
レビュー集計サイトMetacriticによると、元『GTA』プロデューサーの新作として大きな期待を集めた『MindsEye』が、2025年で最も評価の低いゲームとなる可能性が濃厚です。
「GTA風ゲーム」への期待と、全く異なる現実

弊誌Game*Sparkのレビューでも厳しい評価となった本作ですが、そのPC版のメタスコアはわずか“37”。この記録的な低評価は、技術的な問題だけでなく、「期待と現実」の大きなギャップが招いた必然的な結果と言えるかもしれません。
開発スタジオの設立者・Leslie Benzies氏が「元ロックスター・ノース社長」「『GTA』シリーズのプロデューサー」という経歴を持つことから、多くのゲーマーは広大なオープンワールドを自由に探索できる「近未来版GTA」のような作品を期待していました。
しかし、実際に発売されたのは1本道のシナリオを追う、自由度の低いアクションゲーム。
海外レビューでは「オープンワールド作品のコスプレ」とまで酷評され、この過大な期待とのギャップが、評価を大きく下げる一因となりました。
期待を裏切られたプレイヤーをさらに追い詰めたのが、大量の技術的問題です。「パフォーマンスが不安定」「クラッシュが多発」といった報告が相次ぎ、「未完成品」との烙印を押されました。
さらに事態は深刻化し、PlayStationがダウンロード版の返金に応じるという、『サイバーパンク2077』のローンチ以来となる異例の対応にまで発展しています。
発売前から始まっていた“崩壊”の兆候

なぜ、これほどの事態に陥ったのでしょうか。その兆候は、発売を目前に控えたタイミングでの経営幹部の相次ぐ退社から現れていたと言えそうです。
そして発売後、酷評が殺到する中で行われた100人規模の大規模レイオフ。さらに経営陣は、低評価の原因を「社内外の工作員のせいだ」と責任を転嫁するような発言をしたことも報じられています。
この混乱は開発スタジオの外にも及び、主演俳優がヘイトに苦しんだ絶望的な心境を吐露。ついには英国の労働組合から「従業員への長年の不当な扱いがあった」と経営陣を名指しで糾弾されるなど、プロジェクト全体が崩壊していた様が次々と明らかになっていきました。
度重なるアップデートにより、現在ではゲーム自体の評価は一部で改善の兆しを見せています。しかし、「期待」と「現実」のギャップから始まった一連の騒動がユーザーや業界に与えた不信感は根深いようで、今回のメタスコア“37”という不名誉な記録は、その当然の帰結と言えるのかもしれません。
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