6月16日、ドナルド・トランプ氏が大株主であるTrump Organizationは、独自の携帯電話ブランドTrump Mobileの設立と、第1号製品となるスマートフォン「T1」を発表しました。
まるで金の延べ板のような外観を纏って発表されたスマートフォン「T1」については、あまり詳しい情報は出ていません。発表されたスペックを列記していくと、120Hz駆動の6.8インチAMOLED、256GBの内蔵ストレージ、50MPのメインカメラ、2MPの深度センサー、広角カメラ、マクロカメラ、さらに指紋センサーと「AIフェイスアンロック」機能、20Wの急速充電に対応する「5000mAh 長寿命バッテリー」を搭載します。
また、最近のスマホにおいて絶滅に瀕しているmicroSDカードスロットと、3.5mmイヤホンジャックも、T1には搭載されています。OSにはAndroid 15を採用し、本体価格と発売時期は、499ドルで8月を予定しています。
Trump Mobileは「The 47 Paln」と名付けられた月額47.45ドルのプラン1種類のみを提供します。おそらく、米国の第45代および第47代大統領であるトランプ氏にちなんだネーミングおよび価格設定になっているこのプランは、通話およびテキストメッセージが無制限、データ通信量は毎月20GBの無料分を含んでいます(超過すると通信速度低下)。
Trump Mobileは基本的に、Trump Organizationから、そのブランド名のライセンスを受け、MVNOであるLiberty Mobileのサービスをベースとするホワイトレーベルとして事業を展開します。従って、インフラ的にはAT&T、T-Mobile、Verizonといった既存の携帯電話キャリアのものを間借りする格好で、ユーザーにサービスを提供します。
ドナルド・トランプ・ジュニア氏は発表の場で、Trump Mobileのサービスは「十分なサービスを受けられなかった人々のため」や「真のアメリカ人が携帯電話会社から真の価値を得られるようにするため」にこのサービスを構築したとコメントしました。しかし、Mint MobileやBoost Mobileといった他の格安携帯キャリアの安価なプランに比べ、約2倍にのぼる月額料金は、「十分なサービスを受けられなかった人々」の立場から見ると、さほどお得ではないかもしれません(Liberty Mobileにも、月額20ドルのプランがあります)。
Trump Mobileおよび「T1」のニュースを最初に報じた商標弁護士ジョシュ・ガーベン氏のブログサイトでは、ドナルド・トランプ氏の商標を管理するDTTM Operations LLCが米国特許商標庁(USPTO)に 「TRUMP」 および 「T1」を含む大量の商標登録を出願したと伝えています。しかし、特に「T1」の商標登録に関しては、T-Mobileが黙っていないのではないかと、ガーベン氏は指摘しています。