車両が自動的に設定されており、初級・中級・上級の難易度とギア操作をATかMTにするかを決定した後実際にプレイすることができました。そして難易度に応じてボーダーラインが定められており、指定された順位以上でゴールするとイベントオリジナルステッカーが獲得できるというチャレンジイベント。筆者ももちろんチャレンジし無事ステッカーをゲット。並んでいる人たちも家族連れの子供から学生、さらに海外の人もいたりと非常にバラエティに富んだ人たちが列に並びレースを楽しんでいた印象です。


その他のブースでも特定のサーキットのタイムアタックを行っており、今日1日で一番速い人は誰なのかというコーナーがあったり、リバリーを作って遊んでみたりとそれぞれの楽しみ方で来場者の人たちは楽しんでいた印象です。
車越しに見える感情のぶつかり合い、名勝負
さて、メインステージでは色んなイベントが開催されていました。今回、筆者が取材に訪れたのは1/10の土曜で、その中でも「Gran Turismo College League 2025」を取材してきました。6年目を迎える本大会は、全国から集まった大学20校が3人の代表を選び、チームで走るというもの。各予選10チームずつに分かれ予選レースで上位5チームが決勝に進出し、そして決勝で雌雄を決するという流れになっていました。途中で走るドライバーが変わるので、エースドライバーをどのタイミングで走行させるのかがレースの鍵を握り、1人だけが突出した実力があっても勝つことが難しい非常に厳しいというのが特徴です。







まず予選A組。ここでは前回チャンピオンの東京電機大学と上智大学が大きく抜け出し下位のチームを寄せ付けないレース展開。3位以下のチームはお互いの車がぶつかってペナルティを受けたり、無理に抜こうとしたりブロックをしようとした結果コースアウトしてしまったりと荒れ模様な戦いになっていました。最終的には東京電機大学が終盤少しずつ上智大学を引き離しチェッカーを受けました。一方予選B組は最終ラップで大波乱。トップを走っていた明治大学が周回遅れの愛知工業大学の車両とぶつかり大クラッシュ。その間に青山学院大学がすり抜け5位からのジャップアップでのチェッカーを受ける形に。明治大学は6位に沈み、前回準優勝校が予選で消える衝撃の展開になりました。


そして決勝。コースはスペック3のアップデートで新規追加され、F1のコースとしても使用されている難コース「ヤス・マリーナ」が舞台になりました。しかも周回数は予選の倍以上になる18周となり、さらにタイヤもハード・ソフトの両方を使用しなくてはいけないというレギュレーション。各々6周走らなければいけないというタフなレースに加え、どのタイミングでハードのタイヤを使うのか、エースにハードタイヤを使ってもらいペースダウンを抑えるのか、ソフトタイヤで限界アタックを仕掛けるのかなど、決勝レースに相応しい戦術戦も繰り広げられることになりました。




決勝レースが始まると、ポールポジションスタートだった東京電機大学とスタートダッシュを決めた4位スタートの駒沢大学、そして上智大学が続くレース展開に。しかし「走れば走るほど攻め方が難しくなる」と解説の山中智瑛氏が言っていた通り、プレッシャーのある中で各チームとも車両の接触や大なり小なりのコースアウトが発生し、レースは予選に続き抜きつつ抜かされつつのデッドヒートとなりました。


ですが、そういったことが起きていたのは4位以下まで。トップ3のチームは大きく崩れることなく、安定した走りを続けていました。その中でも速かったのは東京電機大学。1周ごとに少しずつ少しずつ2位の駒沢大学との差を広げていき、終わってみれば15秒の差を付けてのポール・トゥ・ウィンを達成。徹底したミスをしない走りが結果に結びついた、そんなレースとなりました。

レース後は表彰式に。表彰式では『グランツーリスモ』シリーズのプロデューサーである山内一典氏が壇上に上がり総評を述べていました。「年々レベルが上がっている」とのことでしたので、もしかすれば未来のCollege Leagueでは大学チーム全員がプロ級の実力、あるいはライセンスを持っているなんてことも起きるかもしれない、そう思わずにはいられないレースだったなと筆者は感じました。
走る喜びは"e"から始めていいんじゃないか

こうしてイベントを体感して筆者が考えたのは、今の時代実際の車でレースをするというのはよりハードルが上がっているのではないかということと、だからこそゲームで走る喜びを感じて欲しいという気持ちでした。実際のレースカー、あるいはそれに属する車を買う余裕がある人(特に首都圏で生活する若者)は、昨今大分少なくなっていると思いますが、レースゲームで実際のレースに近い挙動を体感することに関しては年々ハードルが下がってきているとも筆者は思っています。実際、今回レースを見たり体験したりした人たちを見ると、誰もが笑顔を浮かべていて楽しそうだったのが印象的でした。だからこそ、自分の好きな車をゲームで選んで走ってみる――そんな遊びを今回のイベントをきっかけに一歩を踏み出してほしいと切に思います。










