
露プーチン大統領の報道官が12月16日、ゲームプラットフォーム『Roblox』への国内でのアクセス制限について、子供たちからの苦情がクレムリンに殺到していると発表しました。「The Moscow Times」や独立系メディア「RBC」などが報じています。
◆8歳から16歳までの子供たちから抗議のメール63,000通
ゲーム業界におけるYouTube的存在とも呼ばれ、13歳以下の子供にも大人気の『Roblox』ですが、「ロシア連邦通信・情報技術・マスコミ監督庁(ロスコムナゾール)」は『Roblox』を、“過激主義やテロリズムを助長・正当化する資料、暴力への呼びかけ、LGBTプロパガンダを配信するプラットフォーム”とみなし、12月3日にアクセス制限を発表しました。
ロスコムナゾールとは、ロシア国内の電子メディア、マスコミ、情報技術、通信機能全般の監督・規制を行い、検閲的な役割を担う政府機関です。
このアクセス規制に関して、社会活動家であり「Safe Internet League」代表のエカテリーナ・ミズリナ氏がTelegramにコメントを投稿しました。その内容は『Roblox』規制以降、8歳から16歳までの子供たちとその保護者から63,000通ものメールを受け取り、その大半に「ロシアを出て行きたい」と書かれていたとのこと。「いつでもどこでも、ロシア国旗を掲げているような愛国心ある子供たちの心と、将来が心配」と言う同氏は、ブロック解除を求めるメールの一部をロスコムナゾールに送信したと語っています。
報道官は「ロシアを出国したいということは書かれていなかった。ゲームへのアクセス制限解除については多くの要望が確かにあった」と、報道陣に述べました。
ロスコムナゾールは『Roblox』で遊ぶ子供たちの多くが、「性的嫌がらせを受け、極めてプライベートな写真を騙し取られたり、暴力的な行為を強要される」経験をしているとしており、同プラットフォームは「子供の精神的・道徳的発達に悪影響を与える可能性のある不適切なコンテンツが満載であるため」、ブロックを解除する理由は見当たらないとしています。
一方でミズリナ氏は別の投稿で、『Roblox』の規制以降“回避策”をグレーゾーンで探し始めた子供たちは「誰が提供しているのか分からないアプリを経由し、自分たちの個人データを提供する悪循環に陥っている。ペアレンタルコントロール機能はほとんど機能しないだろう」と述べ、子供たちの生活に侵入する小児性愛者や犯罪者への対抗手段は安易なブロックではなく、他の手段を模索すべき時期ではないか。『Roblox』がなくとも、あらゆるプラットフォームやソーシャルネットワークに原則として同じことが言えるのではないかと問いかけています。










