株式会社ヒューマンメディアは2025年11月28日、2024年の日本および世界のコンテンツ市場規模、ならびに日本コンテンツの海外売上に関する調査結果を発表した。詳細は本日11月30日発刊の「日本と世界のメディア×コンテンツ市場データベース2025 Vol.18【確定版】」に掲載されている。
調査によると、2024年の国内コンテンツ市場規模は前年比3.9%増の15兆円を超え、統計開始以来最大となった。また、海外輸出においてもアニメ分野が前年比26%増と急伸し、全体を押し上げる結果となった。
【おしらせ】
国内市場は15兆円超えで過去最大、デジタル分野が過半数に迫る
2024年の日本のコンテンツ市場規模は、15兆2,602億円(前年比3.9%増)となり、過去最大規模を更新した。
成長の要因として、映像・音楽配信サービスの普及拡大、スマートフォンゲーム市場、そしてオンライン広告の拡大が挙げられる。これらデジタル・オンライン関連分野の合計規模は、コンテンツ市場全体の過半数に迫る勢いを見せており、市場拡大の主要因となっている。

海外売上は6兆円突破、アニメが前年比26%増の2.2兆円と急伸
映像産業にとって注目すべきは、海外市場における日本コンテンツの収益力である。
2024年における日本コンテンツ7分野(映画、テレビ番組、アニメ、家庭用ゲーム、スマホ・PCゲーム、出版等)の海外売上合計は、前年比約4%増の6兆円を突破した。このうち、日本国内への還流収入は約3.4兆円と推計される。
特筆すべきはアニメ産業の躍進である。アニメ分野(劇場・放送・配信等の映像および商品化ライセンス含む)の海外売上は約2.2兆円に達し、前年比26%増という大幅な拡大を記録した。アニメが日本コンテンツのグローバル展開における成長を大きく支える構造が浮き彫りとなった。

世界市場との比較:米国は日本の7倍、中国は3.5倍
世界主要8か国・地域の市場規模比較では、米国が90兆円超(円建て)で最大となり、日本の約7倍の規模を誇る。次いで中国が40兆円超(日本の3.5倍)で続き、前年比13%弱の成長を見せた。
英国は14兆円超を記録し、比較可能な項目においては日本をわずかに上回る市場規模となっている。
なお、本調査における「国内市場規模(約15兆円)」には日本独自のカラオケやアーケードゲーム等が含まれているが、世界比較においては海外に統計がないこれらの項目が除外されている。そのため、国際比較の基準上では日本の規模が縮小し、英国を下回る結果となった点に留意が必要である。

GDPに占めるコンテンツ市場の割合を見ると、日本は2.44%で米国を上回るものの、韓国や英国よりは低い水準にとどまった。また、国民1人当たりの年間消費額では、日本は米・英・韓・独に次ぐ水準であり、米国の40%以下、英国の約半分となっている。国内市場は過去最大を更新したものの、個人のコンテンツ消費支出という点では、依然として開拓の余地や課題が残る結果となった。
本調査の詳細が掲載されている「日本と世界のメディア×コンテンツ市場データベース2025 Vol.18【確定版】」は、ヒューマンメディアの公式サイトから購入可能だ。








